[過去ログ] 【腐女子カプ厨】巨雑6439【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (505レス)
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504: (スプッ Sd9f-G+K4) 2016/04/06(水)21:47 d AAS
「あいつの言ったように俺はこの世に存在するすべてを手に入れたが、エレンだけは手に入れられなかったな…」
溜息の様に漏らすと、イザベルが感情をかみ殺そうと唇を噛んだ。
「イザベル…」
「なに?」
力を振り絞って手を伸ばすと、涙で濡れたイザベルの手に包まれる。
「頼みがある」
「なに?何でも言って?」
泣き虫な妹の切ない表情はどこか、あの少年に被る。
「一つは…モブリットに描かせたエレンの絵だが…」
「うん」
「俺が死んだ後…絵とはいえ、あいつを一人にしたくない…上に俺の絵を重ねて描けと…伝えてくれ…」
「うん、うん、わかった。モブリットに言って描かせるよ。他には?」
「…もう一つは…俺の…」
「うん」
「…俺の墓標に…『エレン』の名を刻んでくれ」
墓標という言葉にイザベルは一瞬固まりながらも、大粒の涙を流しながら何度も頷く。
イザベルはエレンを知らないが、リヴァイがエレンをどれだけ求めていたのかは知っている。今この部屋にもエレンが描かれた肖像画が置かれていた。
「エレンは俺の全てだ…。死しても…魂だけはあいつに…寄り添いたい」
「うん…うん…わかったよ…兄イ…兄イの言う通りにする…だから、しっかりして…」
暖炉で薪の炎がはじける音の他は、イザベルの啜り泣きだけが部屋の中で響く。リヴァイは死の使いがすでにやってきていることを感じていた。
「…イザベル…少しだけ…エレンと二人きりにしてくれ…頼む…」
イザベルはその言葉に頭を振ったが、ファーランと我が子に促され肩を抱かれたまま部屋を出て行った。
静かになった部屋でリヴァイは壁に掛けられたエレンの絵を見つめた。前を見据えるようにこちらを見つめるエレンの瞳は輝きどこまでも真っ直ぐだ。
「エレン…結局お前に会えなかったな…くそ…よく見えねえ…もっとよく見せろ」
必死で震える手を伸ばし、体勢を変えるとリヴァイの体がベッドから転がり落ちた。毛足の長い絨毯は柔らかくリヴァイの体を受け止め、大した衝撃もなく床にうつ伏せになった。
動きの悪い体を引きずるようにして這いずりながら、絵に向かって進む。部屋の中で暖炉が焚かれ、暖かいはずなのにひどく寒い。全身はひどく怠く、重く、吐息が熱いのに寒さで肌は粟立ち、震えが止まらない。
「…寒いな…」
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