[過去ログ] 【天空時】悟りをひらいた人のスレ632【鬼・和尚】 (1002レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
578
(1): 鹿野園 ◆FFl6ru6hvpJf 2021/12/25(土)13:23 ID:B/RQa7+L(11/11) AAS
「国家理由の問題」と帝国日本の主権論

確かに個々人の行動水準においては、「国家的に働くということは道徳的に働くと云うことで
ある」という
西田的論理によって、国家理性(国家理由)の問題に一応の説明をつけることができるだろう。だが国家理性(国家理由)の問題とは、「絶対意志が主権として自己自身を表現する」
ものとしての、無制限の権力を占有するとされる国家とその行為を、如何にして正当化するかを、
第一の問題とする。これにつき西田は如何なる解答を示すのであろうか。ところで法制定権力としてく法外なるもの〉に他ならない主権的権力の「自然的本性とは自己保存の欲求と、
自己完成態を求めて際限なく自己拡張する要求」たる点に存する。
だがこのように「自己準拠的であることは自己破壊的であることと同義」であり、

法治国家として自己を定礎するということは換言すれば、国家の始原に厳然するかかる法制的権力の発動の痕跡を抹消するということに他ならない
法学上における主権制限論とは、かかる条理を踏まえて要請された議論であった。この観点に
おいて法学上の主権制限論は、国家や君主の無制限の権力行使とその隠蔽や正当化をめぐる、政
治学上の国家理性の問題と相関性を有している。西田がこの問題に十分自覚的であったことは、
「国家理由の問題」中に主権の定義としてSummaincivesacsubditoslegibusquesolute
potestasというボダンの一節を引用している点にうかがわれる。嘉戸一将の研究によれば興味深
いのは、この「市民及び臣下に対して最高な而して法から束縛せられない権力」と訳すべきラテ
ン語の一句を西田が当初誤読により、「法によって束縛せられ即ち法から自由な権力」と訳そうと
していたことにある42。
このような「法によって束縛せられ即ち法から自由な権力」としての主権という、西田におけ
る主権限定論への眼差しは、ほぼ同時代に出来した「天皇機関説事件」を想起せしめる。
1-
あと 424 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.010s