【ミ】『フリーミッション・イベントスレッド ―ウインド―』 (187レス)
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175
(1): 『小野紫電 ―プロローグ―』 [『管理人』] 2016/08/07(日)23:23 AAS
AA省
176
(1): 小野 紫電『?』 2016/08/08(月)02:26 AAS
>>175

何となく、そう思っていた。またこの場所に来れば、この女性に会うのではないかと。
ただ違うのは、白い装束ではあれど、レインコートではないようだ。
雨が降っていないので、当然ではあるが。

「こんばんは」
「あなたが『大江戸さま』ですか?」

単刀直入に、そう訊ねる。
半ば確信めいた物言いだが、その方がより答えに正確なものが返って来るだろう。
万が一違うとしても、問題はない。
177
(1): 『小野紫電 ―プロローグ―』 [『管理人』] 2016/08/09(火)23:56 AAS
AA省
178
(1): 小野 紫電『?』 2016/08/10(水)02:02 AAS
>>177

「・・・・・・・・」

どこからともなく現れた『小鬼』。それは無造作に女の顔に取り付くと、
顔の肉を髑髏からそぎ落とすように食し、消えていった。
その突如として現れ消えていく所、そして肉を食われても少女には何の影響もない所。
やはりこれは、自分の『鍔』と同じか。

「なるほど」「あなたの超能力が、『大江戸さま』と呼ばれている…そういう事ですか?」
179
(1): 『小野紫電 ―プロローグ―』 [『管理人』 1/2] 2016/08/10(水)20:47 AAS
>>178(小野)

貴方の『超能力』という言葉に、白装束の女は少しばかり首を傾げます。

「―――私はね、この『大江戸さま』は昔からここに棲む『鬼の一族』だと思っているの。
 私を貪る『これ』を見て御覧なさい。人肉を喰らう、昔話の『人食い鬼』そのものでしょう」

 どうやら、彼女はこの『大江戸さま』に関して
  貴方とは違う見解を持っているようでした。

「これは推測でしかないのだけど、昔はもっと巨躯で堂々としてておどろおどろしい、
 いかにも『人食い鬼でござい』といった風貌の鬼だったと思うのよ。
 けれど、そういう鬼が無思慮に人間を襲い、肉を貪っていれば、
 当然、腕に覚えのある人間に『討伐』されてしまうわけ。
省11
180
(1): 『小野紫電 ―プロローグ―』 [『管理人』 2/2 本日のレスはこれのみ] 2016/08/10(水)20:53 AAS
AA省
181
(1): 小野 紫電『?』 [1/2] 2016/08/11(木)00:58 AAS
>>179-180

「・・・・・・・・・・」

紫電は沈黙して、白装束の女の話に耳を傾けていた。
全ては彼女の憶測に過ぎないとはいえ、その内容は理に適っている。
『人喰い鬼』が現代社会に適応した姿。人間に望まれるままにのみ肉を食らう。
完全に需要と供給が一致したギブ・アンド・テイク。
まるで共生のように、周囲に影響を及ぼさず、両者の中で完結している。

「それでも、『不正』には変わりないのであります」

だが、願うだけで簡単に痩せることができるなら、痩身のために努力をしている人達はどうなるのだろう?
ボクサーは減量の為に、食事や運動で自分の身体に負担をかけている。
省5
182: 小野 紫電『?』 [2/2] 2016/08/11(木)01:07 AAS
しかし、その瞬間に紫電の脳裏を横切るは、『飯塚』の顔。
小鬼を退治すれば、やつれた彼女の顔を戻り、更に吸い取ってもらった肉も戻るのだろう。
だが、それは少なくとも即座に彼女の心を癒すことには繋がらない。むしろ逆だ。
そして自分は彼女を虐めた人間を糾弾するといったが、果たしてそれだけでそいつらが悔い改めるのか?
自分の見ていない所で、また『飯塚』さんを虐めるのでは?
今度は『山口』さんが守ってくれるかもしれないが、それは果たして二人の状況を好転させているのか?
あるいは体格が原因で虐められていた『飯塚』は、今の身体なら学校に通えるのでは?

───剣先の速度が、鈍る。

そもそも、全く健康に害がないのであれば、これはむしろ恩恵をもたらしているのだ。
即ち、ここで処分するのではなく、広めるのが人間社会としては正しいのか?
省8
183
(1): 『小野紫電 ―プロローグ―』 [『管理人』 レス遅れ申し訳ない 何か質問などなければ次で〆で] 2016/08/16(火)22:04 AAS
>>181(小野)
貴方は『白装束の女』の説明を聴いた後も、
自らの正義を貫こうとします。
『大江戸さま』が、『共生』の関係とはいえ、甘い蜜を吸う
『怠惰』と『不正』を招く存在である事は事実―――

     『ヂュイイインッ!』

           火花と共に生み出される『刀』。

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  しかし、その切っ先が『小鬼』を傷つける事はありませんでした。
  『小鬼』が何かしでかしたというわけではありません。
省5
184
(1): 小野 紫電『?』 [お待たせしました、お疲れさまでした、ありがとうございました] 2016/08/17(水)22:09 AAS
>>183

「・・・・・ぼく、は」

『正義』とは一体何なのだろう。ここでどうすべきなのだろう。
正しい事の為に、この目の前の不正を見逃すべきだという矛盾。
不正を正せば、苦しむ人が出てくる。何故なのだろうか。
この世はこんなにも複雑にできているなんて、知らなかった。

「・・・・・・・・・・」

紫電の腕が力なく垂れ下がり、彼の意思を代弁するかの如く、『刀』も消え去っていく。
この力があれば、もはや『正義』を成すのに障害などないと思っていた。
だが、こんな状況では『力』は何の役にも立たない。道を進む助けにはなれど、道を探すことはできないのだから。
省5
185: 『小野紫電 ―プロローグ―』 [『管理人』 遅れ多く申し訳ありませんでした] 2016/08/21(日)21:12 AAS
AA省
186: 『小野紫電 ―プロローグ―』 2016/08/21(日)21:17 AAS
 ワンダリング・ライジング
  迷えよ雷刃、小野紫電のスタンド。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
四枚の『鍔』のヴィジョン。実体化している。
『鍔』は本体の手腕の好きな場所から発現させる事が可能。
また、『鍔』は本体が『柄』を握るようなパワーで、
手腕に張り付けておく事が可能。

『鍔迫り合い』のパワーを糧とし、『刀』を生み出す能力。

『鍔』が何かにぶつかった時、ぶつかった『勢い』が『鍔』に『蓄積』される。
『鍔迫り合い』によるパワーを蓄積済みの『鍔』は、
省18
187: 『小野紫電 ―プロローグ―』 [オマケ お疲れ様でした] 2016/08/21(日)21:20 AAS
後日、貴方にはたまたま以下の書籍に目を通す機会がありました。
おそらく『白装束の女』は、この書籍を元に彼女の持論を展開していったのでしょう。

 以下、関係箇所を抜粋し、この物語を終了とさせて頂きます。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆お江戸で流行った禁断の痩身術!?◆

江戸時代中期、美を磨く遊女たちの間で流行った痩身術。
それはなんと『物の怪』に自らの肉を食べさせるという驚愕のものだったといいます。
陰陽の術を会得した高僧が、『大江戸』という鬼たちを呼び出して、
遊女たちの無駄な肉を食い散らかしたというなんともまあ眉唾モノの痩せ方。
今でいう脂肪吸引術みたいなものでしょうか。
省8
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