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【腐女子カプ厨】巨雑6439【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (505レス)
【腐女子カプ厨】巨雑6439【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/
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289: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:52:06.02 d 「だって、だってドイツのやつらひどいんです。あれは飲み物じゃねえしそれは食べ物じゃねえ。そこは手袋じゃねえし、ましてブーツでもねえ。ヘルメットでもねえんだよ!! なに考えてんだあのジャーマン!!」 「お前のダチがなに考えてんだ」 「E・Tパロでポルノ撮るなよ! どこだよ抜きどころ! あいつら全員くちくしてやるー!!」 わっと泣き伏すエレンの背をリヴァイは仕方なく撫でた。 ちょっとPTSDになってんじゃねえかよ。 リヴァイを喜ばせたいと悩み、友人に相談し、準備して帰りを待ち、裸でポルノの話をしているというのに色気というのがどこにもない。 斬新な……と抱きしめていると、落ち着いたエレンが今度は静かにしゃくりあげる。 「……イギリスもひどいんです……」 国境越えた。 「変態ニュースで世界のトップをひた走るんです。ジェントリやべぇ」 「長いか、その話」 「自動車とかフェンスとかテーブルとか冷凍チキンとか、どうやってヤルんだよ!? 愛好サークル作ってんじゃねえよ! ……くちくしてやる……一匹残らず……!!」 全然落ち着いてなかった。 涙を流す凶暴な金に、しかしリヴァイの心臓が不覚に高鳴る。 初めて見た時のエレンを思い出したのだ。 月光の下、刃物を持った男と対峙するエレンを見た、あの衝撃。 何者の指図も受けぬ焔をまとう獣のような。血まみれの化物のような。 気づけばリヴァイは口を開いていた。 「……手伝ってやろうか」 「う?」 「皆殺し」 「あいっ!」 「いい返事だ」 ご褒美に頬にキスすれば、くすぐったがったエレンが笑みをこぼして抱きついてくる。 なめらかな肌を手のひらで堪能しながら、リヴァイは笑みを噛み殺した。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/289
290: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:52:09.92 d 残念な酔っ払いだ。大変残念な酔っ払いではあるが――――実に悪くない。。 「ほら、いい子だからもう寝ろ」 「んん……でも……アメリカの奴らだって……」 「大西洋を越えられる程夜は長くねえ。おら」 エレンを抱き直し、幼児を寝かしつけるように布団の上からぽんぽんしてやる。 元々眠たかったエレンは抵抗せず瞼を閉じた。リヴァイの腕の中でごそごそと寝心地のいいように体を動かし、隙間なくひっついてひとつ大きく満足気な息を吐く。 しばらくそうしていると、やがて規則正しい寝息が聞こえてきた。 破壊神のような話をした当の本人の癖に、その寝顔はあまりに無垢で幼く、リヴァイはSDカードを交換せねばならなかった。 トーストの焼ける匂いで目が覚めた。 あたたかな太陽の気配がする。重い瞼を開けたエレンは、ぼんやりとあたりを見回してここがリヴァイのマンションであることに気がついた。 (あれ……昨夜どうしたっけ) 猛烈に喉が渇いている。リヴァイのほうが早く起きるとは珍しい。 朝が超絶に弱い彼を起こすのが普段のエレンの役目なのに。と、そこへリヴァイが姿を現した。 「起きたか」 瞬間、エレンは昨夜のことをあますところなく思い出した。 「ぎゃー!!」 「人の顔見て悲鳴あげるたあ随分な恋人だな」 「あ、あわわ、あわわわわ」 慌てて起き上がり、エレンは自分が何も着ていないことに気がついた。 飛び上がってシーツにくるまる。リヴァイはドアにもたれたまま面白そうにそんなエレンを見つめた。 「変な格好してたから脱がせただけだ。何か飲むか」 「えっ!?」 「酒以外」 「うあー! 昨日はすいませんっ!!」 「構わん。で、何飲む」 「う、あ、え」 しどろもどろになりながら、なんか甘いのと呟くとリヴァイが踵を返す。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/290
291: 名無し草 (ワッチョイ 13b8-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 20:52:28.91 0 >>281 せやかてどう反応してええか分からなかったんや草 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/291
