[過去ログ] 【腐女子カプ厨】巨雑6438【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (651レス)
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392: (スプッ Sd9f-G+K4) 2016/04/06(水)02:28 d AAS
 まだ寒さの残る新春の季節である。エレンの話をつまみに酒を飲み、ほろ酔いになりながら居酒屋を出た。
 いつもは話が弾みすぎて終電ギリギリに出る二人が、今日ばかりは早めに店を出た。
 居酒屋の前で「ごちそうさまでした」と笑顔でいい、駅の方向へ向かうエレンのコートの袖を引っ張った。
「うちにこないか?」
 リヴァイの問いかけに、エレンは顔を真赤にして小さく頷いた。
 リヴァイは初めてエレンを自宅に誘った。薄暗い住宅街を二人で手を繋いで歩く。
「まだ寒いですね」
「…そうだな。まだコートは手放せない」
 リヴァイのコートの袖口に、二人の手が潜り込んでいる。
 エレンは時々周囲を見回して誰もいないことを確認すると、嬉しそうに微笑んで、ぎゅうと強くリヴァイの手を握る。
 エレンの赤らんだ顔を見てリヴァイもまた強く手を握り返した。
 酔いを覚ますという方便で、二人は二駅分手を繋いだまま暗闇の中を歩いた。
 数十分の逢引に会話はなく、二人の間には繋げた手と同じような温かい沈黙が流れていた。
 リヴァイが家の鍵を取り出して、玄関のドアを開けるのをエレンはそわそわと落ち着きなく眺めていた。
「もう引き返せないが、いいか?」
「……だ、大丈夫、です!」
 エレンは真赤な顔をごまかすように、手の甲でぐしぐしと鼻先を拭い、そのように言う。
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