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スーパー戦隊 バトルロワイヤル Part3 (634レス)
スーパー戦隊 バトルロワイヤル Part3 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/
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15: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:45:35 ID:5z0AniO/0 遅くなりました。いつも申し訳ありません。 投下します。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/15
16: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:46:34 ID:5z0AniO/0 『馬鹿ヤロー!』 そんな檄を飛ばされた事がある。まだ小さな子供の頃だった。 俺は古井戸の上に板を渡しただけの粗末な蓋の上を飛び跳ねて遊んでいた。 1,2,3,4……。心の中で数を数えながら、繰り返し繰り返し飛ぶだけの単調な遊び。 俺は厭きもせず一人蓋の上を飛んで遊ぶ。 後一回、もう一回。 後もう一回でやめるつもりだったのに、朽ちた木の蓋はそれを待ってはくれなかった。 乾いた音。 それが足場だった蓋が割れた音だと気付いた時。 転落はすでに始まっていた。 割れた木片と共に、俺の体は吸い込まれるように井戸の底へ落ちて行く。 落ちた底は、深く狭く真っ暗だった。 俺は遥か遠くに見える青い空を見つめながら、井戸の片隅で、怖くて心細くて、ただ誰かが助けてくれるのを待っていた。 助けに来てくれたのは『おまわりさん』 ロープを伸ばし必死に俺を励まし、助けの手を差し延べた。 だけど、怖くてどうしようもなくて。一人では登れない。井戸の底から這い上がれない。 「助けて!ここまで来て助けてよ!!」 泣きじゃくり井戸の中で混乱する俺に、おまわりさんが件の激をとばしたのだ。 あれ以来、おれは暗くて狭い場所が苦手になった。 だが、それと同時にこの体験は、俺が警察官を目指すきっかけとなった出来事でもあった。 地球署に配属となった俺の持論は『この世に解けない謎は無い』 仲間や上司に恵まれ、順調で充実した日々を送っていた。 そう、昨日までは……。 あの日、井戸へ落ちた時のように『転落』は突然やってきた。 それは俺だけにではなく俺の大切な人達にも。 昨日まで、白鳥スワンさんはとても優秀な警察官だった。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/16
17: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:47:16 ID:5z0AniO/0 そのスワンさんが誤って罪を犯し、その罪を償うために、また罪を重ねようとする。 矛盾した思考。歪んでいく論理。 それは、人一倍強い責任感を持ち、誇り高き警察官として生きてきたスワンさんが、罪の意識から逃れるために作りだした出口の無い迷路。 スワンさんはその出口の無い迷路に足を踏み入れ、理央さんに刃を向けた。 しかしその刃は、理央さんを貫く事無く……。 いや、貫かなくて済んだのは、スワンさんが再び罪を重ねる事を、運命が拒んだのではないだろうか。 そしてそれは、何も出来ずにただ呆然と見ていた俺にとっても唯一の救いだった。 「一体何が起こったというのだ!」 すぐ側にいる理央さんの声がやけに遠く聞こえた。 何が起こったのか解らなかった。 網膜に焼き付いているのは、赤い閃光と、溶けるように消えたスワンさんが見せた虚ろな瞳。 いつもなら、目の前で人が消えた、そのトリックにすぐ思考を巡らせていただろう。 『この世に解けない謎は無い』それが俺の持論だからだ。 状況を整理しようと思い出す。するとスワンさんの虚ろな瞳だけが鮮明に浮かび上がる。 動悸が荒くなり、心拍数が上がる。 その虚ろな瞳を思い浮かべることを体が拒否しているように息苦しくなる。 何故だかとても怖かった。 生気を無くした亡者のような虚ろな瞳は、理性も冷静さもすべて失わせていくように思えた。 思い起こす度に、閉塞感と爪先から滲み上がるような恐怖が、俺を包んだ……。 ◆ 気が付けば、デカグリーンの変身は解除され、俺は理央さんの横で小さな子供のように膝を抱えて座っていた。 呆然とする俺に比べ、理央さんは冷静だった。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/17
