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第8回電撃short3
20
:
みーちゃん:1/3
:2003/05/02(金) 03:04
空には、朧に月がかかっていた。
「――え、なに、美樹ちゃん?」
どうやらぼんやりしていたらしい。慌てて私は、握った手をぐいぐいと引っ張る従妹の美樹ちゃんに尋ねた。黄色い帽子にランドセルを背負った美樹ちゃんは、
「みーちゃん、さっきからなんども、おねえちゃん、ありがとーっていってたのー!」
と、あどけない顔を膨らませる。
「ごめん、ごめん……いえいえ、どういたしまして」
そうなだめながら、私は思い返す。ああ、そうか、さっきまで美樹ちゃんにつきあって公園で土筆を探していたんだっけ……?
夜道を照らす外灯がぼんやりとした輪を作っていた。猫のさかり声が遠くの屋根から響いて聞こえ、シチューの香りがどこからともなく漂ってくる。
「みーちゃん、つくしさんをあした、みんなに見せるのー! つっくしさーん、つっくしさーん、なんじゃーらほーい♪」
美樹ちゃんはすぐ機嫌を直し、腕をぶんぶん振りながら、童謡の節を借りて元気良く歌い始める。
なんとなく空気の生暖かい、奇妙な夜だった。そんな中、美樹ちゃんの明るい声だけがやけに大きく響く。
「みーちゃんね、きょう、がっこうで字がうまいってほめられたのー! それとね、それとね――」
歩きながら美樹ちゃんは楽しそうに学校での出来事を話している。私は尋ねた。
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