292: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:52:36.14 d エレンはわたわたと昨夜の記憶を掘り起こした。途切れ途切れだが、多分ほとんど覚えている。 オレ、すっげえリヴァイさんに絡んでなかったか!? 「エレン」 呼ばれ、振り向くと戻ってきたリヴァイがペットボトルを渡してきた。苺ミルクだ。 珍しいもの買ってるなと思いつつありがとうございますと蓋を開けてあおる。 落ち着きたいのと喉が渇いているのと、リヴァイの視線から逃れたいのもあって心持ち視線を外しながらごくごく喉を鳴らしていると、リヴァイがベッドに座った。 心持ち楽しそうである。 「それで、どこからにする」 「?」 「滅ぼすんだろ。ドイツとイギリス」 なにそのハルマゲドン。 しかも昨夜のエレンの理屈だと日本が真っ先に滅ぼされておかないことには。 ペットボトルから恐る恐る口を外し、エレンは情けなく眉を八の字にした。 「わ、忘れてくださいぃ……」 「仕方ねえな」 やわらく目を細め、リヴァイは腕を伸ばしエレンの髪を撫でた。 何だか物凄く上機嫌だ。優しい。 髪を撫でた手のひらが、どぎまぎしているエレンの頬に触れる。 ベッドに乗り上げたリヴァイは、ペットボトルを取り上げてサイドテーブルに置き、エレンにそっとくちづけた。 ぶわっと頬が熱くなる。 くちびるを離したリヴァイはいたずらっぽく首を傾げた。 「……この程度で赤くなるくせにな」 「それはっ!」 反論しようと声をあげたところで視界がまわり、気づくとリヴァイがエレンを押し倒していた。 布団もシーツも引っペがされて裸の体にかぶさられる。 朝の明るい光のなか、一人だけ裸で伸し掛られるという恥ずかしさにエレンはぎゅっと目を閉じた。 「リヴァイさんっ!」 「俺とのSEXに不満があるか」 エレンはぱちりとまたたいた。意味を理解するなり、頭の奥で怒りの火花が弾ける。 「っなわけないでしょう!?」 「なら」 両頬をぐっと掴まれる。 「一人で焦ってんじゃねえ。俺もお前も満足してる。それでいいだろうが」 「焦るに決まってんじゃないですか!」 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/292
293: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:52:39.98 d がばりと身を起こす。鼻と鼻が触れ合う距離でエレンはキッとリヴァイを睨んだ。ここだけは外せない。 「確かにSMだのなんだのはいきすぎでしたけど、でも、リヴァイさんはオレに何してもいいっていうのは本気なんです。遠慮なんてかけらもさせたくない。オレは経験不足でテクもないし、男だし、だけど、でも――オレだって男です」 アイスブルーを見据える。 「リヴァイさんを気持ちよくしてあげたい」 死ぬほど。 エレンの、それが今出来うる精一杯で最大の愛の渡し方なのだ。 このひとが運命だと思った。 しかし一目惚れは理屈の欠如であり、運命に保証書はなく、愛が変化するものならば、この恋はふと覚める夢のようなものであることを考えなければならなかった。 ならばエレンがどれほど焦がれようと、リヴァイが我に返ったように『これは勘違いだった』と言い出す日が来るかもしれない。 その時、エレンの体はそれを繋ぎ止めるくさびになる必要があった。 たといそこまで最悪なことにならなくとも、リヴァイが完全にエレンに満足することで、そうする可能性を限りなく減らすことが出来る。 なにもかも初めてのこの恋は、なにもかもが幸福で、だからこそとても恐ろしい。 なんでもするというエレンの覚悟を探るように見つめたリヴァイは、ひとつ息を吐くとエレンの腕を引いて起き上がった。 ベッドの上にぺたり座るエレンにシーツを巻いて、真正面にあぐらをかき顔の下半分を手のひらで抑える。 その表情にマイナス要素がないか注意深く見つめ、エレンはふと気づいた。あれっ。 よろこんでる? 「……遠慮、と言ったがな、エレン。俺はなにひとつ遠慮してない」 「嘘ですよね」 エレンは即答した。 「リヴァイさんのSEXは優しすぎるんです。不自然なくらいオレを気遣ってくれる」 「そういうプレイだからな」 エレンはまばたきした。窓の隙間から風がさしこみ、カーテンが揺れる。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/293
294: 名無し草 (ワッチョイ ab82-eoZT) [sage] 2016/04/06(水) 20:52:43.36 0 なあ ルルの馬石貫通してへん? http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/294