19: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:48:13 ID:5z0AniO/0 冷静というだけで彼が冷たい人ではないだろうという事は、憐れみを含んだ表情から伺えた。 ただ一点を見つめる理央さん。スワンさんの消えた場所を見つめているその眼には、悼む思いが込められているように思えた。 「スワンは、誰かに消されたのだろうな」 「……ええ、おそらく」 理央さんはただ頷いただけで、それ以上何も話そうとしなかった。 殺された。その言葉を使わないのは俺に対する気配りだろう。 俺は署長やウメコに目の前で起こった事を告げるときのことを思った。 どう伝えればいいのだろう。 どこから?何から?日頃業務としてこなしているはずの手順がまるで浮かばない。 それ以前に伝えようにも通信さえ出来ない。 ここで成すすべのない自分。 加えて、目の前で何も出来ずにいた事実。なんという大失態だったと、自責の念が胸を締め付けた。 他愛もなく、いとも簡単に、痕跡さえ残さず、スワンさんは消去された。 ある意味、本当に始めて実感した『デリート』だったように思う。 「スワンは、俺を狙っていた。スワンを消した者は、俺を守ろうとしたのか?」 安堵と失望。 二つの感情が入り混じった声を理央さんは発した。 答えようのない質問に、俺は同じ質問を重ねて返そうとした。が―― 『皆さん―――――』 ロンの声がそれを遮った。 時計は6時ジャストを指していた。 ◆ ブドーは勅命を受けているかのように、背筋を伸ばし正座したまま粛々と定時放送に聞き入っていた。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/19
20: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:49:28 ID:5z0AniO/0 放送にて呼ばれた名は9名。 「思わぬところで手間が省けた……」 思うままの言葉がつい口から漏れる。 しかし、予想以上の人数。 ブドーは焦燥を覚えすぐさま立ち上がり、センと理央へ向かい歩を進める。 あの二人だけは何としてでも自らの手で屠ってやるのだ。他の誰にもそれだけは邪魔はさせぬ。 歩きながらブドーが思うは、怨敵と認めた二人。 先程の場所から動いていない二人を見付けるのは容易かった。 だが二人の様子は怨敵と称するには無様な様子だった。 ブドーは落胆とも侮蔑ともつかない溜め息を漏らした。 焦燥に駆られ戻ってきてみれば放送の内容に落胆したのか理央は肩を振るわせセンは幼子のように膝を抱えて座り込んでいる。 「腑抜けたか!」 悔やまれるならば、何故這い上がろうとしないのか。 散って行った者の痛みを己の痛みとし、立ち上がろうとしないのか。 その怒りにも似た激情がブドーにライフルを握らせた。 「今のセンは翼を無くした鳥も同然」 一度、怨敵と認めたセン。 他の者に殺されるのであれば……。 ◆ 「そんな……。ウメコまで……」 さっきの夢。ウメコが言った『さよなら』あれが本当のことだったんだ。 俺は言い表しようのない脱力感に襲われその場に膝を抱えて座り込んだ。 そしてやはり消え去ったスワンさんも、死者として名を連ねていた。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/20
21: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:51:27 ID:5z0AniO/0 「許せない」 抱え込んだ拳を強く握りしめながら漏れた声は……。その声は自分でも驚くほど枯れていた。 「許せない。そう言って仇をとれば、死んだ者を慰められるとでもいうのか?」 理央さんの言葉にハッと正気に戻る。 仇討ち?自分では気付かなかったが、そんな顔をしていたのだろうか。 俺を見据える理央さんの眼が険しくなる。 「そんなわけ、ないじゃないですか」 仇討ちという名目で殺し合いに乗るつもりはない。 俺は無理して昼行灯の顔を作った。 そして理央さんに向け、と言うよりも自分の中のスワンさんとウメコに向けて言葉を紡いだ。 「スワンさんは、 新装備の開発が自分なりの戦いだ、そう言っていました。 いつも俺たちのために睡眠時間を削って、オイルまみれになりながら、ピットの中で懸命に戦っていた。そんな人だった。 ウメコはね、いつもゲンキに笑ってて、情に脆くて……。でも結構繊細で傷つきやすい。そんな女の子だった」 ウメコの笑顔が浮かんだ。 センさんと呼ぶウメコの声が蘇った。 なぁ、ウメコ。ウメコは知らなかっただろうけど……。俺、ウメコが好きだったよ。 俺にとってもみんなにとっても、無くしてはならない大切な笑顔だった。 「俺は思う。なぜ 死ななければならなかったのか。 誰が殺したのか。どうして殺したのか、それを突き止めなきゃならない。 そいつを捜しだして、明るい太陽の下で、ジャッジメントを下してやらなきゃならないんですよ」 だから、俺は立ち上がらなければならないのだ。 そして突き止めなければならないのだ。 だが、どこを捜せばいいのだろう。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/21
