[過去ログ] 聖闘士星矢の瞬たんに(;´Д`)ハァハァする in PINK9 (977レス)
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620: 贋作冥王神話ND 2014/09/09(火)00:35 ID:8bcSuSTKO携(5/5) AAS
その時、目の眩むような閃光と灼熱に漆黒の霧の輪郭が鮮やかに浮かび上がり、激しく吠えるゴールディの声がはっきりと聞こえてきて、急激に身体が軽くなった。
瞬は朦朧としながら自分の聖衣が硬い物に触れる音を耳にし、頬に冷たい天鵞絨を感じ、冥王が城を捨てて去ったことを知った。
視界の端に倒れているアローンの無事を認め、仲間達が駆け寄る足音を聞きながら、冥王の玉座の中で瞬は意識を手放した。

―――――

過去への旅から戻って後、時折、瞬は胸の奧にふいに小さな熱が閃くのを感じる。
ポプラが白い葉裏を煌めかせて風に翻る時、逞しい黒馬が風を巻いて駆けていく時に。

やがて、星矢達と共に欠けていた黄金聖闘士の位を継いだ頃…
ある日の逢魔ヶ刻。
処女宮の入口でそよ風に吹かれながら、瞬は暮れなずむ景色を眺めていた。
『余の后ぺルセポネーをそなたの守護星座にするとは、アテナもなかなかに気のきいた采配をする』
いつの間にか隣に立っていた淡い人影に、瞬は目を見張る。
『ゼウスが計らってでもくれたのか?それとも、気まぐれなクロノスの悪戯か?』
半ば透けた姿のハーデスは、瞬の右手に恭しく口付けを落とした。
『やはり、そなたは余のものだ…』
相変わらずの一方的な言い分に、瞬は微苦笑しながら言葉を返す。
「さぁ…案外、先代処女座のシャカが仕掛けた罠かもしれませんよ。彼からの指名だったそうだから」
『シャカとな…あぁ…ジュデッカで会うたな……確かに、企み事など好みそうな男ではあったな…』
嫌味を言ってやったつもりが、意外にも冥王の反応はどことなく懐かしげで長閑だ。
もしシャカがこのやりとりを聞いたら、どんな表情をするんだろう…と考え、瞬は小さく笑ってしまった。
『やはり、そなたは面白い。いつも余の思いもかけぬ反応をする……瞬、そなたは余を飽きさせぬ』
そう微笑みながら瞬の頬を挟んだハーデスの両手が、風に変わっていく。
『今暫くの間、微睡みの中から現世のそなたを見ているも一興だ…』
楽しげな気配を微かに風に乗せて、人影は消えた。
独りに戻って見上げた空は既に深藍色に染まり、満天の星々が輝いていた。

― end ―

無印アニメのエンディング曲に続きたい気持で…
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