295: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:53:07.05 d 「え?」 「そういうプレイだからだ」 顎を撫でてリヴァイが続ける。 「負担をかけないようにだとか、そういうのも勿論あるが、優しいフリしたほうがお前の羞恥心を煽れるし、トロ顔だのイキ顔だのもじっくり見られる。 些細な表情の変化も見逃すつもりはねえし、お前、エレン、優しい言葉かけりゃあかなり恥ずかしいポーズだって言うこと聞くだろ。オレに得だ」 何故か偉そうに胸を張るリヴァイをエレンは呆然と見つめた。 開いた口が塞がらない。なんか、もしかしてもしかしなくとも。 (……お、オレ……もしかして、凄い勘違いをしてたんじゃ……) 「それを知っちまったお前は、今後更なる羞恥と屈辱に耐えるハメになるわけだ」 いい墓穴を掘ってくれた。満足そうにトドメを刺すリヴァイに、エレンはゆっくりと崩れ落ちた。 「あああああ……」 「なんでもするっていう言質もとったしな」 「あああああ!!」 とうとう絶叫するエレンである。 さんざん悩んだオレとか! 昨夜の覚悟とか! 亀甲縛りだとか全身タイツだとか、死ねオレ!! リヴァイはサイドテーブルから苺ミルクを取ると、一口飲んで顔をしかめた。 「甘え」 「ああああああああ」 「遠慮とか言ったがな。エレン、お前こそ俺にすべて差し出してはねえだろ」 「あ!?」 涙目で顔を上げるエレンにリヴァイはペットボトルを軽く振ってみせた。 「お前、苺ミルク好きだろ」 「えっ」 なぜそれを。言ったことはないのにと目をまるくすれば、リヴァイが得意げに目を細める。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/295
296: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:53:10.96 d 「苺ミルクが好きだが、興味無いフリをする。紅茶は砂糖を入れたい。コーヒーはカフェオレぐれえにしねえと飲めない。本当は淋しい癖に、なんでもないフリして実家に帰る。オレの前で大人ぶりたいんだ。違うか」 「あ……あぅぅ……」 口をぱくぱく開閉させる。違わない。大人なリヴァイの前で、ガキっぽいと思われたくなかったから少しだけ見栄を張っていた。 けれどまさか気づかれていたなんて。 「いいじゃねえか」 羞恥に丸まろうとするのを持ち上げられ、膝の上に乗せられる。 赤くなった顔を下から覗き込まれて、エレンは視線を彷徨わせた。 「遠慮したり、見栄張ったりすんのはカッコつけたいからだ。惚れた相手には特にな。俺だって同じだ」 「……リヴァイさんも?」 意外だと目を見張れば当たり前だと呆れたように返答される。 「お前は俺との違いを気に病んでるようだが、社会的地位だの、金だの力だのはな、誘蛾灯にはなってもお前が俺に惚れる要素にはなってくれん。 そもそもそんなもん、望めばこれからいくらでも手に入れられる筈だ。お前は根性がある」 やさしく頭を叩かれ、エレンは突如膨れ上がった喜びと誇らしさに声もなかった (そんな風に思っててくれたんだ……) 胸がいっぱいになる。その胸に、すとんと落ちてくるものがあった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/296
297: 名無し草 (ワッチョイ 13b8-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 20:53:33.45 0 >>294 しとるね 次の瞬間倒れてマルロあたりがルル回収するんちゃうかな http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/297
298: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:53:36.36 d 自分が本当に欲しかったものは、きっとこれだったのだ。追いつきたい。 認めて欲しい。 果てしないような広い差を、なんでもいいからどうにか埋めたかったのだ。 エレンはそっとリヴァイの首に腕をまわした。 「リヴァイさん」 「ん?」 「……リヴァイさん、テディベア好きでしょ」 リヴァイが固まった。 静止した青のなかにある驚愕の色を見下ろし、エレンはにんまりと笑った。 「テディベアとか、子猫とか、可愛いぬいぐるみ大好きですよね。隠してるけど、知ってるんですよ。オレ」 リヴァイがエレンに張っている見栄があるのなら、絶対にこれが入っている筈だと確信して笑う。 TVでテディベアが特集されていれば、PCや仕事の手は止まっているのに頑として見ようともしない。 だのに意識だけはそちらに一点集中している。 映像が終われば動き出す。リヴァイは本当は、とてもわかりやすいひとだ。 反応のないリヴァイの頬に手をあて、鼻の頭にちゅっとキスを落とす。 「リヴァイさん可愛いっ!」 「ってめえ!」 「あはははは!」 がばっと襲いかかるのを、ベッドの上で転がりながら逃げる。 すぐに捕まって抱きしめられて、くすぐられて、げらげら笑いながら暴れるともっと拘束がきつくなって、苦しくて、リヴァイが重くて、くすぐったくって、笑いが止まらない。 リヴァイががぶがぶと犬みたいにキスしてくるのだって楽しい。 リヴァイにぎゅうと思い切り抱きつけばくすぐりは止んで、乱暴なキスがほんのちょっと甘くなる。 そうしてキスを交わしていれば、やがてくすぐっていた手のひらがねっとりとエレンの背筋をなぞった。 「ん……」 腰の奥をじんわり揺らす感覚にエレンはそっと目を開けた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/298
