第8回電撃short3 (117レス)
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1: 名無しさん 2003/05/02(金)01:07 AAS
もう締め切りは過ぎちゃいましたが、
この企画に便乗してお題小説を書いていきたいと思います。
みなさん、どんどん曝しちゃってください。
2: 名無しさん 2003/05/02(金)01:08 AAS
以下、電撃オンラインからのコピペ。
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大人気のこのコーナーでは、みんなの“三題噺”を大募集!
決められた三つの題目を上手に取り込んで、ショートストーリーを作ってね。
優秀作品は随時ホームページに掲載していくぞ!
さらに、最優秀作品は「電撃hp」に掲載されるのだ!
も、もしかして、電撃作家への道がまた一つ開かれるかも〜!?
ジャンルは、ファンタジーでもミステリーでもSFでも何でもアリ!
もちろん、ホームページからメールで応募も可能だけど、
原稿用紙やワープロ原稿で郵送の投稿もOKだぞ!
省8
3: 名無しさん 2003/05/02(金)01:10 AAS
公式サイト
外部リンク[html]:www.mediaworks.co.jp

すでに応募済みの作品の投稿も歓迎します。
4: 難民323の作品その1 2003/05/02(金)01:49 AAS
右手に茶碗、逆手にお箸。それぞれ持ちて少女は茶漬けをすする。ずずずっと。
 ちゃぶだい越しに向かって座る、オヤジが同じく茶漬けをすする。ずずじゅっと。
「おいしいか? 娘よ」
「――、全然だよ、お父さん」
 言って娘は茶碗を置く。言われて父はま、仕方ないかとため息をつく。
「具、つくしだけだしなぁ」
「味もしょうゆしかないじゃん」
 少女の茶碗を覗いて見れば、そこには確かにつくしとご飯がほんのり赤づき茶に浸っている。というかつくしって食べ物なんだろか。
「ねー、お父さん。地面生えてるほかのものさ、食べれないかな」
「ぬう。父さんだって食べたいが、地面のアレは雑草以外のなんでもないぞ? 食べたら腹壊すかもしれないぞ?」
省9
5: 難民323の作品その2 2003/05/02(金)01:50 AAS
「ねーねーお父さん、あたしが思うにさ、あたし達多分ロボットだよ」
「――なんだそのロボットってのは」
「人間じゃなくてさー、体が全部機械で出来てるの」
「ふむ。それならワシらの記憶が無いのも説明できるな」
「でしょー? たぶんそれだよー。ねね、ためして見ない?」
 ちなみに二人はすでに色々試している。魔法使いとか超能力者とかエスパー伊藤とか。
そんなものじゃないと、あたし達がこんなところにこんな状態でいるはずないじゃんとかいう娘が主張したがために。誰かに閉じ込められたとかいう考えは浮かばないらしい。
「して、どうやってわしらがロボットだと証明する?」
 言われて娘はむっふっふ〜と得意げに笑顔を作り、
「カタナでひとつき!」
省7
6: 難民323の作品その3 2003/05/02(金)01:50 AAS
「もし人間だったら?」
「……ま、大丈夫でしょう」
「であってたまるかぁぁぁぁっ!」
 娘は能天気に言い放ち、父は叫んで立ちつつちゃぶ台返して鼻息荒くぜーはーする。
「貴様は何もわかってない! アレはな、流したら痛んだぞ! 苦しいんだぞ!」
「流したことあるの?」
 記憶自体は一週間分ぐらいしかない。
「無い! 無いが痛そうだ!」
「大丈夫だよー、指の先っちょ切るだけ」
 言われて父は固まって、一瞬考え、
省10
7: 難民344の作品その1 2003/05/02(金)01:51 AAS
 え? ええ。はい。入学式の日です。よく覚えています。そうです。あの、霧が出てい
た日です。その日は姉が大学の入学式でして……え? 私ですか? 私は、散歩をしてい
たんですよ。ええ、朝にです。みんなが起きる前のことです。え? 何故か……ですか?
