●◎短編小説・曝し場◎● (327レス)
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1: 2003/05/05(月)01:22 AAS
お題小説やシチュエーションテーマに乗っ取って作品を晒すスレは別にあります。
ここは、完璧にオリジナルな作品を晒すスレッドなので、
お題やシチュエーションテーマを決めらていると作品が書きづらいという方はここに晒して下さい。

批評なども遠慮をせずにどんどんと書き込んでいってくれれば幸いです。

※作品投稿のルール
・一番目のレスのはじめに、作品のタイトルと原稿用紙換算枚数を明記。
・名前欄には作品のタイトルと、いくつかのレスに分ける場合は”2/7”というように明記してください。
・4096文字・30行のいずれかを超えた場合、省略されてしまうので注意。
・あまり長くなる場合(80枚程度が目安)は、WEB上の作品へのリンクという形で投稿してください。
308: 桜の木の下で4/8 [タイトル入れるんだったorz] 2005/03/12(土)23:16 AAS
「食べる人への感情を表すものと、それ以外だと呪術的、儀式的な面があるのがほとんどなの。その場合人肉は必ず何かの力を持ってるとされてる。薬として用いられるのも、死んだ人の能力を取り込むために食べるって言うのもその一例だよね。他にも中世ヨーロッパではよく胎児を呪術で用いて、食べることもあるとされていたけど、あれは供物という面以外にも胎児が何かしらの生命エネルギーを持っていると考えられていたからだし」
「でもさー、何でそんなに食うかって、単純に美味いからじゃない? 豚肉みたいだとか塩味が利いてるとかはよく聞くよ」
 これは歴史研部員の癖に今まで一度もそれらしい発言をしていない自称美少年。さすが知性のカケラもない。
「でも草食動物でないと肉は臭くて硬いって言うよ。人間は雑食だから美味しくないはずなのに、味に言及した描写で全部『美味しい』って言ってるのは何でなんだろう」
 これは仲間にこだわる文芸部員。さすが生物学に明るいことはある。理系だから当たり前だが。
「うーん……説話とか昔話ではよく美味しくって病み付きになって、って展開があるけど、それって登場人物に禁忌を犯させる動機付け以上の物ではないんだよね。
実際に食べたって言う人の話を聞いても、たとえばひかりごけの人なんかは今まで食べた中で一番美味しいみたいなこと言ってたけど、あれは空腹に耐えて耐えて耐え切れなくなって食べた時の話だから信憑性がなあ。
まあ飢餓以外で食べた最近の人間の証言はもっと信憑性ないけど」
「…………アルバート・フィッシュとか? 」
 部長がうかがうような目をして、何十人もの子供を拷問し、殺し、食べ、オーブンで焼いた少女のお尻の味を賛美する手紙を少女の両親に送りつけた猟奇殺人鬼の名を挙げた。
省6
309: 桜の木の下で6/8 [ナンバリングも間違えたorz] 2005/03/12(土)23:17 AAS
「……なんかそれ猟奇殺人鬼から阿部定みたいな情熱の女っぽい話になったね。あの人は食べてないけど。私と貴方はひとつになるの、とかそんな感じ? 」
「『ひとめあなたに』はよかったなー。実際は口に入ってないけどマジでひとつになってたからさ。女の執念と言うか」
「まだ読んでないよそれ! ネタばれとかしないでお願い!」
「あれ、待って、ちょっと待って」
 いきなり部長が声を上げた。
「ねえ、ここまででもう結論は出てない? 飢餓以外の食人行為はほとんどが文化的風習か猟奇的犯罪でしょう? で、文化的風習では、弔うためっていうのは愛する人とひとつになるっていう面が多少ないかな。他は薬効があるとされるため、何か不思議な力があるっていうことで呪術や儀式に使われる、でしょう? で、それ以外では相手を征服するため、性倒錯が行き過ぎた所有欲から…………」
「え、え、何か共通点でも見つけましたか部長!」
「さっき相手とひとつになるって言ったよね、弔いのために食べるのもそういう面が多少あるでしょう、それから相手の能力を取り込むって言うのもかなりの例に該当するでしょう。薬に使うときも呪術に使うときも。」
「あ…………」
 見事に全員の声がそろった。
省16
310: 桜の木の下で7/7 [再びナンバリング間違えてたorz] 2005/03/12(土)23:19 AAS
「いつもここから見ているとあなた方がとても詳しそうなのでね、どうしても一度じっくりお話を伺いたかったんですよ」
「えっ…………」
 ど、どうしようおとなしく見えるだけで実はやっぱり変な人だったのか!?
 やばいやばいやばいマジで実行者だったら文字の上でしか知らない私たち太刀打ちできないっておまわりさーん!
 しかもいつもここから見てるって何だストーカーかストーカーなのかおまわりさーん!
 他の人間を見るがみな一様に蒼白な顔をして固まっている。だめだ、助けになりそうにない。
 おじいさんは笑顔を崩さないままさらに続ける。
「他の人が来ないようにしておいてよかった。あなた方が今日来てくれて本当によかった。
今の時期なら私がどういうことになっているのかちゃんと見ていただけますから」
「ど、どういうことになってるかって…………」
省18
311: アッド・マウンテン 1/10 2005/11/22(火)02:20 AAS
 作品名:贅沢を好む悪魔
 原稿用紙換算枚数:18枚

