ワーネバで二次創作 (48ﾚｽ)
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41: 一番正しい選択なんて今でもわからない2 2010/09/18(土)14:24 AAS
「カオリちゃん、久しぶり」
「…ハリスさん」
私は不快感を隠そうともせず、表情に出した。
ハリスさん――お姉ちゃんの長年の恋人は、そんな私を見て苦笑いをした。
「少し話がしたかったんだけど、嫌われちゃったかな」
「…いえ、別に構いません。襲名式の後はすることもないですから」
あえて、彼の後半の言葉には触れずそう答えた。
「あまり人目に付かない方がいいかな。場所を変えようか」
平日の昼間はほとんど人のいないタラの港に私たちは向かった。
気まずい沈黙を打ち破ったのは、ハリスさんの方だった。
「君が誤解をしているみたいだから、最初に言うけど僕は彼女が死ぬような病を患っているなんて知らなかった。亡くなる直前までね」
「ハリスさんが？付き合っていたんでしょう？それもずっと、長い間」
「…そう言われると辛いな、僕と彼女は確かに恋人同士だった」
「なのにお姉ちゃんが病気だって知らなかったと言い張るんですね」
次の瞬間、頭で考えるより口が勝手に動いていた。
「誤解？何が誤解なんですか？ハリスさんが他の女性と付き合っていたってことですか？ハリスさんはモテますものね。いつも綺麗な女の人たちに囲まれて、お姉ちゃんのことなんてどうでも…」
よかったんですよね、という言葉は左頬の痛みで遮られてしまった。
「…ごめん、女の子なのに顔を…」
私の頬を叩いたその右手で、ハリスさんは赤く腫れた左頬をさすろうとした。
しかし私はその手を払いのけ、こう言った。
「…どうして、お姉ちゃんを愛してくれなかったの？」
「………愛してたよ、誰よりも」
ハリスさんは小さくそう呟いた。
でもそんなの言い訳だって、わかっているから。
私はハリスさんを残して、その場を後にした。
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