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【腐女子カプ厨】巨雑6438【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net (651レス)
【腐女子カプ厨】巨雑6438【なんでもあり】 [無断転載禁止]©2ch.net http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/
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474: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:01:00.56 d がばりと身を起こす。鼻と鼻が触れ合う距離でエレンはキッとリヴァイを睨んだ。ここだけは外せない。 「確かにSMだのなんだのはいきすぎでしたけど、でも、リヴァイさんはオレに何してもいいっていうのは本気なんです。遠慮なんてかけらもさせたくない。オレは経験不足でテクもないし、男だし、だけど、でも――オレだって男です」 アイスブルーを見据える。 「リヴァイさんを気持ちよくしてあげたい」 死ぬほど。 エレンの、それが今出来うる精一杯で最大の愛の渡し方なのだ。 このひとが運命だと思った。 しかし一目惚れは理屈の欠如であり、運命に保証書はなく、愛が変化するものならば、この恋はふと覚める夢のようなものであることを考えなければならなかった。 ならばエレンがどれほど焦がれようと、リヴァイが我に返ったように『これは勘違いだった』と言い出す日が来るかもしれない。 その時、エレンの体はそれを繋ぎ止めるくさびになる必要があった。 たといそこまで最悪なことにならなくとも、リヴァイが完全にエレンに満足することで、そうする可能性を限りなく減らすことが出来る。 なにもかも初めてのこの恋は、なにもかもが幸福で、だからこそとても恐ろしい。 なんでもするというエレンの覚悟を探るように見つめたリヴァイは、ひとつ息を吐くとエレンの腕を引いて起き上がった。 ベッドの上にぺたり座るエレンにシーツを巻いて、真正面にあぐらをかき顔の下半分を手のひらで抑える。 その表情にマイナス要素がないか注意深く見つめ、エレンはふと気づいた。あれっ。 よろこんでる? 「……遠慮、と言ったがな、エレン。俺はなにひとつ遠慮してない」 「嘘ですよね」 エレンは即答した。 「リヴァイさんのSEXは優しすぎるんです。不自然なくらいオレを気遣ってくれる」 「そういうプレイだからな」 エレンはまばたきした。窓の隙間から風がさしこみ、カーテンが揺れる。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/474
475: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:01:04.34 d 「え?」 「そういうプレイだからだ」 顎を撫でてリヴァイが続ける。 「負担をかけないようにだとか、そういうのも勿論あるが、優しいフリしたほうがお前の羞恥心を煽れるし、トロ顔だのイキ顔だのもじっくり見られる。 些細な表情の変化も見逃すつもりはねえし、お前、エレン、優しい言葉かけりゃあかなり恥ずかしいポーズだって言うこと聞くだろ。オレに得だ」 何故か偉そうに胸を張るリヴァイをエレンは呆然と見つめた。 開いた口が塞がらない。なんか、もしかしてもしかしなくとも。 (……お、オレ……もしかして、凄い勘違いをしてたんじゃ……) 「それを知っちまったお前は、今後更なる羞恥と屈辱に耐えるハメになるわけだ」 いい墓穴を掘ってくれた。満足そうにトドメを刺すリヴァイに、エレンはゆっくりと崩れ落ちた。 「あああああ……」 「なんでもするっていう言質もとったしな」 「あああああ!!」 とうとう絶叫するエレンである。 さんざん悩んだオレとか! 昨夜の覚悟とか! 亀甲縛りだとか全身タイツだとか、死ねオレ!! リヴァイはサイドテーブルから苺ミルクを取ると、一口飲んで顔をしかめた。 「甘え」 「ああああああああ」 「遠慮とか言ったがな。エレン、お前こそ俺にすべて差し出してはねえだろ」 「あ!?」 涙目で顔を上げるエレンにリヴァイはペットボトルを軽く振ってみせた。 「お前、苺ミルク好きだろ」 「えっ」 なぜそれを。言ったことはないのにと目をまるくすれば、リヴァイが得意げに目を細める。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/475
