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●◎短編小説・曝し場◎●
18
:
カサリズマ・メモリー 9/13
:2003/05/05(月) 03:00
目の前のボスは近すぎて全身を把握できないが、察するに何種かの甲殻虫が複合した悪魔だ。数本の節足で大木にしがみつき、硬質の外殻でもって少年の身体を押し潰してくる。どうにか右手で押し返しているが、人肉を求めるグロテスクな嘴が徐々に近づきつつある。右手も左手も塞がった。親父の助けも望めない。
「こん……インケツが……」
少年が喘いだ、正にその時、凄まじい風圧と共に、悪魔の姿が右方へと消失した。悪魔を目で追うと、土の地面を削りながら四、五メートルは吹き飛んでいる。外殻腹部が爆ぜ割れ、既に絶命しているのは一目瞭然だった。
呆けた顔で反対側を向くと、そこにはライフル銃を構えた少女がいた。彼女は硝煙を吹き散らすように銃口にふっと息を吹きかけ、得意げな笑顔を向けてくる。それを見て初めて、少年はいつも遠目に見ていたあの娘だと認識した。
「ユウレイ女……」
指差して呼ばわると、
「ちゃう」
と、気分を害した様子で答えた。少女に正面から向き直り、唾を飲み込んで気分を整えた。
「どうしてお前、こないなとこに」
「ウチの家、このへんにあんねん」
ウチのウチ……少年は首を強く振り、雑念を払う。つまり、ハンター一家の廃屋が近くにあるのか。少年はどうにも言い出す言葉を探せないまま、少女の言葉を待った。
「たすけた」
その自身溢れる口調に、少年はかっとし、少女を睨み据えた。
「何やと?」
少女の表情が変わる間に、少年は飛び掛かった。ライフルの銃口を左肩でいなし、右手で少女の細首を引っ掴む。
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