さぁ……何故でしょう。とにかく、そんな気分だったんです。すみません。あまり深い理
由はないんです。
 公園に行きました。近くに、広い公園があるんです。時間が時間だから、誰もいません
でした。霧に包まれた公園は、どこか、神秘的で……でも何か、恐ろしげに感じました。
辺りは静まり返っていて、私一人がどこかに置いてきぼりにされたような……。
 空気はひんやりと冷たくて、私もひんやりしていました。落ち着いた感じというか、夢
の中のような……。しばらくは、公園内をぶらぶらとしていたんです。霧越しに見える淡
省8
8: 難民344の作品その2 2003/05/02(金)01:51 AAS
先輩は、死体というものを見たことがありますか? え? ああ、おばあさんの……そ
うですか。私は、初めて見たんです。はい。あれが、初めてでした。今でも、よく覚えて
います。忘れようとしても忘れられないんです。何度も夢に見ます。夢の中で、その人は
むくりと起き上がって……。すごく、恐ろしいんです。まるで私を恨んでいるようで……
私、あの人に取り付かれてしまったんでしょうか? いえ。なんとなくそう思ったんです。
やっぱり殺されたりしたら、この世に未練があるでしょうから。
ええ。そうです。見つけたのは、川原に降りたところです。ああそうです。その、ベン
チが並んでいるところです。え? 誰かを見たか……ですか?
いいえ。見ませんでした。はい。不審な人は、誰もいませんでした。それは間違いあり
ません。何より私は恐ろしくて、他の事は……。
省13
9: 難民344の作品その3 2003/05/02(金)01:51 AAS
え? 紐が、見つかっていないんですか? 首を絞めていた紐が? そうなんですか。
ちっとも知りませんでした。すみません。
姉……ですか? ええ。家で、まだ寝ていましたよ。はい。間違いありません。え? あ
の、意味が、よく分かりません。何を言ってるんですか? 違います。そんなことありま
せん。姉はあの人のことは知らないと言っています。姉を、疑っているんですか? 姉が
先輩を自分のものにするために、その人を殺したと?
違います! 何でそんなことを言うんですか? 何を言っているんです。私は姉の後を
つけたりなんかしていません。公園で一斉に鳥が飛び立ったのは、そこで殺人が起こった
証拠? 姉が公園でその人を殺して、私が姉に嫌疑がかからないようにその人を川原に運
んで、証拠になりそうな紐を処分した? どこにそんな証拠があるんです! え? 動転
省6
10: 難民358の作品その1 2003/05/02(金)01:52 AAS
 合格通知が来ていたので、入学手続きにいくと「あんたの名前はありません」と言われた。
どうやら、あの合格通知は誰かが仕組んだドッキリカメラだったようだ。
 そう考えてみれば、不審な通知だった。外は普通の長四茶封筒だったし、中にはインクジェ
ットプリンタで出力したみたいな紙が一枚。消印はうちの町内にある郵便局のだった。でも、
初めてだったからそういうもんだと思ってた。
 くそー、だまされた。
 俺はさっそく、ドッキリを仕掛けた奴に復讐することにした。犯人の目星は付いている。
俺より先に不合格が決まっていたノブアキ、こいつに間違いない。
 早速殺しに行った。俺の将来を台無しにしたんだから、殺されても仕方がない。俺は
バイト帰りのノブアキを暗い夜道で襲撃した。
省1
11: 難民358の作品その2 2003/05/02(金)01:52 AAS
 ノブアキはばれたことに驚いて抵抗したが、ノブアキ殺戮マシンを持っていた
俺の敵ではなかった。
「よくも偽者でぬか喜びさせてくれたな! 死ね!」
 ノブアキは最期まで自分の罪を認めなかった。
「助けてくれ!」と俺の足元に跪いて懇願するノブアキに止めを刺した後、俺は
考えた。ひょっとしたら本当に人違いだったのかもしれない。だとしたら、ノブア
キにはかわいそうな事をした。
 俺はハタと気付いた。
 そうだ。あいつだ。あいつが犯人だ!