476: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:01:30.61 d 「苺ミルクが好きだが、興味無いフリをする。紅茶は砂糖を入れたい。コーヒーはカフェオレぐれえにしねえと飲めない。本当は淋しい癖に、なんでもないフリして実家に帰る。オレの前で大人ぶりたいんだ。違うか」 「あ……あぅぅ……」 口をぱくぱく開閉させる。違わない。大人なリヴァイの前で、ガキっぽいと思われたくなかったから少しだけ見栄を張っていた。 けれどまさか気づかれていたなんて。 「いいじゃねえか」 羞恥に丸まろうとするのを持ち上げられ、膝の上に乗せられる。 赤くなった顔を下から覗き込まれて、エレンは視線を彷徨わせた。 「遠慮したり、見栄張ったりすんのはカッコつけたいからだ。惚れた相手には特にな。俺だって同じだ」 「……リヴァイさんも?」 意外だと目を見張れば当たり前だと呆れたように返答される。 「お前は俺との違いを気に病んでるようだが、社会的地位だの、金だの力だのはな、誘蛾灯にはなってもお前が俺に惚れる要素にはなってくれん。 そもそもそんなもん、望めばこれからいくらでも手に入れられる筈だ。お前は根性がある」 やさしく頭を叩かれ、エレンは突如膨れ上がった喜びと誇らしさに声もなかった (そんな風に思っててくれたんだ……) 胸がいっぱいになる。その胸に、すとんと落ちてくるものがあった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/476
477: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:01:35.12 d 自分が本当に欲しかったものは、きっとこれだったのだ。追いつきたい。 認めて欲しい。 果てしないような広い差を、なんでもいいからどうにか埋めたかったのだ。 エレンはそっとリヴァイの首に腕をまわした。 「リヴァイさん」 「ん?」 「……リヴァイさん、テディベア好きでしょ」 リヴァイが固まった。 静止した青のなかにある驚愕の色を見下ろし、エレンはにんまりと笑った。 「テディベアとか、子猫とか、可愛いぬいぐるみ大好きですよね。隠してるけど、知ってるんですよ。オレ」 リヴァイがエレンに張っている見栄があるのなら、絶対にこれが入っている筈だと確信して笑う。 TVでテディベアが特集されていれば、PCや仕事の手は止まっているのに頑として見ようともしない。 だのに意識だけはそちらに一点集中している。 映像が終われば動き出す。リヴァイは本当は、とてもわかりやすいひとだ。 反応のないリヴァイの頬に手をあて、鼻の頭にちゅっとキスを落とす。 「リヴァイさん可愛いっ!」 「ってめえ!」 「あはははは!」 がばっと襲いかかるのを、ベッドの上で転がりながら逃げる。 すぐに捕まって抱きしめられて、くすぐられて、げらげら笑いながら暴れるともっと拘束がきつくなって、苦しくて、リヴァイが重くて、くすぐったくって、笑いが止まらない。 リヴァイががぶがぶと犬みたいにキスしてくるのだって楽しい。 リヴァイにぎゅうと思い切り抱きつけばくすぐりは止んで、乱暴なキスがほんのちょっと甘くなる。 そうしてキスを交わしていれば、やがてくすぐっていた手のひらがねっとりとエレンの背筋をなぞった。 「ん……」 腰の奥をじんわり揺らす感覚にエレンはそっと目を開けた。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/477
478: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:02:00.25 d 「リヴァイさん。あの、もうひとつだけ」 「まだ納得してねえのか」 「んんっ、いえ……納得はしました、ケド、やっぱもうちょっとテクニシャンにはなりたいです」 手を止めたリヴァイがエレンを覗き込む。そういや昨夜もそんなこと言ってたなという呟きに頷く。 「だってリヴァイさん、オレのフェラじゃイかないじゃないですか」 くちびるを尖らせてみせると、リヴァイはああ成程とエレンを抱き直した。 「射精だけが快楽じゃねえだろうが。オナニー覚えたての猿じゃあるめえし」 「お、大人の発言だ……」 性を覚えたての猿ことエレンはおののくのみである。しゃぶられるとすぐイってしまうのをどう思われているのか、怖くて聞けない。 リヴァイは楽しげに続けた。 「お前、食いちぎるつもりかってぐらいに必死にかぶりついてくるだろう。あの形相は悪くねえ」 「形相て」 「テクニックがどうのこうの言ってたが、そういう表情を視姦させてもらってるし、お前が裸でいるだけでさっきから犯したくて仕方ねえんだ。今はそれで充分だろうが」 あけすけな言いようにエレンは顔を赤くした。 (……なんか、リヴァイさん、ほんとにオレのこと好きなんだな) 空回りしたし全然噛み合ってなかったけれど、リヴァイの思っていることが聞けてよかった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/478