 ある晩、贅沢を好む悪魔がやってきた。悪魔は今、モモゾウの隣に立っている。
「やあ、モモゾウ君。私がここにいるのはどうしてかな」
 悪魔はとても素敵な笑顔で話掛けてくる。彼の真っ黒な腹からはとても創造できないも
のである。
「わからないよ、そんなこと。あなたは誰です」
 ベッドの上で上半身を起こしているモモゾウは、じっと見つめた。
「ああ……、やっぱり気づいていないか。私はね、贅沢を好む悪魔という者だよ。君はど
うやらとても贅沢なようで……、何か心当たりはないかい」
省9
312: アッド・マウンテン 2/10 2005/11/22(火)02:24 AAS
 そう言われると、モモゾウも意外と間違ってはいないかもと思うようになる。結局モモ
ゾウはそれを否定しなかった。
「よし、じゃあこうしよう。私はこれからモモゾウ君のためにおいしい食事を、素晴らし
い食事をご馳走するよ。でもその代わり、君の心を私に預けてはくれないかい」
 モモゾウには自分の心の価値は分からなかった。そんな形のないものにこだわってどう
しようというのであろう。それよりも、相手は何とも気前の良さそうに食事をご馳走して
くれるというではないか。モモゾウが拒否する理由は見つからなかった。
「モモゾウ君、何も心配することはない。私はこれから満足をさせるための案内する。君
はそのまま心を貸してくれればいい、それだけの約束です。さあ、出発しよう」
 こうして彼らは生温い夜空の外へと歩み出した。
省9
313: アッド・マウンテン 3/10 2005/11/22(火)02:26 AAS
「やだな、モモゾウ君。食事はこれからだよ」
 隣に立つ悪魔が声を掛けてくる。そして、目の前に向かって手を差し出した。その通り
に振り向くと、いつの間にか食事が用意されていた。周りには誰の姿も見えない。
 モモゾウは勧められたとおりに、さっそくいただくことにした。しかし、ふと……。
「おや、どうしたんだい。遠慮はしなくていいんだよ」
「えっと……、そうだよね。いたただきます……」
 一瞬、モモゾウには出された食事がとんでもなく汚いように感じた。しかし、そんなは
ずはない、こんな綺麗な店でそんなものが出されるはずがない。そんな風に思う理由は、
目の錯覚……。

「どうかな、満足出来たかい」
省9
314: アッド・マウンテン 4/10 2005/11/22(火)02:29 AAS
「ここがそうだよ。さあ入ろう」
 店に入ると、中には何があったのかは知らないが、大層機嫌が悪そうな人がいた。
「……いらっしゃい」
 そしてまた、やる気のない人のようである。
 悪魔が食事をしたいことを告げると、店の人はあくびをしながら用意を始めた。
 大きな器の中に湯が満たされる。作業はそこまでで半分。あとはよく分からない数種類
の、瓶に入った粉を混ぜるだけ。それだけでうっとりとするような、七色の光を放つ食事
の完成である。
「あれっ、これがさっきのお湯……」
「おやおや、どうしたんだい。遠慮はしなくていいんだよ」
省11
315: アッド・マウンテン 5/10 2005/11/22(火)02:31 AAS
今回も悪魔の先導で歩き始める。普段あまり長くは歩かないモモゾウであるからちょっ
ぴり疲れてきた。
 三つ目のお店は確かに立派だった。おそらく、最初の店よりも。ただ、ここまでくると
これが食事をする場所なのか、モモゾウははっきりと分からなくなってきた。
 中も同じように立派である。店の中の人も立派だった。これまでにない、きちんとした
接客、素晴らしい料理の数々……。
 今回は迷いはなかった。そうして料理に触れようとする。
「お客様、まだ召し上がってはいけません。何事にも事前の準備というものが必要なので
す」
 いきなり店の人に止められ、混乱するモモゾウ。よくわからないので、隣の悪魔に助け
省10
316: アッド・マウンテン 6/10 2005/11/22(火)02:33 AAS
「さあさあ、もう待つことはないんだよ」
「あっ、そうだった……」
 その通り、何も迷うことはないのである。これほど素晴らしい料理が目の前にあるのだ
から。不安な気持ちになることもない。そんな風に思う理由は、耳の錯覚……。

