[過去ログ] 【腐女子カプ厨】巨雑6440【なんでもあり [無断転載禁止]©2ch.net (697レス)
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568: (スプッ Sdb8-xmDs) 2016/04/07(木)20:10 d AAS
ことりと可愛らしく首を傾けたアルミンに、リヴァイはただ溜息を吐くだけだった。
「お疲れのところすみません。実は実行するときにエレンにもちょっと怒られたんですよ。でもエレンも勝手に旅に出たのを悪いと思っているみたいで僕たちを邪険にできない。だからエレンもあなたに会いたいのを堪えて付き合ってくれてるんです」
怒らないであげてくださいね、と言われてリヴァイは少し目を細めただけだった。
怒りはしないが、少しだけベッドの上で啼かせてしまう可能性は大いにある。
「これで最後です。エレンを迎えに行ってください」
最後に渡されたメモは何の変哲もないただの地図だった。
ふわりと、リヴァイの鼻を春の温かな香りが掠めていった。
エレン、エレン。お前は一人でそこで待っているのか。何年も待たせて、会いに来させて、あんな風に寂しかったと泣かせて。
それでも愛してると言ってくれた。
リヴァイの足は自然と早くなる。春の空気は熱を上げるリヴァイの体温にじっとりと汗を滲ませた。
あの熱帯のような鋭い日差しではない。木を掻き分けて進むわけでもない。
だけど、エレンまでひどく遠く感じた。
それよりも遠い距離を、エレンは飛んできてくれたのだ。
ならば、今度は自分が、飛んでいこう。
エレンはアルミンに言われた場所でぼうっとベンチに座っていた。
人気はない。結構な穴場なのだここは。
ひらりひらりとすぐ傍で色の薄い花びらが舞い散っている。
少しだけ早い満開を迎えるこの桜があるこの高校の裏山の展望台は、エレンとリヴァイの思い出の場所だった。
あの日もこんな桜吹雪の中だった。
学校を去るリヴァイを呼び出して、泣きながら、縋りながら告白をした。
リヴァイは泣くエレンの背を抱き締めてその想いに応えてくれた。
最初から目を奪われ、初めての感情に振り回され、それでもリヴァイの優しさに諦められなくて。
想いに応えたリヴァイもまた、最初からエレンを傍におきたいと思っていたらしい。
だからやたらと用事を言いつけられたり補修に付き合ってくれたりしたのか。
理由など分からない。
ただ、こいつは俺のものだと思った。
そう好きな人に言われてときめくしかなかったエレンは、そこまで思い出して顔を赤くした。
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