299: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:53:40.11 d 「リヴァイさん。あの、もうひとつだけ」 「まだ納得してねえのか」 「んんっ、いえ……納得はしました、ケド、やっぱもうちょっとテクニシャンにはなりたいです」 手を止めたリヴァイがエレンを覗き込む。そういや昨夜もそんなこと言ってたなという呟きに頷く。 「だってリヴァイさん、オレのフェラじゃイかないじゃないですか」 くちびるを尖らせてみせると、リヴァイはああ成程とエレンを抱き直した。 「射精だけが快楽じゃねえだろうが。オナニー覚えたての猿じゃあるめえし」 「お、大人の発言だ……」 性を覚えたての猿ことエレンはおののくのみである。しゃぶられるとすぐイってしまうのをどう思われているのか、怖くて聞けない。 リヴァイは楽しげに続けた。 「お前、食いちぎるつもりかってぐらいに必死にかぶりついてくるだろう。あの形相は悪くねえ」 「形相て」 「テクニックがどうのこうの言ってたが、そういう表情を視姦させてもらってるし、お前が裸でいるだけでさっきから犯したくて仕方ねえんだ。今はそれで充分だろうが」 あけすけな言いようにエレンは顔を赤くした。 (……なんか、リヴァイさん、ほんとにオレのこと好きなんだな) 空回りしたし全然噛み合ってなかったけれど、リヴァイの思っていることが聞けてよかった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/299
300: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:54:07.65 d 口も悪くてぶっきらぼうだけど、エレンの不安は台風の後のように一掃されていた。 いつか近い未来、エレンはまた不安になったり、勘違いしたり、暴走したりしてしまうんだろう。 リヴァイのことを好きでいる限り、幸せでいる限り、失うことを恐れずにはいられない。ただ…… 「リヴァイさん」 「ん?」 微笑んだエレンは、とびきりの内緒ごとを話すように囁いた。 「これから、何百回も、何万回も、オレとSEXしてくださいね」 リヴァイが瞠目する。エレンは喉の奥で笑った。 リヴァイがエレンとの未来を考えてくれているのならば、自分が迷ってちゃ駄目だ。 もしかしたらの不安なんてリヴァイが軽く蹴飛ばしてくれる。 なら、自分はひたすら一生懸命にリヴァイを愛せばそれでいい。 (それに何万回も抱かれたら、テクニックぐらいつくだろ!) 完璧だ。多分! 覚悟ととに拳を握り締め、リヴァイを見つめ――今度はエレンが瞠目する番だった。 リヴァイの目の色が変わっていた。 獲物を捕食する黒豹のような、狼のような、絶対王者のようにゆるり己の唇を舐めるリヴァイにエレンの本能がエマージェンシーを放つ。 硬直するエレンに、リヴァイはそっととのしかかった。 恐怖のような快楽のような痺れがエレンの背筋を這う。 「忠告はした筈だ」 「ひっ!?」 「言っただろう。優しさはただのギミックだと。昨夜から散々煽ってくれやがって」 頬、首筋、胸板。撫でられるところから震えが走る。 「仕方ねえよな。お前がここまで暴走するってことは、次のステージに移行するべき時期を俺が逃したからだ。違うか?」 「えっ……」 なんだ次のステージって。 全身タイツとか言い出した癖にわけもわからず思考停止していると、素早く抱え上げられ反射的に首に腕をまわす。 リヴァイはベッドから降りて歩き出した。 「え、ど、どこに……」 「風呂。隅々まで洗ってやる。抵抗したら縛る」 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/300
