魔人ショートショート (59レス)
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1: 初代職人 2002/04/21(日)01:41 AAS
2chの第六拾九話から七拾壱話に掲載された『壬生紅葉と病床の母』
シリーズを再掲載します。(若干加筆修正あり)
あとは、感想を書くなり、自信作をUPするなりご自由にお楽しみ下さい
2: 初代職人 2002/04/21(日)01:42 AAS
第壱話
病床の母 「紅葉、ずっと黙っていたけど、お父さまが亡くなった本当の理由は・・・ゴホッ」
壬生紅葉 「母さん。父さんの仇は僕が必ずとるから・・・誰に殺られたんだい」
病床の母 「若ハゲを苦にして自殺・・・」
3: 初代職人 2002/04/21(日)01:42 AAS
第弐話
病床の母 「紅葉、ずっと隠していたけど、お父様は本当は生きているの・・・」
壬生紅葉 「どうして、隠してたの?」
病床の母 「あなたに、無用な心配をかけさせたくなかったのよ・・・」
壬生紅葉 「父さんはどこにいるんだい、会えるの?」
病床の母 「今テレビに映っている人よ・・・」
壬生紅葉 「モト冬○・・・・」
4: 初代職人 2002/04/21(日)01:43 AAS
第参話
病床の母 「紅葉、そろそろ気が付いているんでしょう?」
壬生紅葉 「・・・・・・父さんの頭髪のこと?」
病床の母 「紅葉、あなたも心配?」
壬生紅葉 「髪の毛なんて、ただの飾りだよ。僕には父さん譲りの両脚があれば十分さ」
病床の母 「紅葉、あなたは心配しなくても大丈夫よ」
壬生紅葉 「え?」
病床の母 「生まれたときにマープ増毛法しといたから・・・」
5: 初代職人 2002/04/21(日)01:44 AAS
第四話
病床の母 「あ、紅葉。いつもお見舞い、ありがとう。」
壬生紅葉 「今日は顔色がいいね、母さん。これから検査?」
病床の母 「先生、息子の紅葉です。紅葉、ご挨拶なさい」
担当医師 「初めまして、君が紅葉君か。なるほど、亡くなられたお父上と瓜二つだね」
病床の母 「せ、先生。それは禁句だと・・・」
6: 初代職人 2002/04/21(日)01:44 AAS
第伍話
壬生紅葉 「母さん、リハビリ、つらいだろうけど頑張って」
寝巻姿母 「紅葉がハゲましてくれるから、全然平気よ」
壬生紅葉 「危ない、母さん。ほら捕まって」
寝巻姿母 「ありがとう、紅葉。あなたこそ、ケがなかった?」
壬生紅葉 「・・・・・・母さん。もしかして、わざと言ってる?」
7: 初代職人 2002/04/21(日)01:45 AAS
第六話
壬生紅葉 「母さんは、何で父さんと結婚したの?」
病床の母 「お父様はクールで格好良くて・・・でも私には優しくて・・・」
壬生紅葉 「で、卒業まで我慢できずに学生結婚しちゃったの?」
病床の母 「・・・・・・髪の毛があるうちに式を挙げたかったのよ・・・」
8: 初代職人 2002/04/21(日)01:45 AAS
第七話
壬生紅葉 「母さん、お見舞いに来たよ」
病床の母 「・・・・・・・・・・・・」
壬生紅葉 「珍しい。眠ってる。母さんは肌が綺麗だな。眠ってると20代で通用するかも」
病床の母 「・・・・・・・・・・・・」
壬生紅葉 「おだてても反応なし、狸寝入りではなしか。起きていれば冗談ばっかりの人だし」
病床の母 「・・・・・・・・・・・・」
壬生紅葉 「僕の髪が薄くなったのも、母さんの冗談に振り回されたのが一番の原因だよ」
病床の母 「(自覚はあるのね・・・)」
9: 初代職人 2002/04/21(日)01:46 AAS
第八話
壬生紅葉 「母さん、父さんのこともっと話してよ」
病床の母 「紅葉は本当にお父様を尊敬してるのね。ええと、どの話にしようかしら」
壬生紅葉 「父さんの失敗談とかはないの?」
病床の母 「あるわよ。学生の頃、急に髪が薄くなってきたお父様がなんて私に言い訳したと思う?」
壬生紅葉 「?」
病床の母 「ご自分のヘアムースと、お姉様の脱毛ムースを間違えたって」
10: 初代職人 2002/04/21(日)01:46 AAS
第九話
病床の母 「紅葉、今日は元気がないわね。学校で何かあったの?」
壬生紅葉 「僕が教室に入ったとたん、みんなの会話が止まって、誰も僕と目を合わせようとしないんだ」
病床の母 「紅葉、あなた、学校で無視されたの?」
壬生紅葉 「いや、むしろ気を使ってくれたんじゃないかな・・・・」
病床の母 「本当に?いじめじゃないの?」
壬生紅葉 「机の上に『この春流行のヘアーマガジン』があったし・・・」
11: 初代職人 2002/04/21(日)01:46 AAS
第拾話
壬生紅葉 「母さん、残さず食べないと元気になれないよ」
病床の母 「病院の食事って美味しくないんですもの」
壬生紅葉 「栄養のバランスを考えてあるんだから、不味くても我慢しなくちゃ」
病床の母 「紅葉、あなたは食べたことがないから、そんなことが言えるのよ」
壬生紅葉 「僕が食べれば、母さんもちゃんと食べる?」
病床の母 「分かったわ。はい、紅葉の分よ」
壬生紅葉 「・・・・・・だからって、何で、ワカメばっかり・・・・・・」
12: 初代職人 2002/04/21(日)01:47 AAS
