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第2回東方最萌トーナメント 17本目

12Silent Selene(1/5):2005/02/03(木) 19:22:00 ID:sUX3giBo
※パチュリーと永琳は、喘息治療&知識人つながりで友人、というかって設定です。導入書く余裕が
なかったので、冒頭設定宣言。

 ――物言わず 空に輝け 夜半の月 地に生く者の 罪を清めて


  Silent Selene


「これと・・・・これ。貸し出し、してもらえるかしら?」
「大丈夫ですよ。期限は二週間です」
 いつも通りにそう答えて、本のタイトルを確認する。「丹の生成研究」「古代の秘薬」・・・・。なん
だか、すごいもののような気がする。というかこんな本あったんだ・・・・。
「帰るの?」
 と、後ろからパチュリー様がいらっしゃった。目の前の方――八意永琳さんは、振り返り、
「ええ・・・・あんまり姫を放っておけないし」
「大変ね。本だけ読んでる方がいいんじゃないの?」
「パチュリー。言わせてもらうけど、姫を放っておいたら、なにかやらかしそうでおちおち本も読め
ないわ」
「確かにね」
 そう言うと、パチュリー様はコホコホと咳をなさった。・・・・喘息の軽い発作だ。
「パチュリー様、喘息が悪化しますから、お薬を・・・・」
「ああ、そうね。じゃあね永琳」
「ええ。今度薬も持ってくるわ」
「お願いす・・・・ごほっ・・・・!」
 がたんっ!!大きな音とともに、パチュリー様は床に倒れてしまった。
「パチュリー様!?」
 血・・・・!?気がつくとパチュリー様の口から、真っ赤な血があふれ出ていた。
「パチュリー様、パチュリー様!!」
 何で!?気が動転してしまって、何も考えることができなくなる。喘息の発作でここまでいくの・・・・!?
「リトル落ち着いて。喘息の急な発作よ」
 え?と思った。気がつくと目の前には、既に薬箱を出している永琳さんがいた。
「急いで酸素吸入をして、あとは薬を飲ませないと。まず風を起こせる方法ない?」
「は、はい、私は使えますけど・・・・」
「じゃあそれでいいわ。空気の酸素を集めてパチュリーに送って。口に貯まってる血を吐き出させて
からね」




「よし・・・・と。これで大丈夫。よっぽどのことが無い限り、無事なはずよ」
「ああ、よかった・・・・」
 永琳さんの言葉に、私は心底ホッとした。パチュリー様だって、ここまでの発作にはそうならない。
逆に言えば、ここまでの発作になると紅魔館にいる人間には手が出せない、ということだ。もし永琳
さんがいなかったら、と考えると、正直ぞっとする。
 そう思い、永琳さんを見る。・・・・この人を見てると、時々思うことがある。彼女も主に仕える身だ。
そうなら・・・・。
「あの・・・・少し、お話しをお聞きできませんか?」
「・・・・何を?」
「永琳さんは、月人ではなく輝夜さんをお助けしたんですよね・・・・。何故・・・・ですか?」
 その瞬間、永琳さんの表情がはっきりわかるぐらい曇った。
「何で・・・・それを聞くの?」
「同じ、主に仕える身としての・・・・興味、でしょうか?・・・・あの、もしお気を悪くされたのでしたら、
別に話されなくとも・・・・」
「・・・・いえ、大丈夫」
 そう言うと、永琳さんは遠くを見る表情になった。たぶんその目は・・・・図書館の壁の向こう、今は
隠れてる月のほうを見ている。・・・・もしかしたら、そこにいた頃の自分と輝夜さんとを、見つめてい
るのかもしれない。
「私は・・・・」




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