テストロールスレ (60レス)
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1: ◆vjke6TKyHk 2017/01/29(日)03:12 AAS
あなたはふと目を覚ますと、見知らぬ町に佇んでいました。

何故自分がここにいるのかと記憶を巡らせれば、最後に記憶していた光景は、もしかすれば日常を謳歌していたかもしれませんし、もしかすれば死闘を繰り広げていたかもしれませんし、もしかすれば死の間際だったかもしれません。

それらいずれにせよ、少なくとも自分がここに立っている理由にはなりません。

あなたがそう思案していると、電子音が鳴り響きます。

音源を探すと、いつ持たされたのか、スマートフォンのようなタブレットを持っており、そこから音がしているのがわかります。
省9
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(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/02(木)21:12 ID:P7CcLy7.(1/4) AAS
ニュータウンゾーン、夜の公園。
静まり返ったその空間に、闇に融けるような暗い色合いの人影がひとつ在った。

「……ふうん、かみさま、神様ねえ……。
 信じてないわけではないですけれど、私の知ってる神様とはまた別物のような……」

それは紺地に赤のラインが走るセーラー服を着た、東洋人の少女だった。
ブランコに腰かけて、タブレット端末をすいすい撫でる指先は白。
人工的なライトに照らし出される双峰は、目に痛いほど鮮やかな血の色。

「……それに、なんでしょうこれ。『死にません』?
 本当なんだとしたら、ここってつまり、死後の世界ってやつ……?」

むむむ、と唸りながら、少女は首を傾げていた。
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(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/02(木)21:30 ID:Eeemc8nc(1/3) AAS
>>2
貴女がそのように首を傾げていますと、不意に後ろから、声をかけられます。

「ううん? そのタブレット……。あんた、こっち側の人間かい?」

貴女が振り返るなら、その声の主を目撃することでしょう。

身長は160cm中頃、特徴的な赤髪を後ろにまとめた女性は、なぜか紙袋にパンパンに詰まった缶詰を抱えています。

「だけど瀬平戸じゃあ少なくともみたことないし、やっぱり一般人かねぇ?」
省1
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(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/02(木)21:38 ID:P7CcLy7.(2/4) AAS
>>3

声を掛けられれば、そちらに振り向いて。
貴女の姿を、頭からつま先までいっぺん眺めてから――視線は紙袋へ。
再度首を傾げながらも、問いかけに対して口を開く。

「こっち側、と言いますと。
 貴女もこの、『かみさま』とやらに魅入られた方ですか?」

神の宣告が無機質なゴシック体として並べられた、タブレットの画面をそちらに向けて。

「瀬平戸……という地名に、確かに聞き覚えはありません。
 けれどこの世界の人間でもありませんよ。私、気が付いたらこの世界に居たんです」
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(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/02(木)21:51 ID:Eeemc8nc(2/3) AAS
>>4
「ああ、やっぱりこっち側だったのか。ほれ、アタシも魅入られた人間とやらの一員さ」

そう言って目の前の女性は、貴女が先ほどまで見ていたのと同じ画面を、彼女のタブレットから見せてくれます。

「しっかし、よくわからんねぇ。いやさ、瀬平戸自体はそこまで有名な都市ってわけじゃあないから知らなくてもおかしかないが、そうなると一般人か……」

「こんな不思議現象に巻き込まれるなんざ同業者くらいかと思ってたが、そうでない人間も巻き込まれてるってことかねぇ」

そして、彼女はしばらくなにかを考えるようなそぶりを見せます。
省2
6
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/02(木)21:58 ID:P7CcLy7.(3/4) AAS
>>5

「一般人、同業者。まるで貴女、なんだか特殊なお仕事してるみたいな口振りですね」

同じ文面を並び立てる貴女のタブレットを眺めてから、ふむ、と呟いて。

「同じく私もなんにも分かりませんよ。心当たり、心当たり……ねえ、
 実は私、いろんな世界を行ったり来たりしたことのある人間なんですけれどもね。
 こんな、ふざけたこと言うカミサマに支配されてる世界に来たのは初めてのことです」

自身のタブレット端末を、制服の胸ポケットに入れる。
ブランコから立ち上がって胸に手を置きながら喋る、その手首にはうっすら血の滲んだ包帯が巻かれていた。
省2
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(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/02(木)23:20 ID:Eeemc8nc(3/3) AAS
>>6
「お仕事は特殊だが、それを口にするのは憚れるわな」

どこかばつが悪そうに、そう答えます。貴女が洞察力に優れるならば、それは秘密主義によるものではなくただただ単純に言いたくないために口にしないように感じ取ることでしょう。