479: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:02:04.26 d 口も悪くてぶっきらぼうだけど、エレンの不安は台風の後のように一掃されていた。 いつか近い未来、エレンはまた不安になったり、勘違いしたり、暴走したりしてしまうんだろう。 リヴァイのことを好きでいる限り、幸せでいる限り、失うことを恐れずにはいられない。ただ…… 「リヴァイさん」 「ん?」 微笑んだエレンは、とびきりの内緒ごとを話すように囁いた。 「これから、何百回も、何万回も、オレとSEXしてくださいね」 リヴァイが瞠目する。エレンは喉の奥で笑った。 リヴァイがエレンとの未来を考えてくれているのならば、自分が迷ってちゃ駄目だ。 もしかしたらの不安なんてリヴァイが軽く蹴飛ばしてくれる。 なら、自分はひたすら一生懸命にリヴァイを愛せばそれでいい。 (それに何万回も抱かれたら、テクニックぐらいつくだろ!) 完璧だ。多分! 覚悟ととに拳を握り締め、リヴァイを見つめ――今度はエレンが瞠目する番だった。 リヴァイの目の色が変わっていた。 獲物を捕食する黒豹のような、狼のような、絶対王者のようにゆるり己の唇を舐めるリヴァイにエレンの本能がエマージェンシーを放つ。 硬直するエレンに、リヴァイはそっととのしかかった。 恐怖のような快楽のような痺れがエレンの背筋を這う。 「忠告はした筈だ」 「ひっ!?」 「言っただろう。優しさはただのギミックだと。昨夜から散々煽ってくれやがって」 頬、首筋、胸板。撫でられるところから震えが走る。 「仕方ねえよな。お前がここまで暴走するってことは、次のステージに移行するべき時期を俺が逃したからだ。違うか?」 「えっ……」 なんだ次のステージって。 全身タイツとか言い出した癖にわけもわからず思考停止していると、素早く抱え上げられ反射的に首に腕をまわす。 リヴァイはベッドから降りて歩き出した。 「え、ど、どこに……」 「風呂。隅々まで洗ってやる。抵抗したら縛る」 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/479
480: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:02:29.45 d どんな洗い方されんだ!? あわあわとエレンはうろたえた。 どうしようなんか虎の尾を踏んだ。いや、もしかしたら最初から踏んでいて、リヴァイの忍耐が切れただけだったのか。 未知への恐怖に本能が逃げたがるが、そもそもこれは最初からエレンが望んでいたことではなかったかと思うと体が動かない。 まだ朝なのに、これから何をされてしまうのか。 何を教えられてしまうのか。 怯えたままリヴァイにしがみつくままなエレンは、しかし脱衣所で鏡に映る自分の顔を見て唖然と口を開けた。 さぞや青ざめているのだろうと思った自分の顔が、はしたないくらい真っ赤だったのだ。 「降ろすぞ」 声とともに抱っこから降ろされる。ふんわりしたマットの上に降り立ったエレンは、浴室のドアを開けるリヴァイのシャツを掴んだ。振り向いたリヴァイが鋭く反応する。 「なんだ。反論は却下する」 「はい」 紅潮の冷めぬまま、エレンはリヴァイをしっかりと見据えた。なんにもわからなくたって、なにをされたって、覚悟はありますと伝わるように。 あなたが好きだって、伝えるように。 「望むところです」 そうしてエレンは、噛み付くようにくちづけた。 その後の二人を語る必要はあるまい。出会いの瞬間からフルスロットルで爆走しているバカップルにとって、エレンの一夜の暴走などその磐石になんの影響も及ぼさない。 ただ、リヴァイの部屋にエレンの実家の家具が運ばれ、冷蔵庫には苺ミルクが常備され、棚にはテディベアのぬいぐるみが置かれるようになった、ただそれだけのことである。 ちなみにこれはエレンの余談だが、後日我に返ったジャンにその後の経緯を尋ねられたので、「オレの存在自体がテクニシャンだから大丈夫だった」と答えたら「意味がわからない」とキレられた。 END(笑) http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/480