 あいつとは前に付き合っていた彼女で、名前をつくしと言う。俺にふられた事を
省5
12: 難民358の作品その3 2003/05/02(金)01:53 AAS
「あんた誰よ!」
 最初の一撃を避けてつくしが叫ぶ。
「俺を忘れたのか!」
「あんたなんか知らない」
 つくしは俺が手にしたマシンを見て顔を引きつらせた。いい気分だ。俺は新しい男ごと
つくしをめった裂きにした。つくしは泣いて許しを請ったがもちろん許さない。
「おまえが送ってきた偽者の合格通知で、俺の人生はめちゃくちゃだ!」
「知らない、知らない、知らない!」
「うるせえ! 死ね!」
 新しい男も戦いに加わり、戦闘は激しさを増したが、俺はついに二人を成敗した。
省18
13: 難民381の作品その1 2003/05/02(金)01:53 AAS
 窓際から見える学生服の人達が羨ましい。 
 僕もあの事故がなければきっと今頃はあそこで友達と話し合っていたんだ。そう思うと何処か寂しい気持ちになってしまうのがわかった。
 入学式前日の事故。僕の人生はそこから変わっていったんだ。コンビニへ買い物に行った帰りに、信号を無視した僕はトラックに跳ねられた。
跳ねられ、蹲っていたその時は痛い、というよりも怖い気持ちが強かった。このまま死ぬのだろうか、もう一生誰とも口をきくことは出来ないのだろうか。自分でも不思議だけれどあの一瞬で
たくさんの事が頭に思い浮かんできたんだ。
 運転手がすぐに救急車を呼んでくれたおかげで一命は取り留めたけれど、代わりに僕は自由を奪われた。
足が麻痺して、歩くことができなくなったのだ。事故は自分の責任。それに、足が動かなくなった事も自分の責任だ。だから、込み上げてくる怒りは何処にもぶつけることが出来なかった。
数日たつと、その怒りさえ麻痺してきた。怒りが麻痺すれば、妬みが起こる。窓際から見える学生服を着こんだ彼らを殺したい、と思った事さえあった。
「春樹、大丈夫だよ。きっと足は動くようになる。お医者さんも言ってたでしょ? 動く確率は0%じゃないって」
 お母さんが毎日のように言うその言葉が胸に痛い。
省2
14: 難民381の作品その2 2003/05/02(金)01:54 AAS
寝室の中で一人になると僕はいつも春の陽気に誘われるように眠りにつく。夢の中の僕は二本の足で歩くことが出来るから。
夢に入ると僕はいつも一面の平野を歩いている。いつも同じ風景。緑色の草花が子犬がえさをもらう時と同じで必死に訴えかけるようにして日光を欲しがっている。
たまたま、その日の僕は平野に座り込んだ。ふと、見下げるとお尻の近くにつくしが生えている。そのつくしは口を持っていて僕に喋りかけてきた。
「君はいつもなにもしようとはしないね」
 僕はつくしが話している事よりもつくしが話した事に驚いた。
「だって、仕方ないじゃないか。なにもしようとしないんじゃない。出来ないんだもの」
 咄嗟にそう言ったのはつくしが僕を見下しているように思えたからだ。
「それは甘えだよ。足が動かなければ何も出来ないなんて本当に思っているの? 足が動かなくても必死で何かをしようとしている人はたくさんいるよ?」
「でも、僕はまだ子供なんだ。だいたい、君だってそこで土に植えられているだけじゃないか」
 僕の声は大きくなっていた。
省7
15: 難民381の作品その3 2003/05/02(金)01:54 AAS
 そこで、僕の夢は覚めた。
 おもむろに、窓の近くに置かれている棚を見れば、そこには花瓶がおいてあり中学時代の友人達から一本のつくしが送られていた。
 花瓶の横に手紙が置いてあり、その中には『春樹とはずっと友達でいたいから、今日からはいつもお見舞いにきます。だから、春樹も頑張れよ』
と、書かれてあった。