そして、貴女のいうことを一通り聞いた彼女は、静かにこう告げました。

「うん、やっぱりわからん」

「アタシだってここに来るまでの記憶は曖昧なんだよ。同業者と同盟組んだのは覚えてるんだが、その後ギャンブルに出かける直前から微妙なんだよなぁ。いや、運が巡ってきてたのに……」
省1
8
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/02(木)23:58 ID:P7CcLy7.(4/4) AAS
>>7

「あら……言えないタイプのお仕事ですか。殺し屋さんとか?」

雰囲気を読み取るのは得意ではないのか、それとも面白がって敢えて訊いているのか。
くすくす、笑い声混じりに言っている辺り、おそらく後者なのだろう

「お互い、わからない同士ですね。困った神様も居たものです。
 大魔法……というか、何というか。運命、と言ったほうが正しいのかもしれませんね」

ちょっとばかし説明が難しいな、そう小さく呟きながら、語り始める。
省8
9
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/03(金)07:44 ID:UjtmHVnY(1) AAS
>>8
「ふぅん、なるほどねぇ。どうやら、勘違いしていたみたいだ。そもそも根本的に、あんたは魔法に関わり合いがなかったようだ」

と、妙に納得したようなふうに言います。

「ご察しの通り、アタシもただの人間とはちょいと違ってね。手札は見せないが、まあチンピラ程度なら軽くあしらえるだけの実力はあるとだけ言っとくよ」

そう言って、彼女は笑ってみせます。

その発言は言葉通りかもしれないし、あるいは嘘かもしれない。もしかすれば、何かを隠した上での発言かもしれないと思うかもしれません。
省3
10
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/03(金)20:59 ID:N0Nd0bs.(1) AAS
>>9

「そうですねえ、先にそう言えばよかったですね、すみません。
 そういう貴女は、魔法使いさんなんですか? あんまりそうは見えませんけど」

実力がある、との言葉を聞けば、もう一度貴女の全身を眺めて。

「……ま、いきなりこんな世界に飛ばされたのにその余裕ありげな立ち振る舞い。
 確かに実力はあるんでしょうね、ええ……ギャンブル?」

まるで品定めするようにゆっくり動いていた視線が、聞きなれない言葉を受けてきょとんと丸くなる。
そのままの視線で、もう一度貴女の抱える紙袋を見た。……景品なんだろうか、なんて考えて。
省6
11
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)01:10 ID:18voWeoY(1/8) AAS
>>10
「魔法使いというか……まあ、親戚みたいなもんさね。一応魔法は使えるよ。あんたの思う魔法とはかけ離れてるだろうがね」

「それで、そういうあんたはなかなかに物騒な輩のようだねぇ。戦闘狂ってやつかい? 死んでも生き返るを、便利ととらえるたあ、少し奇特な感性してるじゃあないか」

そうは言いつつも、彼女は別段態度を変えようとはしない。それもまた良し、と貴女のあり方を認めているのかもしれない。

「アタシとしちゃあ死ぬなんざ死んでもごめんだがね、それでも死んでも生き返るってのは魅力的に見えるわな。賭け金はあればあるほどいい。それだけ繰り返し命をかけたギャンブルができるってものさ」

それを笑いながら言うあたり、彼女の感性もまともとは程遠いのかもしれない。
省2
12
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/04(土)01:21 ID:aD6aKeGk(1/10) AAS
>>11

「親戚、ですか。ますますよくわからないような……。
 ま、そこまで遠回しに言うってことはあんまり口に出したくないことなんでしょう?
 この話はここら辺でやめておきましょうか」

ふふふ、と小さく笑いながら。どうやらやたら突っ込んで訊いていたのはからかい半分だったらしい。

「ご名答。戦闘狂の血筋を引いておりましてね――あ、殺人鬼ではないのでご安心を。
 戦う意志のない人を無理矢理相手にさせる趣味は、ありませんので。
 ふむ、貴女も貴女で……結構血の気の多い方なんですね?」

死ぬか死なないか、ギリギリの境界線を辿るスリルを望んでいるのだろうと。そう考えた。
どうしたいかと訊ねられれば、小さく俯き唇に指をあてて。
省3
13
(1): 九条恵子◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)02:01 ID:18voWeoY(2/8) AAS
>>12
「いやなに、アタシもパチンコだけじゃあ味気なくてねえ」