「どうだった、もう満足できたかい」
 外に出るとやはり、食後の感想を尋ねる悪魔。
「お腹のほうはもうほとんど一杯だよ。でも……、あれが本当においしい料理なのかな」
「いやはや、さすがモモゾウ君だ。まだ満足できないんだね。私に構うことはないよ。君
が満足できるまで付き合うよ。さあ、立ち上がって、次の店に行こう」
「えっ、でももうあまり食べられないよ」
省8
317: アッド・マウンテン 7/10 2005/11/22(火)02:35 AAS
「さあ、そろそろ行こう。何も迷うことはない。おいしいものを食べに行くだけじゃない
か」
 再度、悪魔は出発することを促す。
「うん、行くけど……。その前に一つ、質問してもいい」
「もちろん、私に答えられることなら」
「それじゃあ、僕たちはこれまでにお店は三つ訪れたよね。でも僕が思うに今のところ、
あなたが案内してくれた店にしか行ってない気がするんだけど、違うかな」
「いやいや、その通りだよ。私なりに、モモゾウ君が気に入ってくれそうな店を選んだつ
もりなんだが」
「そのことなんだけど……今度は僕の食べたいものが、あるところに行きたいんだ。その
省10
318: アッド・マウンテン 8/10 2005/11/22(火)02:40 AAS
「なんと、どういうことですか。見ての通り、ここには何もない。何もなければ食事はで
きません。それでは私は君を満足させられない。先程、約束は確かにしました。けれどそ
れでは、私は最初の約束を果たせない。これでは駄目です」
 モモゾウは首を横に振る。そして自分の上を指し示した。
「よく見て下さい。ほら、あれでなら食事はできますよ」
 夜闇の中にうっそうと立っているものがあった。大きく、そして黒い実の生っている木
である。
「あれで食事をするのですか、いや、しかし……」
「あれを食べることは食事ではないの、そんなことはないと思うけど……。どうしてもと
言うのなら諦めます。でも僕に食べさせてくれないあなたは、自分で約束を破ることにな
省10
319: アッド・マウンテン 9/10 2005/11/22(火)02:44 AAS
「わかりました、君があれで満足できるかもしれないと言うのなら、そうしましょう。し
かし、残念ながら私にはできない。だってそうでしょう、私はあの木の実のところまで手
\が届かない。これは仕方のないこと、約束を破ることにはならないでしょう」
 それを聞いたモモゾウは納得した。
「そうですか、わかりました」
 それを聞いた悪魔はうっすらと笑みを浮かべ、ほっとした。
「じゃあ、僕、自分で取ります。これは目の前に用意されたお皿から料理を取ることと同
じ、当然ですよね」
「そんな、まさか……」
 悪魔はモモゾウを見くびっていた。確かにそのままでは実の所までは届かない。ならば
省9
320: アッド・マウンテン 10/10 2005/11/22(火)02:48 AAS
「おーい、桃蔵。そろそろ起きろー」
 いつもの聞き慣れた声で目を覚ます。そこは普段と変わらない四角いコンクリートの部
屋、体は藁のベッドの上。そして目の前には、いつも世話をしてくれているおじさんが立
っていた。
「どうした、桃蔵。何かあったのか」
「おじさん、変な夢を見たんだ。贅沢を好む悪魔っていうのが出てきた」
 それを聞くとおじさんはとても感心したように、笑って答えた。
「へぇ、お前、よく帰ってこられたな。そいつはな、相手にまずい料理を偽りながらひた
すら食わせて、命を奪うんだ。そうして真っ黒に実った心から贅沢っていう欲望をすすり
ながら生きているんだよ」
省8
321: 2006/07/21(金)12:53 AAS
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ
322: 2006/07/21(金)12:54 AAS
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ
323: 2006/07/21(金)12:54 AAS
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ
324: 2006/07/21(金)12:55 AAS
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ
325: 2006/07/21(金)12:56 AAS
>>158
亀レスですが「好もしい」じゃなくて「好ましい」では?
誰も突っ込まなかったんで。
豚切りスマソ
326: 2006/07/21(金)17:54 AAS
す・・すみませ321です。
マカエレの不具合で、今来てリロったらこんなことに。

他では誤爆するし、ほんとにすいません。
慣れないことするんじゃなかった。

一億年ロムってます。
327: 2006/07/21(金)21:05 AAS
321です。しつこくスマソ。
他スレで「好もしい」がアリと知りますた。

一から勉強してきます。お騒がせしますた。
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