('A`)百物語のようです2013( ) (852レス)
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28: 2013/08/17(土)01:28 ID:9/Qhpkf60(7/12) AAS
川;゚ -゚)「(行くべきか、行かざるべきか……どうしたものか………)」

私がトイレに行くのを渋るのには理由がある。
それは私が所謂『視える』人であるからだ。

幽霊のことなら何でもござれ、足のない人間を今までどれだけ視てきただろうか。
印象に残っている幽霊ならば、悲痛な顔をした少年の頭部だけが、浮いているのを視たことがある。
あの時は、さすがの私も悲鳴をあげそうになった。
最近で言えば、部屋の窓に男の顔があったこともある。

いくら幽霊を視たといっても慣れるものでもなく、できるならば出逢いたくないのである。
それなのに深夜の、灯りもない状態で、トイレに行くなどまさに「飛んで火に入る夏の虫」、自ら会いに行きますと言っているようなものだ。

川;゚ -゚)「(でもなあ………)」

人間は生理的欲求には勝てないのでありまして―――

川;゚ -゚)「(すぐに行ってすぐに戻ってこよう)」

ベッドから立ち上がり、ドアへと向かう。
勝手知ったるこの部屋だ。たとえ暗闇だとしても、なんとなくでたどり着くことができる。

ドアノブを手探りで探し出す。
ドアノブを掴みガチャリとまわす。別室で寝ている家族を起こさぬよう慎重に開けていく。

部屋からでた私は、小走りでトイレへ向かった。

川;゚ -゚)「(なにも出ませんように、なにも出ませんように!)」
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