にがしたポケモンたちの行方 避難所 (49レス)
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ファンタスマゴリア〜幻影劇団一代記〜 3
2012/08/05(日)21:03
ID:BLMxusGU(3/3)
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12: ファンタスマゴリア〜幻影劇団一代記〜 3 [sage] * 尖った石を踏みつけないかと入念に地面を払い、俺はぺたりと足を延ばして尻もちを ついた。 吹き出る汗をぬぐって火照った体を大きく広げ、熱を逃がそうとすると、こつんと頭 に枕役の木切れが滑り込んでくる。手押し車とその荷物を背もたれにして、俺はゆっ くりと息を吐く。 ガラクタが山積みになった手押し車を団長と一緒に押し運び、ハトーボーの先導役に 低木やその他障害物を切り払って貰った先の峠の頂で、俺たちは小休止をしていた。 氷のように透き通った空の青と、宝石のように深く沈んだ海の青がまぶしい。眼下に 広がる森の中から顔を出している、ひときわ目立つ灰色の巨石。団長の言っていた目 印へと辿り着くまで、あと一、二度は途中休憩を挟みたいところか。普段なら本気を 出せばうさぎポケモン跳びで一日もかからない旅程が、ガラクタ車のお蔭でひどく壮 大な道のりに変貌している。 「ゾロアークくん、水、飲むかね」 言葉とともに、俺の目の前へひゅ、するすると薄汚れた金属の筒が降りてきた。人間 が道端に捨てて行った水筒。顔を上げると荷車に縛り付けられた座布団の特等席から 団長が――ズルズキンのオッサンが、水筒から伸びる紐でゆらゆらと吊るし下げてい る。まるで水棲ポケモンにニンゲンが餌を与えているかのような体勢と表情で、団長 は俺を見下ろしていた。 俺は水筒を受け取り、ぐいっと一杯一気に煽る。コップを掲げ視線を頭上に送ろうと した時、団長のデカ頭がもぞもぞと俺の目線に降りてこようとしているのに気づいた。 荷物に這いつくばり、逆さまのまま団長は俺に話しかける。 「今度の劇の構想を練っていたんだがね」 水を継ぎ足しちびりちびりすすりながら、俺は団長の話に耳を傾ける。 「きみ、ルギアというポケモンを知っておるかね」 「ああ、スワンナから毛と羽を全部むしりとって超でっかくさせた姿をしてるヤツだ な」 俺の言葉にうん、うんと頷く団長。俺は一呼吸置き、再びコップに口を戻す前、念の ために尋ねた。 「で、今度はそれを演じろと?」 「いいや、ルギアは大道具に任せて、今度君にはルギアが求婚するニンゲンの娘役を やってもらおうと思ってね」 「へ?」 怪訝、というより見識の浅さを小馬鹿にするためのオーバーな表情を、俺は団長に送 る。しかしそんな俺に団長はにんまりとウザでかい口をさらにウザく吊り上げ続けた。 「今度の新作はだね、伝説のポケモン、ルギアと海辺の村に暮らす若い娘との恋物語 にしようと思っているんだ。大海原を回遊し、大空から地上を睥睨し、世界のすべ てを見たつもりでいたルギアは、ひなびた村の堤防から聞こえてくる、海の底まで 響きわたりそうな透き通った歌声に心を奪われる。声の持ち主は村一番の別嬪さん。 娘に恋をしたルギアはある夜、いつものように堤防へやってきた娘の前に、その姿 を見せるんだ」 http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/50330/1313246923/12
尖った石を踏みつけないかと入念に地面を払い俺はぺたりと足を延ばして尻もちを ついた 吹き出る汗をぬぐって火照った体を大きく広げ熱を逃がそうとするとこつんと頭 に枕役の木切れが滑り込んでくる手押し車とその荷物を背もたれにして俺はゆっ くりと息を吐く ガラクタが山積みになった手押し車を団長と一緒に押し運びハトーボーの先導役に 低木やその他障害物を切り払って貰った先の峠の頂で俺たちは小休止をしていた 氷のように透き通った空の青と宝石のように深く沈んだ海の青がまぶしい眼下に 広がる森の中から顔を出しているひときわ目立つ灰色の巨石団長の言っていた目 印へと辿り着くまであと一二度は途中休憩を挟みたいところか普段なら本気を 出せばうさぎポケモン跳びで一日もかからない旅程がガラクタ車のお蔭でひどく壮 大な道のりに変貌している ゾロアークくん水飲むかね 言葉とともに俺の目の前へひゅするすると薄汚れた金属の筒が降りてきた人間 が道端に捨てて行った水筒顔を上げると荷車に縛り付けられた座布団の特等席から 団長がズルズキンのオッサンが水筒から伸びる紐でゆらゆらと吊るし下げてい るまるで水棲ポケモンにニンゲンが餌を与えているかのような体勢と表情で団長 は俺を見下ろしていた 俺は水筒を受け取りぐいっと一杯一気に煽るコップを掲げ視線を頭上に送ろうと した時団長のデカ頭がもぞもぞと俺の目線に降りてこようとしているのに気づいた 荷物に這いつくばり逆さまのまま団長は俺に話しかける 今度の劇の構想を練っていたんだがね 水を継ぎ足しちびりちびりすすりながら俺は団長の話に耳を傾ける きみルギアというポケモンを知っておるかね ああスワンナから毛と羽を全部むしりとって超でっかくさせた姿をしてるヤツだ な 俺の言葉にうんうんとく団長俺は一呼吸置き再びコップに口を戻す前念の ために尋ねた で今度はそれを演じろと? いいやルギアは大道具に任せて今度君にはルギアが求婚するニンゲンの娘役を やってもらおうと思ってね へ? 怪というより見識の浅さを小馬鹿にするためのオーバーな表情を俺は団長に送 るしかしそんな俺に団長はにんまりとウザでかい口をさらにウザく吊り上げ続けた 今度の新作はだね伝説のポケモンルギアと海辺の村に暮らす若い娘との恋物語 にしようと思っているんだ大海原を回遊し大空から地上をし世界のすべ てを見たつもりでいたルギアはひなびた村の堤防から聞こえてくる海の底まで 響きわたりそうな透き通った歌声に心を奪われる声の持ち主は村一番の別さん 娘に恋をしたルギアはある夜いつものように堤防へやってきた娘の前にその姿 を見せるんだ
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