 その日から、僕はリハビリを初め、今もこうして努力を続けている。
 全ての人間には努力の終わりがなく、キリがない。だからこそ、必死で生きて栄光を勝ち取ろうとするんだ。
 僕も栄光を勝ち取る日まではきっと全てを諦めないでがんばり続けると思う。窓際から見える彼らにも生きていくことはすばらしい事なんだよ、と伝えたいな。
 

           終わり。
16
(1): 難民387の作品その1 2003/05/02(金)01:55 AAS
コメント:ラノベとは違う作法で書いてみた。

桜の木々はこの街に分散して存在しているけど
僕達の卒業式の当日であり、桜の開花予想日のど真ん中の今日は
街中が一本の桜みたいで、校門から見渡す僕の学校は
さすが地域一番の桜の名所と感嘆するしかない風景だった。
ポカンと開けている口に桜の花びらが入ってきた。

窓の外は真っ白な陽光に桜吹雪が眩しいかったけど
この美術室は、卒業式の喧騒から切り離された沈黙と
直射日光を遮断した上質な暗闇を保っていた。
僕は空のイーゼルを前に坐り、そんな美術室の油絵の具の空気を満喫していた。
省8
17
(1): 難民387の作品その2 2003/05/02(金)01:55 AAS
誰かがドアを開けて、辛気臭い美術室に進入してくる。
「私はオーストラリアへ行くわ」
この脈絡ない登場の仕方と話し方はアオイ先輩(僕と同級生なのに先輩と言われている子)だ。
「はぁ?」
「自慢の英語力を駆使して、豪州で一旗あげるってわけ」
勝利者の笑みといったものを浮かべたまま、黒板に一番近い窓を開けて、風を浴びた。
「意味がわかりませんよ……、なんつぅーか日本から、東京から逃げるんですか?」
「そこんとか勘違いするのがお子ちゃまだって言うの、こういう場合は戦略的撤退」
彼女は窓の外の春風に掻き乱される薄く染めた髪を手で押さえた。
「で、どの分野で成功するですか?」
省13
18: イラストに騙された名無しさん 2003/05/02(金)02:03 AAS
>>4-17
これで全部だよね。乙〜!
19: イラストに騙された名無しさん 2003/05/02(金)02:09 AAS
387は序盤が冗長だと思った。いらない描写が多いんじゃないかな。
でも先輩が登場してからは雰囲気が出て、かなりいい感じになった。
会話が切なくてほろ苦くて、清々しい泣きがあったよ。
ただ、ラストはオチてるのかオチてないのかよくわからなくて残念。
来客用のスリッパっていう小道具は、オチに持ってくるにはちょっと弱い気がするし。
20
(2): みーちゃん:1/3 2003/05/02(金)03:04 AAS
 空には、朧に月がかかっていた。
「――え、なに、美樹ちゃん?」
 どうやらぼんやりしていたらしい。慌てて私は、握った手をぐいぐいと引っ張る従妹の美樹ちゃんに尋ねた。黄色い帽子にランドセルを背負った美樹ちゃんは、
「みーちゃん、さっきからなんども、おねえちゃん、ありがとーっていってたのー!」
と、あどけない顔を膨らませる。
「ごめん、ごめん……いえいえ、どういたしまして」
 そうなだめながら、私は思い返す。ああ、そうか、さっきまで美樹ちゃんにつきあって公園で土筆を探していたんだっけ……?
 夜道を照らす外灯がぼんやりとした輪を作っていた。猫のさかり声が遠くの屋根から響いて聞こえ、シチューの香りがどこからともなく漂ってくる。
「みーちゃん、つくしさんをあした、みんなに見せるのー! つっくしさーん、つっくしさーん、なんじゃーらほーい♪」
 美樹ちゃんはすぐ機嫌を直し、腕をぶんぶん振りながら、童謡の節を借りて元気良く歌い始める。
省3
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