【能力者学園も】能力者スレ外伝【その他本スレで出来ないネタも】 (520レス)
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236
(1): 2013/11/16(土)03:36 ID:I8o3fxxQ0(1/4) AAS
>>235

【此方に迫って来る足音が聞こえれば、まあ其の扉から離れるのは自明の理であって、】
【少年は腰を抜かし、後退りという体勢ながらも必死に両腕を動かしていく。―――黒板消しは、既に何処か遠くへ吹き飛んでいる。】
【扉が開かれると共に、怒号の叫び声。丁度月光が右から差し込む形となり、顔が、身体が、其の一部の影しか映らず、】
【脳内で残りのパーツは勝手に変換され―――、矢張り、少年は彼女を修羅の様な何かと勘違いする事だろう。】

【少年の涙腺には、既に涙が溜まっており、然し其れでも何とか逃げ出そうと膝を立て、身体を起こすのだ。】
【―――頭の中を恐怖心で埋め尽くされた中、踏み出された一歩は、至極当然、震えていて。】
【二歩、三歩と進むに連れて、速度は加速度的に増していくが、其の分身体のブレは顕著な物となり、徐々にバランスが崩れて行く。】
【丁度五歩目。少年は、其れも顔から、盛大にコケてしまう。『ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ……』と倒れた状態で唱えながらも、遂に。】
【―――わっと泣き出してしまった。大の高校生が、と思えばアレだが、見た目は中学生か其れ以下なのだから、相応に見える事か。】
省8
238
(1): 2013/11/17(日)14:25 ID:I8o3fxxQ0(2/4) AAS
>>237

【足音にしては奇妙の極みといった響きと気配が此方へと近づいて来て。やがて其れも止めば、少年はそっと姿を見上げてみる。】
【映ったのは自分よりも幾らか小さな身体だった。月光に煌めく銀色の髪は、言うに言われぬ艶やかさを放っていた……が、】
【今の少年にはそんな鑑賞出来る程の心の余裕はなく。ただ右手の竹刀だけが、少年の頭の中をぐるぐると駆け巡って。】

【其れ故、"心構え"は―――矢張り、酷い作用を発揮した。】

【……彼女が拳を入れ、髪に僅かに接したかという其の瞬間、―――少年は『変わり身の術っ!』と。泣き声を晴らすかの様叫んだ。】
【結果、彼女が殴ったのは、少年ではなく―――只の、丸太だろう。少年はと言えば、5m、丁度彼女に背後を取る位置に居て。】

【然しこれは正に、自身に生命の危険が迫った際の、最後の最後の大技だった。つまり、少年は今、"殺される"と思っており、】
【言い換えるなら其れは、"心構え"その物。過剰な恐怖心は、小さな拳骨でさえも死を招く何かだと少年に勘違いさせて。】
省7
240
(1): 2013/11/20(水)17:10 ID:I8o3fxxQ0(3/4) AAS
>>239

【彼女が自分ではなく丸太を殴り付け、更に其れに痛がる素振りを見た少年。】
【普段なら、ニヤニヤと喜ぶはずだった。然し今は、そんな場合では無く―――。】
【更に言えば、"頭をかち割る霊にしては"―――という、そんな懐疑的な目線を注ぐ事も無かった。】
【今、此の少年には一切として余裕が無い。死の危険を感じているのだから、……当然とも言えるだろうか。】

―――――…………ひぃっ…………っ………!

【"馬鹿者!"の八つ当たりの感情を含んだ一喝に丸で呼応するかの様、少年はヤケに高い声を響かせた。】

【溜息が聞こえて、今度は対照的な口調で話しかけられる。……其の穏やかな話し方は、やがて少年の心の余裕を生み出して。】
【―――頭をかち割る霊。然し彼女は丸太を割れない所か、痛がってさえみせた、と。其の違和感に気付く事になるのだろう。】
【噂は所詮噂なのか、否、実際目の前に、こうして霊が存在している訳だし―――と、今度は悩む羽目に陥る事になったのだ。】
省6
244: 2013/12/08(日)14:49 ID:I8o3fxxQ0(4/4) AAS
>>241

【そっと、彼女の顔を覗いてみる。眉間がピクピクと動き……此方を睨みつけていた。】
【其の佇まいだけは、冷静である様にも見える、が……絶対にまだ、怒っている。少年は何故か、そう確信していて。】
【―――本当に、逃げ出したかった。何も無かったことにしたかった。残るのは只々後悔、血の気がサーッと引き、再び唇が震え始め。】

【………『道理じゃな?』の放つ、異様な余韻。其処から思い出されるのは、矢張り"頭をかち割られる"という噂。】
【とすれば後退り、距離を取ろうとするのだろう。最早其れは死の恐怖に対する、反射的な動き。……涙は、もう出ない。】
【不意に眼に入るのは、にっこりと笑いかける彼女の表情。その心情こそ良く分からなかったが、もうダメだと本能的に悟って。】
【呼吸、空気を吸う其の音が聞こえたのなら、……少年は両手で、耳を覆う。此れも又、理性を介さない動きだった。】

【其れでもビクッ!と体を動かしたのは、耳を塞いでも尚、驚くに値する声の大きさだったという事なのだろう。】
【―――然し聞こえて来るのは、全てを直せという指示。言ってしまえば当たり前で、とすれば逆に可怪しい……、と感じる少年。】
省22
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