[過去ログ] 【腐女子カプ厨】巨雑6439【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (505レス)
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398: (スプッ Sd9f-G+K4) 2016/04/06(水)21:14 d AAS
「よう、覚えているか?」
「…………」             
「チッ、」
 緊張でなにも言えない。後ろを振り返ることすらできない。
 背中を丸めるとメニューにどんどん顔が近づいていき、もうすぐメニューとキスしてしまうそうだ。
 そんなエレンの気を知ってか知らずか、リヴァイはエレンの隣の椅子を引いてそこに腰かけた。
 体は完全にエレンの方を向いている。頬杖をついて、メニューとキスする五秒前のエレンをじっとりと眺めていた。
 怖い。最初に腕を掴まれた時の恐怖が蘇る。いや、今日はエレンに後ろめたいことがある分、初対面の時よりももっと怖い。
 こんなに怖い人があんな綺麗な写真を撮ってるだなんて詐欺だ。
「このひと月、ずっと連絡を待っていたんだがそろそろ待ちくたびれたな」
 わざとらしいため息。視線が痛い。リヴァイは目から針でも出てきて自分をチクチクと刺しているのではないか。
「……あの、それ……オレに言ってます……、よね……」
「あ? 忘れたのか?」
 この期に及んで、もしかしたら人違いかもしれないという可能性にかけて確認してみると、針がナイフに変わった。ようするにさらに鋭い目つきで睨まれた。
「すみません! よくある勧誘だと思って無視していました! でも本当に写真家さんで、しかも昔よく見た写真集の人で、まさか道ばたでいきなり腕をすげえ力で掴んできて自分を撮りたいと言った人がその写真家さんだなんて思わなくて、……ごめんなさい!」
 勢いよく頭を下げると、ゴツン! といい音がした。メニューとのキスは避けられたが、テーブルとは額でキスをしてしまう。
 どうにでもなれとばかりに正直に話して謝罪する。まだ心臓はドキドキとうるさい。
「……まあいい、」
「…………」
 ふっとリヴァイを纏う空気が変わった。針もナイフも感じない。おそるおそる顔を上げてリヴァイを見ると無表情に近いが笑っているような顔をしていた。
(怒ってない……?)
「飯食いにきたんだろ。何にするんだ? ここは何でも美味いが、メニューになくても食べたいものがあれば言え。店主が知り合いだから作らせる」
 その言葉にこの店がリヴァイのテリトリーだったことを知る。また腹の虫が空腹を訴えて鳴き出して、エレンは羞恥で赤くなった顔をメニューで隠した。
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