481: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:02:53.55 d リヴァイが二年と少しという長期に渡る出張から帰ってきたのはもう冬から春に季節が切り替わる時のことだった。 エレンの誕生日には間に合った、とリヴァイは内心胸を撫で下ろしている。 それでも前日というギリギリのところである。本当に間に合って良かった。間に合って良かった。 自分自身の誕生日から年末正月にかけて、エレンと二年ぶりの再会を果たし一緒に過ごした日々が既に懐かしくなっている。 その後のエレン不足からリヴァイの疲労はピークを通り越して砂漠である。 早急にエレンという名のオアシスを欲している。 だが空港にエレンの姿はない。仕方がなかった。 帰国日が最後まで曖昧であり、エレンに知らせることすらままならなかったのだ。 エレンには自宅のあるマンションで待っていて欲しいと伝えてある。 空港からタクシーをすっ飛ばして家に帰ろうと思っていたリヴァイに、思いがけないものが目に入った。 光に色を変え、宝石のように美しく輝く大きな瞳。 意思の強いそれが、目の前のリヴァイをじっと見ている。 舞い踊るような衣装がひらりと風に舞っているのがよくわかる。 差し出された手は、指が長くしなやかだ。 だがそれでも、リヴァイよりも手が小さいのをよく知っている。 空港の大きな柱。そこに貼られた大判のポスター。 その中にエレンがいた。 ようこそ!の英字版と共に。 その下に、おかえりなさいとなじみ深い言葉が書かれているのにうっかりときめきそうになる。 早く会いたいとは思ってはいたがそういうことじゃなかった。 リヴァイはポスターの下で立ち尽くしてしまった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/481
482: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:03:21.39 d とりあえずリヴァイはエレンにメッセージを送った。 『リヴァイさん! おかえりなさい!!』 「ああ、エレン。今すぐ会いてえすぐ帰るから」 『はい! お待ちしてますね』 その文字列が目の前のエレンとポスターのエレンの言葉が重なった。 リヴァイはタクシーの運転手をびびらせながらそれからすぐさま帰宅を果たした。 が、扉を壊す勢いで開けたリヴァイの前に仁王立ちしていたのは、かのエレンの幼馴染、ミカサ・アッカーマンであった。 リヴァイは扉を開けたまましばし固まった。エレンも出てくる様子がない。どこに行った俺のオアシス。 「……なんでてめえがここにいる?」 「悪いけど、あなたをすぐにエレンに会わせるわけにはいかない」 「ふざけんな、どういうことだ」 「二年もエレンを待たせておいた上に、エレンが会いにいかなければどうにもできなかったあなたが悪い」 それを言われてしまえばぐうの音も出ないが、リヴァイのエレン不足は深刻である。 普段ならそこまでイラつかないミカサの言葉だが、リヴァイの額には青筋を立った。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/482
483: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:03:25.04 d ポスターのことといい、エレンには聞きたいことも話したいこともしたいことも山ほどある。 「てめえが俺の家にいる理由にはならねえな。エレンはどうした」 「さきほど、アルミンとジャン達の車でとある場所に連れて行った。あなたにはエレンを探してもらう」 「……なんだと?」 「ヒントはこれ。私はあなたにこれを渡すためにエレンに許可をもらってここにいる」 恐らくは首謀者はアルミンだ。 エレンからリヴァイの帰国を聞いてからずっと考えていたのだろう。 つまりこれは、ささやかな意趣返しというわけだ。 完全に焦らされている気分だ。 ミカサから受け取った紙には、ヒントというよりも暗号が書かれている。 『30C730D130FC30C8306E5C4B4E0A99AC4E0A306B3066』 「……まためんどくさいもの作りやがって」 「エレンを悲しませた罰。せいぜい焦れるといい」 「荷物とここはお前に任せていいのか」 「……」 エレンからもそう言われていたらしいミカサがこくりと頷き、リヴァイは車の鍵と財布とスマートフォンだけを持って家を出た。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/483