301: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:54:11.51 d どんな洗い方されんだ!? あわあわとエレンはうろたえた。 どうしようなんか虎の尾を踏んだ。いや、もしかしたら最初から踏んでいて、リヴァイの忍耐が切れただけだったのか。 未知への恐怖に本能が逃げたがるが、そもそもこれは最初からエレンが望んでいたことではなかったかと思うと体が動かない。 まだ朝なのに、これから何をされてしまうのか。 何を教えられてしまうのか。 怯えたままリヴァイにしがみつくままなエレンは、しかし脱衣所で鏡に映る自分の顔を見て唖然と口を開けた。 さぞや青ざめているのだろうと思った自分の顔が、はしたないくらい真っ赤だったのだ。 「降ろすぞ」 声とともに抱っこから降ろされる。ふんわりしたマットの上に降り立ったエレンは、浴室のドアを開けるリヴァイのシャツを掴んだ。振り向いたリヴァイが鋭く反応する。 「なんだ。反論は却下する」 「はい」 紅潮の冷めぬまま、エレンはリヴァイをしっかりと見据えた。なんにもわからなくたって、なにをされたって、覚悟はありますと伝わるように。 あなたが好きだって、伝えるように。 「望むところです」 そうしてエレンは、噛み付くようにくちづけた。 その後の二人を語る必要はあるまい。出会いの瞬間からフルスロットルで爆走しているバカップルにとって、エレンの一夜の暴走などその磐石になんの影響も及ぼさない。 ただ、リヴァイの部屋にエレンの実家の家具が運ばれ、冷蔵庫には苺ミルクが常備され、棚にはテディベアのぬいぐるみが置かれるようになった、ただそれだけのことである。 ちなみにこれはエレンの余談だが、後日我に返ったジャンにその後の経緯を尋ねられたので、「オレの存在自体がテクニシャンだから大丈夫だった」と答えたら「意味がわからない」とキレられた。 END(笑) http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/301
302: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:54:42.82 d リヴァイが二年と少しという長期に渡る出張から帰ってきたのはもう冬から春に季節が切り替わる時のことだった。 エレンの誕生日には間に合った、とリヴァイは内心胸を撫で下ろしている。 それでも前日というギリギリのところである。本当に間に合って良かった。間に合って良かった。 自分自身の誕生日から年末正月にかけて、エレンと二年ぶりの再会を果たし一緒に過ごした日々が既に懐かしくなっている。 その後のエレン不足からリヴァイの疲労はピークを通り越して砂漠である。 早急にエレンという名のオアシスを欲している。 だが空港にエレンの姿はない。仕方がなかった。 帰国日が最後まで曖昧であり、エレンに知らせることすらままならなかったのだ。 エレンには自宅のあるマンションで待っていて欲しいと伝えてある。 空港からタクシーをすっ飛ばして家に帰ろうと思っていたリヴァイに、思いがけないものが目に入った。 光に色を変え、宝石のように美しく輝く大きな瞳。 意思の強いそれが、目の前のリヴァイをじっと見ている。 舞い踊るような衣装がひらりと風に舞っているのがよくわかる。 差し出された手は、指が長くしなやかだ。 だがそれでも、リヴァイよりも手が小さいのをよく知っている。 空港の大きな柱。そこに貼られた大判のポスター。 その中にエレンがいた。 ようこそ!の英字版と共に。 その下に、おかえりなさいとなじみ深い言葉が書かれているのにうっかりときめきそうになる。 早く会いたいとは思ってはいたがそういうことじゃなかった。 リヴァイはポスターの下で立ち尽くしてしまった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/302
303: 名無し草 (ワッチョイ f395-imw8) [sage] 2016/04/06(水) 20:54:56.40 0 >>284 あっとるで ほな次は大罪バレやな 花見しとったは http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/303
304: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:55:13.47 d とりあえずリヴァイはエレンにメッセージを送った。 『リヴァイさん! おかえりなさい!!』 「ああ、エレン。今すぐ会いてえすぐ帰るから」 『はい! お待ちしてますね』 その文字列が目の前のエレンとポスターのエレンの言葉が重なった。 リヴァイはタクシーの運転手をびびらせながらそれからすぐさま帰宅を果たした。 が、扉を壊す勢いで開けたリヴァイの前に仁王立ちしていたのは、かのエレンの幼馴染、ミカサ・アッカーマンであった。 リヴァイは扉を開けたまましばし固まった。エレンも出てくる様子がない。 どこに行った俺のオアシス。 「……なんでてめえがここにいる?」 「悪いけど、あなたをすぐにエレンに会わせるわけにはいかない」 「ふざけんな、どういうことだ」 「二年もエレンを待たせておいた上に、エレンが会いにいかなければどうにもできなかったあなたが悪い」 それを言われてしまえばぐうの音も出ないが、リヴァイのエレン不足は深刻である。 普段ならそこまでイラつかないミカサの言葉だが、リヴァイの額には青筋を立った。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/304