そう言って抱えていた荷物を地面に下ろすと、ポロリとパチンコ玉が転がった。

どうやら大方の予想通り、本当にギャンブルに出かけていたようだ。

「レバーを固定して跳ぶ球を目で追い、勝手に回るスロットを眺めるだけじゃさすがに飽きてくるのさ。ギャンブルってのは、相手がいるから燃えるんだよ」

「かといって、きたばかりの街で裏カジノを探すのにはちと時間がかかる。このジレンマを癒すために、ちょいと相手してもらおうと思ってねぇ」
省2
14
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/04(土)02:10 ID:aD6aKeGk(2/10) AAS
>>13

「パチンコ……そんなものまで用意されてるんですね、この街。
 どこまでも住みよい街なことで」

ふっと息を吐くようにして笑いながら、もう一度貴女を見定める。
相手にとって不足はないだろうと判断したのか、緋色の瞳が愉快そうに細められた。

「一理ありますね。私はギャンブルはやりませんけれど、相手がいるから燃えるというのはようく分かります。
 そういうお相手ということでしたら――喜んでお引き受けいたしますよ」

「貴女、お名前は? 私は緋那子、ほおずき・ひなこと申します」
省3
15
(1): ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)02:24 ID:18voWeoY(3/8) AAS
>>14
「そういや、まだ名乗ってなかったねぇ。アタシの本名は九条恵子。だがまあ、この場面なら、こっちの名前のが正しい」

そう言うと、彼女はくるりとその場で回ります。

そしてそれと同時に、彼女の身体を光が包みました。

どこかから照らしているわけでも、彼女自身が発光しているわけでもなく、まさしく光が、彼女を包んでいるのです。

そして、次第にその光は薄れ、彼女、九条恵子の姿が露わとなりました。
省18
16
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/04(土)02:37 ID:aD6aKeGk(3/10) AAS
>>15

まばゆい光に焼かれ、思わず腕で目を覆う。
それが消え失せた頃に現れる、可憐な少女に似合う衣装を纏った貴女――
緋那子はそれを見て、にやりと笑った。

「――――なるほど、魔法少女。語りたがらないのも、無理はないですね」

バカにしているわけではない。ただ、貴女のことを――敵ではなく、『相手』として認識しただけのこと。
それだけでもこの戦狂いの少女には、十分な興奮材料となったようだった。

対抗するように右手をスカートのポケットの中に探らせて、何かを引き摺り出す。
何の変哲もないカッターナイフ。それを、包帯を解いた手首に押し当てて、一気に線を曳く。
勢いよく溢れ出す血液は、しばらくの間万有引力に従って下に落ちていたが――
省7
17
(1): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)02:54 ID:18voWeoY(4/8) AAS
>>16
「ま、一発目からあたりはきちゃくれないか」

そういう彼女だが、まだ焦りは見えない。

あるいは、焦りを押し殺して余裕を見せているのか。

「それにしても厄介だねぇ。鬼灯、いや、血戦兵鬼。アタシの手札はご覧の通り貧弱でねぇ。しかもある程度の実力者には牽制にしかなりやしない。だからこそ、頭使って少しでもダメージを重ねてかなきゃいけないのさ」

そして彼女は距離を取るべく後退しながら、またルーレットを回す。
省5
18
(1): 鬼灯 緋那子◆NaNYuYafv2 2017/02/04(土)03:07 ID:aD6aKeGk(4/10) AAS
>>17

「うふふ、厄介とは言われ慣れております、が…………ッ!?」

かちり。貴女のルーレットはアタリを引いて、勝利の女神がそちらへ視線を向けたらしい。
夜闇を消し飛ばすほどの眩い閃光、手で目を覆ったところでなお眩しさを覚えるだろうが、
今の緋那子はその手に刀を握っているのだ。防ぐ手立てなど、もとより無い。

反射的にぎゅうっと目を瞑り、その場に立ち尽くす。
行先の定まらないふらふらとした足取りは、貴女へ近付くチャンスをまるきり逃してしまった。
うう、と呻きながら眼を擦り――それでも刀は手放さない。
19
(2): アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)03:21 ID:qMpqzyt6(1/3) AAS
>>18
(早速きた! どうやら勝利の女神はこっちに微笑んでるみたいだぜ? 血戦兵鬼……!)

ルーレットが指し示した絵柄は0の電球。

その結果生成された閃光は、相手の目を一時的に封じてくれたようだ。

「しっかし、武器は手放さないか。あわよくばと思ったんだがねぇ。まあいいさ。それならそれで、次はかくれんぼと洒落込もうか」

今回のバトルフィールドは公園。少なくともかくれんぼにはうってつけだ。
省5
20: アンラッキーフォルトゥーナ◆vjke6TKyHk 2017/02/04(土)03:25 ID:qMpqzyt6(2/3) AAS
>>19
書き忘れてましたが、彼女は近くの茂みに隠れています
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