484: 名無し草 (ブーイモ MM9f-Iq2g) [sage] 2016/04/06(水) 12:03:29.06 M ごはんの時間やで http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/484
485: 名無し草 (スプー Sd9f-FRpl) [sage] 2016/04/06(水) 12:04:32.14 d 明日はジョンの誕生日やで バレ来てもそっちに夢中にならんで覚えといてや http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/485
486: 名無し草 (ワッチョイ 53a2-G+K4) [sage] 2016/04/06(水) 12:05:50.14 0 そういや雪まつりもやったけど北海道進撃イベントあっててええなあ嘘予告ガチャおもしろそうやん スイパラの見たけど味はどうやろか北海道は食べ物おいしいイメージあるけどスイパラは普通かね http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/486
487: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:06:23.13 d 駐車場に寄り、自分の車を発進させる。 「……まあこれは単純なやつだな」 リヴァイはこの文字列を見てすぐにピンときた為、その場所へと車を向かわせた。 「お前か」 「うおっ」 ジャンはびくっと肩を跳ねさせて振り返る。不機嫌最高潮のリヴァイにビビり、思わず座っていたベンチから転げ落ちる。 びゅうびゅうと昼過ぎの風が吹き付けるデパートの屋上はまだ寒い。風邪をひいたらどうしてくれるのか。 だが、思いの外早いリヴァイの到着に風邪は回避できそうだ。精神的に死にそうだけども。 「は、早かったっすね……?」 「機械には強いほうだ」 「な、なるほど?」 ぶすっとしたリヴァイに、ジャンは内心でエレンを殴りつけたかったが、それもそれでこの人に殺されるだろう。 ついでにミカサに冷たくされるのも耐えられない。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/487
488: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:06:28.78 d アルミンに協力を要請された時は冗談じゃないと思ったが、エレンがこのおっかない大人を待ち続けてる間喧嘩をふっかけても張り合いがなかったことを思い出すと、勝手に頷いていたから全くあの死に急ぎは質が悪い。 リヴァイは、で? と顎をしゃくった。 「ここにエレンがいるわけじゃねえんだな」 「は、はい。これを渡すようにと」 半分震えながらもメモを渡すジャンからひったくるようにメモを受け取ったリヴァイがまたしてもチッと大きく舌打ちをする。 「……ここでてめえを締め上げればとっととエレンの場所を聞けるのか?」 「か、勘弁してください!! 俺も教えられてないんですよ!!」 「……そうか。分かった。巻き込んで悪かったな」 「い、いえ……」 そう言って背を向けたリヴァイに、ジャンは一気に身体の力を抜いた。 「くそ……」 ぐったりとしながらアルミンへと電話をかける。リヴァイの到着を知らせるためだ。 「おいアルミン、リヴァイさんやべえぞ、魔王みたいになっちまってる」 『あはは。さすがリヴァイさんだ』 「……お前な」 魔王のようだったと聞いて笑い飛ばせるこいつは一体何なんだ。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/488
