二次創作を載せて、原作のファンを増やすスレ (12レス)
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4: 1 2005/10/13(木)20:51 AAS
さて、この世界の魔法について少し定義しておくと、魔法=心の波である。ある呪文を使いたければ、そのもの(氷、炎、雷、治癒、移動etc)を強く実写的にイメージできなくてはいけない。その力量がとりもなおさず魔術師の魔力と呼ばれる所になってくる。イメージは微かな波となって、固有の音色を持つ。一般的にはこの微波動を杖、指輪、腕輪などで増幅してやって、超常現象を引き起こすのだ。
 目に飛び込んできた景観は、ある意味で四人をひどく驚かせた。城の外部が威圧感あふれる造りであるのに反して、内部はさながら王宮(パレス)のようであった。そのギャップは、難しいと噂されていたテストが簡単だった時の気持ちに良く似ている。その城の内部は美しかった。大理石と黒曜石を切り合わせた床は、光を受けて複雑に輝きを返す。中央には真っ赤なジュウタンが皺一つなくすっと伸びている。壁の明り取りの 窓には、豪奢なステンド・グラスが並び荘厳な雰囲気を醸し出している。
「四狂神って、人間と似たような美意識持っているんだな」
思わず感嘆をこぼしたマキシムが、他の三人に顔を向けた。
「綺麗なのは認めるけどね。何か落ち着けないわ」
セレナが小首をかしげる。
「まぁ、落ち着けないぐらいがピッタリじゃないか。これから四狂神をブッた斬りにいくんだからな! 」
ガイが景気付けに、背丈程の斧を振り回す。割かれた空気が重低音をたてる。この斧は、世界で最も硬度の高い金属で作られたものだ。鋼とも銅ともいわれぬ、鈍い光を放っている。ジルコン、別名を無類鋼という。この島でも海底で年間数トンほどしか産出されない超レアメタルで、金に取って代わって一国の王の垂涎の的となっている。値段も重さも半端ではない。それを軽々と使いこなす腕力には目をみはるものがあった。
「私はこんな悪趣味な装飾は気に入りませんね。贅を尽くした宝物の数々、どうせ略奪品でしょう」
アーティはエルフの弓をニ、三度鳴らし、涼しい顔をした。ステンドグラスの方にすすっと歩いて行って、拳を振り上げてパーンと割る。
「良い音するんですね、このステンドグラス」
素で言う彼に、三人は言葉を返せなかった。エルフと人では感性が違うのだろうかと、真面目に考えてしまった一時であった。
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