第拾壱話
車椅子母 「紅葉、帰りがけに窓口に用があるって言ってたから、追いかけて来てみたけれど」
付添子供 「おばちゃんどうしたの?」
車椅子母 「あ、黒い服のお兄ちゃん、見なかった?」
付添子供 「うーん、わかんない」
車椅子母 「背が高くて、痩せてるの」
付添子供 「うーん、わかんない」
車椅子母 「あと、髪の毛がちょっと少ないの」
付添子供 「あっ、ハゲのひとならあっちにいたよー」
13: 初代職人 2002/04/21(日)01:47 AAS
第拾弐話
病床の母 「紅葉、あなたも今日で18歳。壬生家当主としての宿命を受け入れるべき年齢です」
壬生紅葉 「これが、妖刀村正」
病床の母 「村正は所有者の最も大切なものを奪う妖刀。村正は恋人や親友の血をことさら好む魔刃」
壬生紅葉 「僕に扱えるのでしょうか。もし、母さんや館長の身に何かあったら・・・」
病床の母 「紅葉、あなたならきっと大丈夫よ・・・」
壬生紅葉 「母さん、そうだね。僕の大切なものはこの命をかけてもきっと守ってみせるよ」
病床の母 「だって、あなたが一番大切なのは髪の毛でしょう?」
14: 初代職人 2002/04/21(日)01:48 AAS
第拾参話
病床の母 「紅葉、手芸部の部長さんに選ばれたんですって?」
壬生紅葉 「驚かそうと思って黙ってたのに、母さん、誰に聞いたの?」
病床の母 「後輩の炎堂くんが教えてくださったのよ。仲良しなの?」
壬生紅葉 「炎堂?次の作品のパートナーなんだ。交互にパートナーの身に着けるものを編むことにしたんだ」
病床の母 「そうだったの。炎堂くんから伝言があってね・・・」
壬生紅葉 「何?」
病床の母 「今度、部長のために帽子を編むことにしたけど、他意はないからって・・・」
15: 初代職人 2002/04/21(日)01:48 AAS
第拾四話
病床の母 「あら、紅葉。今日は来ないのかと思ってたわ」
壬生紅葉 「遅くなってごめん。緋勇くんの結婚式だったんだ」
病床の母 「言いずらいんだけど・・・その・・・」
壬生紅葉 「あ、この荷物は、披露宴で余った食べ物を無理矢理持たされちゃったんだ」
病床の母 「そうじゃなくてね・・・あの・・・・」
壬生紅葉 「当然、小蒔くんの花嫁衣装の代金なんてもらってないよ」
病床の母 「紅葉、違うの・・・・今日はいつもと雰囲気が違うから」
壬生紅葉 「アハハ、礼服を着てるからかな?他はいつもと一緒だよ、母さん」
病床の母 「いつもと一緒って・・・あなた、外ではカツラなんて着けてるの?」
16: 初代職人 2002/04/21(日)01:49 AAS
第拾伍話
壬生紅葉 「母さん、病人のくせにそんな格好して来て・・・本当に出場するつもり?」
体操着母 「先生が、仮退院を許して下さったんですもの。『親子de二人三脚』は1等賞をねらうわよ」
壬生紅葉 「そんなこと言ったって、車椅子じゃ二人三脚は無理だよ」
場内放送 「ピンポンパンポ−ン。ただいまより、2年生による借り物競走を始めます。出場する選手は・・・・・・」
体操着母 「あれ、あの子は手芸部の後輩のかたじゃないの?」
壬生紅葉 「うん、炎堂だ。母さんも一緒に応援しようよ」
体操着母 「エンドウクーン。ガンバレー」
壬生紅葉 「母さん、恥ずかしいよ。あ、炎堂、こっちに気付いた」
体操着母 「炎堂くん、真っ赤になっちゃって。いよいよスタートね」
省4
17: 初代職人 2002/04/21(日)01:49 AAS
第拾六話
壬生紅葉 「先生、急に仮退院を許可されたので、変だとは思っていました。大事な話というのは、もしかして・・・」
担当医師 「うむ。お母様には口止めされていましたが、紅葉君には本当のことを話すべきだと思って今日はお呼びしました」
壬生紅葉 「・・・・・・覚悟は出来ています。全てを隠さずおっしゃって下さい」
担当医師 「今月に入ってから、『寒いから暖房を強くしてくれ』と、しきりに看護婦に訴えるんようになったのです」
壬生紅葉 「僕にはそんなことは、一言も言ってませんでした。母はいつも通り笑顔で・・・・・・」
担当医師 「紅葉君には黙っているのが、お母様の最大限の優しさだったのですよ」
壬生紅葉 「先生、母の望み通り30度でも40度でも部屋を暖めてあげて下さい。お願いします」
担当医師 「そうは言っても、彼女の肉体の方は暖房を求めてはいないんだよ」
壬生紅葉 「だとしたら何が原因なんですか?」
省1
18: 初代職人 2002/04/21(日)02:01 AAS
以上で『壬生紅葉と病床の母』シリーズは終了です。ご愛読ありがとうございました。
全ての落ちが禿ネタなので、落ちが読めると言うよりも、
はじめから落ちが決まっているので、ネタを考えるのは思ったよりも苦労しました。
壬生がひねた性格なのも、こんな母がいるからだったりしてと笑って下されば幸いです。
19
(1): 読者 2002/04/21(日)02:59 AAS
オツカレー
個人的には第拾話がスキー
20: 初代職人 2002/04/21(日)03:24 AAS
>19 
感想ありがと。拾話は母の策士ぶりがうまく出せていて私も好きです。
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