489: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:06:54.16 d なんてことはない。アルミンはちょっとだけ怒っているだけだ。 『だってエレンがあんなに苦労して会いに行ったんだもの。リヴァイさんにだって頑張ってもらわなきゃ』 お前らはほんとエレンのことしか考えてねえな、とジャンは溜息を吐くと、天を仰いだ。 デパ地下でケーキでも買って帰ろう。 「……さて」 リヴァイは車に戻るとメモを開く。 『128,603+8,709,959=?』 思わずハンドルに突っ伏した。これはなかなかに難しい問題をふっかけてきたようだ。 「クソが……」 自分よりもかなり年下の人間にこうも振り回されるのは面白くないが、エレン絡みだと思えばやってしまうのがリヴァイである。 早くエレンに会いたい。 リヴァイは頭をフル回転させ、問題へと立ち向かった。 「驚きました。早かったですね」 かつてエレンが通っていて、リヴァイの出会った場所。春休みがもうすぐ終わるであろう高校の校門の前でリヴァイはアルミンを捕まえた。 「頭がかち割れそうだ」 不機嫌を隠そうとしないリヴァイに、アルミンは苦笑を零した。どんなに不機嫌で怖いオーラを纏っていてもリヴァイは理不尽に暴力を与える人間ではないことをエレンから聞いてちゃんと知っている。 だから少し困らせたところで怖くもなんともない。 「お付き合いいただいてすみません。でも、僕としてもエレンがあなたを待ち続けているのを傍で見てましたから」 「……それについては、お前らにも心配かけた。悪かった」 「いいえ、ご無事でよかったですし、お仕事なのも理解してますが結局行動をしたのはエレンからでした」 それなら、リヴァイさんもエレンの為に動かないと。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/489
490: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:06:57.89 d ことりと可愛らしく首を傾けたアルミンに、リヴァイはただ溜息を吐くだけだった。 「お疲れのところすみません。実は実行するときにエレンにもちょっと怒られたんですよ。でもエレンも勝手に旅に出たのを悪いと思っているみたいで僕たちを邪険にできない。だからエレンもあなたに会いたいのを堪えて付き合ってくれてるんです」 怒らないであげてくださいね、と言われてリヴァイは少し目を細めただけだった。 怒りはしないが、少しだけベッドの上で啼かせてしまう可能性は大いにある。 「これで最後です。エレンを迎えに行ってください」 最後に渡されたメモは何の変哲もないただの地図だった。 ふわりと、リヴァイの鼻を春の温かな香りが掠めていった。 エレン、エレン。お前は一人でそこで待っているのか。何年も待たせて、会いに来させて、あんな風に寂しかったと泣かせて。 それでも愛してると言ってくれた。 リヴァイの足は自然と早くなる。春の空気は熱を上げるリヴァイの体温にじっとりと汗を滲ませた。 あの熱帯のような鋭い日差しではない。木を掻き分けて進むわけでもない。 だけど、エレンまでひどく遠く感じた。 それよりも遠い距離を、エレンは飛んできてくれたのだ。 ならば、今度は自分が、飛んでいこう。 エレンはアルミンに言われた場所でぼうっとベンチに座っていた。 人気はない。結構な穴場なのだここは。 ひらりひらりとすぐ傍で色の薄い花びらが舞い散っている。 少しだけ早い満開を迎えるこの桜があるこの高校の裏山の展望台は、エレンとリヴァイの思い出の場所だった。 あの日もこんな桜吹雪の中だった。 学校を去るリヴァイを呼び出して、泣きながら、縋りながら告白をした。 リヴァイは泣くエレンの背を抱き締めてその想いに応えてくれた。 最初から目を奪われ、初めての感情に振り回され、それでもリヴァイの優しさに諦められなくて。 想いに応えたリヴァイもまた、最初からエレンを傍におきたいと思っていたらしい。 だからやたらと用事を言いつけられたり補修に付き合ってくれたりしたのか。 理由など分からない。 ただ、こいつは俺のものだと思った。 そう好きな人に言われてときめくしかなかったエレンは、そこまで思い出して顔を赤くした。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/490
491: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:07:23.50 d かつかつかつ、と磨き抜かれた革靴が階段のコンクリートを駆け上がってくる音を聞いて、思わず立ち上がった。 「エレン!!!」 「リヴァイさん!!!」 息を乱し、空港からそのままあちこち駆けまわって来てくれたリヴァイにエレンも駆け寄って、桜吹雪の中強く抱き締め合った。 「お前な……ほんと、お前らな……」 「すみません……お疲れなのに、こんなことになっちまって」 「いやいい……とにかくお前に会いたかった。エレン、ただいま」 ただいま、という言葉にエレンは瞳を潤ませた。