305: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:55:17.39 d 駐車場に寄り、自分の車を発進させる。 「……まあこれは単純なやつだな」 リヴァイはこの文字列を見てすぐにピンときた為、その場所へと車を向かわせた。 「お前か」 「うおっ」 ジャンはびくっと肩を跳ねさせて振り返る。不機嫌最高潮のリヴァイにビビり、思わず座っていたベンチから転げ落ちる。 びゅうびゅうと昼過ぎの風が吹き付けるデパートの屋上はまだ寒い。風邪をひいたらどうしてくれるのか。 だが、思いの外早いリヴァイの到着に風邪は回避できそうだ。精神的に死にそうだけども。 「は、早かったっすね……?」 「機械には強いほうだ」 「な、なるほど?」 ぶすっとしたリヴァイに、ジャンは内心でエレンを殴りつけたかったが、それもそれでこの人に殺されるだろう。 ついでにミカサに冷たくされるのも耐えられない。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/305
306: 名無し草 (アウアウ Sa6f-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 20:55:33.04 a 腰ちゃんと順一ほんまやったんか草 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/306
307: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:55:43.54 d アルミンに協力を要請された時は冗談じゃないと思ったが、エレンがこのおっかない大人を待ち続けてる間喧嘩をふっかけても張り合いがなかったことを思い出すと、勝手に頷いていたから全くあの死に急ぎは質が悪い。 リヴァイは、で? と顎をしゃくった。 「ここにエレンがいるわけじゃねえんだな」 「は、はい。これを渡すようにと」 半分震えながらもメモを渡すジャンからひったくるようにメモを受け取ったリヴァイがまたしてもチッと大きく舌打ちをする。 「……ここでてめえを締め上げればとっととエレンの場所を聞けるのか?」 「か、勘弁してください!! 俺も教えられてないんですよ!!」 「……そうか。分かった。巻き込んで悪かったな」 「い、いえ……」 そう言って背を向けたリヴァイに、ジャンは一気に身体の力を抜いた。 「くそ……」 ぐったりとしながらアルミンへと電話をかける。リヴァイの到着を知らせるためだ。 「おいアルミン、リヴァイさんやべえぞ、魔王みたいになっちまってる」 『あはは。さすがリヴァイさんだ』 「……お前な」 魔王のようだったと聞いて笑い飛ばせるこいつは一体何なんだ。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/307
308: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 20:55:47.79 d なんてことはない。アルミンはちょっとだけ怒っているだけだ。 『だってエレンがあんなに苦労して会いに行ったんだもの。リヴァイさんにだって頑張ってもらわなきゃ』 お前らはほんとエレンのことしか考えてねえな、とジャンは溜息を吐くと、天を仰いだ。 デパ地下でケーキでも買って帰ろう。 「……さて」 リヴァイは車に戻るとメモを開く。 『128,603+8,709,959=?』 思わずハンドルに突っ伏した。これはなかなかに難しい問題をふっかけてきたようだ。 「クソが……」 自分よりもかなり年下の人間にこうも振り回されるのは面白くないが、エレン絡みだと思えばやってしまうのがリヴァイである。 早くエレンに会いたい。 リヴァイは頭をフル回転させ、問題へと立ち向かった。 「驚きました。早かったですね」 かつてエレンが通っていて、リヴァイの出会った場所。春休みがもうすぐ終わるであろう高校の校門の前でリヴァイはアルミンを捕まえた。 「頭がかち割れそうだ」 不機嫌を隠そうとしないリヴァイに、アルミンは苦笑を零した。どんなに不機嫌で怖いオーラを纏っていてもリヴァイは理不尽に暴力を与える人間ではないことをエレンから聞いてちゃんと知っている。 だから少し困らせたところで怖くもなんともない。 「お付き合いいただいてすみません。でも、僕としてもエレンがあなたを待ち続けているのを傍で見てましたから」 「……それについては、お前らにも心配かけた。悪かった」 「いいえ、ご無事でよかったですし、お仕事なのも理解してますが結局行動をしたのはエレンからでした」 それなら、リヴァイさんもエレンの為に動かないと。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459925027/308
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