22: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:56:27 ID:5z0AniO/0 俺はよろよろと起き上がり、ふらつく足を踏みだした。 「……悪いが、俺は一緒には行けぬ。俺はメレを捜さなければならない」 その時、理央さんはただ愛する者を守りたい男の顔をしていた。 「その人が……。あなたの」 大切な人なんですね。 最後の言葉を口にしようとした俺を、理央さんが突き飛ばした。 何が起こったのか解らなかった。 銃声が聞こえたような気がする。 混乱する俺を庇うように、理央さんが俺の肩を掴む。 俺は仰向けに押し倒された。 そして、銃声が響き。 理央さんの胸から赤い血が飛び散った。 ゆっくりと倒れていく理央さんの身体。 野を駆ける獅子のたてがみのような褐色の髪が扇状に目の前を流れ、理央さんは俺の視界から消えた。 その間、俺は仰向けに倒れたまま身動き一つできなかった。 俺の目に、突き抜けるような青空が映っている。 でも、何故だろう? 木々の隙間から見える空が、あの日、井戸の底から見た青空と重なって見える。 息苦しさに顔を横に向けると、血の気を失った理央さんの青白い顔が見えた。 あぁ……。判った。 俺は今、あの暗闇の中に……。井戸の底に居るのだ、と。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/22
23: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 10:57:15 ID:5z0AniO/0 【名前】江成仙一@特捜戦隊デカレンジャー [時間軸]:Episode.12後 [現在地]:C-8森 1日目 早朝 [状態]:左肘複雑骨折、全身打撲(応急処置済)。1時間強変身不能。 [装備]:SPライセンス [道具]:なし [思考] 基本行動方針:仲間たちと合流して脱出。 第一行動方針:トラウマに捕らわれ混乱しています。 備考 ・制限が2時間であることを知っています。 ・スワンの装備は消滅の緋色により消滅しました。基本支給品はB−9のどこかに散らばって置き去りにされています。 炎の騎馬はセンと理央が確認できる距離に置かれています。 【名前】理央@獣拳戦隊ゲキレンジャー [時間軸]:修行その47 幻気を解き放った瞬間 [現在地]:C-8森 1日目 朝 [状態]:左胸に銃創。肩から脇の下にかけて浅い切り傷。ロンへの怒り。 [装備]:自在剣・機刃 [道具]:支給品一式。 [思考] 基本方針:殺し合いには乗らない。乗った相手には容赦しない。 第一行動方針:気絶中 第二行動方針:ナイとメアを探す(どちらかは死んだと思っています)。 第三行動方針:メレと合流する。 ※大体の制限時間に気付きました。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/23
24: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 11:00:10 ID:5z0AniO/0 【名前】剣将ブドー@星獣戦隊ギンガマン [時間軸]:第24章(ギンガマンに敗れた)後 [現在地]:C-8森 1日目 朝 [状態]:胸と腹に中程度のダメージ。肩に銃弾による傷。1時間強戦闘不能。 [装備]:ゲキセイバー@獣拳戦隊ゲキレンジャー、一つ目のライフル銃@魔法戦隊マジレンジャー、手裏剣少々@星獣戦隊ギンガマン [道具]:筆と短冊。サイコマッシュ@特捜戦隊デカレンジャー。予備弾装(銃弾5発、催涙弾5発)。支給品一式(ブドー&バンキュリア)。真墨の首輪。 [思考] 基本方針:戦い、勝利する。 第一行動方針:他者に殺されるぐらいならば、この場でセンを殺す。 第二行動方針:リオを倒せるほどに強くなる。 第三行動方針:優勝を目指す。 ※首輪の制限に気が付きました。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/24
25: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 11:02:34 ID:5z0AniO/0 以上、指摘、矛盾、問題点、感想などよろしくお願いします。 そして投下が遅れた事をお許しください。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/25
26: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 11:34:29 ID:5z0AniO/0 orz 訂正します。 >>20 放送にて呼ばれた名は9名。 は 放送にて呼ばれた名は8名。 重ね重ね申し訳ありませんでした。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/26
27: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 11:46:48 ID:5z0AniO/0 そしてブドーの状態表の制限のところ1時間強戦闘不能。を削除し忘れておりました。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/27
28: 仄暗い井戸の底から ◆MGy4jd.pxY [sage] 2008/10/18(土) 12:15:03 ID:5z0AniO/0 上記の訂正箇所、その他誤字を訂正し、したらば借投下スレ>>282〜>>285へ再投下しました。 よろしくお願い致します。 http://echo.5ch.net/test/read.cgi/sfx/1223702612/28
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