待っていた、その言葉を。ずっと待っていた。 「………おかえりなさい……!!」 「もう長期の出張はこりごりだ」 「エルヴィンさんからも今回のことについては謝罪がきました。でもお仕事ですし、仕方ないですよ」 「ふざけんな俺が耐えられねえ。もう二度とごめんだ」 ぎゅううと強く抱き締めてエレンの肩に顔を埋め、リヴァイはようやく帰ってきたと感じることができた。 オアシス最高。 「で、エレン」 「はい?」 「色々あるが、とりあえず聞きたいことがある」 あのポスターのことだ。 独占欲がそこそこあるリヴァイにとって、エレンを見せびらかしているあのポスターにこの先不安しかない。 いや、被写体がいいためポスター自体はとてもいい出来だ。 飾っておきたいくらいには。 「あ、あれですか……その、大学のサークルのやつにどうしてもって頼まれて……一度だけ撮ったんです」 事の発端は空港でのこの国くる外国人向けのポスターの募集だった。 それにエレンの通う大学の写真サークルが乗っかり、モデルを探していたところエレンに白羽の矢が立ったらしい。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/491
492: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:07:27.44 d 「ほんとに一度だけって約束で……、まさか採用されるなんて思ってなかったんですが……」 「お前が妙な奴に絡まれないか心配だ」 「大げさですね……」 「ふざけんな絶対寄ってくる」 エレンは苦笑するばかりだが、リヴァイの心配は尽きないだろう。 「なんせ写真の出来はすごく良かったからな」 「あ、確かに自分でも自分じゃないみたいで、なんか不思議でした」 「なあ、何を考えて写真を撮ったんだ」 「……っ」 言葉に詰まるエレンの腰を更に引き寄せる。 ごうと風が吹いて、桜が降り注ぐ中、キスを交わす。 「あなたに、」 むせかえるような花の香り。 白く霞む背景の中、それこそ桜色の頬をしたエレンが息も絶え絶えに告げる。 「おかえりなさいと言える、その日を思って」 それはまさしく今日のことだった。 だが、リヴァイが見たエレンの表情はあのポスターとは全然違う。 それはリヴァイしか知らない、エレンの表情である。誰にも教えてやるものか。 あとリヴァイさんがいつ突然帰ってきても一番最初におかえりなさいとポスターでもいいから言えたらいいなと思ってと言われたリヴァイはエレンを抱き上げて桜吹雪と同じように踊りそうになるのを必死に堪えて、抱き上げたまま車へとダッシュした。 どうしてやろうかこいつ。 END(笑) http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/492
493: 名無し草 (スプッ Sd9f-G+K4) [] 2016/04/06(水) 12:07:52.67 d 十八歳の誕生日に恋人ができた。 相手は近所に住む母親の従弟で、リヴァイという。 エレンより十五歳年上の彼は、外資系の会社に勤めていて、月の半分くらいは出張で家を空けている。 そんな彼を小さな頃から大好きで、逆を言えばリヴァイしか好きじゃなかった。 物心ついた頃から、リヴァイの膝は自分のもので、両親が苦笑するくらいだった。 当時は学生だった彼も、エレンが小学生の頃に社会人になり、会える機会がぐんと減った。 「しょうがないでしょ。リヴァイ君だって、いつまでもエレンのお守りだけをしてる訳にはいかないんだから」 しょぼくれて膝を抱えて座っているエレンに、母親が呆れたように腰に手を当てて溜め息をついた。 「だって、リヴァイさん、今度プラネタリウム連れてってくれるって言った。野球も一緒に観に行ってくれるって……」 あれもこれも、みんなエレンがねだったことだ。 ぐちぐちとしている息子に、業を煮やした母親が喝を入れる。 「あー、うっとおしいね! 少しはお日様に当たって遊んでおいで!」 猫の子のように首根っこをつままれて、外へ放り出された。 家のすぐ傍は公園で、誰かしらがいつも遊んでいる。 顔を出せば、野球かドッヂボールに誘ってもらえるだろう。 幼馴染みのアルミンが新しい図鑑を持ってきて一緒に見ようと言ってくれるかもしれない。 しかし、今は公園でみんなと遊ぶ気はまったくなかった。 http://shiba.5ch.net/test/read.cgi/nanmin/1459819775/493
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