第2回東方最萌トーナメント 41本目 (1000レス)
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12: 妹紅支援SS「泣き疲れて膝の上で眠る」3/4 2005/02/22(火)14:50 ID:ROszdDOQ(3/5) AAS
また膝の上でもぞもぞと動き、妹紅がぐずり始めた。
スカート越しに、彼女の涙の感覚が伝わってくる。
「ちちうえ、ちちうえ」
いつもの妹紅の寝言。恐らく何万回と繰り返されてきた言葉。
尤もその父上は既にこの世には居ない。彼女は独り、もう居ない相手を呼び続ける。
孤独の竹林の中で、裏切られる温もりの中で、私の膝の上で。
幾度となく乞われ続けた叶わぬ願いを、ただ月と私だけが聞く。

初めて妹紅と会った時も、彼女は独りで泣いていた。
寝床と思しき雑な雨避けの下、粗末ななりで涙を流して寝ている少女。
何事かと駆け寄ったら、その瞬間に目を覚ました彼女の放った炎の塊が飛んできた。
不意を衝かれて思わず反撃に出た私の、その初弾をまともに喰らって彼女は絶命した。
そしてまた復活。
悪いことをしたと、今も反省している。

たまにこうして訪れるようになってくれただけでも、初期の妹紅から言うと随分な進歩である。
私が満月を待ってハクタクの姿を見せるまで、彼女は私を信じようとしなかったのだ。
今は――私が人間のようで人間ではない存在であることを理解してくれたからだろうが、
なんとか彼女は私のことを友と看做してくれるようになった。
おかげでこうして彼女の身体のことを堂々と気遣えるようになったのだから有難いことだ。
病気に罹る度に自尽して強制的に健康体を取り戻していた話を聞いた時など絶句したものだが、
友情という大義名分ができてしまえばもうそんな無茶をさせないことも可能だ。
病気に罹れば看病もできる。
寒い時には毛布の一枚も貸すこともできる。
美味しいものを共に食べて、淋しい時には傍にいてあげることもできる。
遠慮しているのか決してこの小屋には居付こうとしないものの、
たまに来てくれているということは、やはり悪い気はしていないのだろう。
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