[過去ログ] 都筑道夫PART2 (908レス)
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406: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/05/02 15:02 AAS
>そのロジックを扱うべき名探偵の復活
この実践が退職刑事シリーズ。
当シリーズに関しては、スレ前半の私の論考を参考にすること。
411: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/05/03 11:23 AAS
「猫の舌に釘を打て」は、昭和30年代の東京風景がビビッドに描かれたグルーミンな
都筑風青春小説にもなっている。
長編における都筑氏の本領は「七十五羽の烏」や「最長不当距離」といった怪奇探偵小説
よりも、こういった都市を舞台にしたミステリにあったようだ。
東京生まれということで期待された捕物帳は、奇を衒った展開が多く、
芳しくない出来に終わった感があるが、
(岡本綺堂とは生まれた時代が異なるし、「江戸の空気」の紙上での再現と言うても無理か)
現代の東京を舞台にした安楽椅子探偵版現代捕物帳とも称すべき退職刑事シリーズ
(退職氏は生粋の江戸っ子という設定)は、晩年にライフワークとするには最適なもので
あったかに思う。
省3
422: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/05/12 20:01 AAS
ちくまの次は「黒い招き猫」かな
440(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/06/18 23:17 ID:j22Gb4w5(1) AAS
ホテル・ディック・シリーズを一気読み。というかチェック。
元は名うてスリの大友六助、黒人のドアマンでブルートこと太田金太郎、
ロビーの仙人こと新井老人、マジシャンのエド・バルーン・バイク、
古道具屋「一寸八分」主人の比田井老人等々、個性的なキャラが目白押しだが、
同時代(執筆当時)の浅草風物を描くという意図とホテル・ディックというシリーズ
の趣旨を生かすため物語をホテルの内部に限定しなければならないという必然的な
制約がミスマッチとなり、多彩なキャラを生かしきれずに終了した。
各話ごとに見ても謎解きミステリとしての強い興趣をそそるものがなく、
ハードボイルドとして読んでも中途半端な展開である。
シリアスな設定と軽いタッチ、過剰なエロ等のバランスが悪い。
省1
445(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/06/19 19:52 ID:pZ7rqFrd(1) AAS
風俗嬢が主人公ということもあって、2ちゃんでは人気があるシルビア・シリーズだが、
ホテル・ディック・シリーズへの橋渡しをなすより軽めの作品という感がある。
(こういった主旨は、作者もディック・シリーズのあとがきで記している)
作者の晩年のライフワークとなった退職刑事シリーズの詳細な論考に関しては、
このスレ前半の私のレスを参照されたし。
退職刑事シリーズは、典型的な安楽椅子探偵もの(一部例外をなす作品もあることはあるが)
であり、従って、舞台は退職氏の推理の場となる室内(多くは現職刑事である息子夫婦が住む団地の一室)に限定され、ホテル内をひとつの社会に見立てたホテル・ディック・シリーズ
以上に動きが無い作品である。
作品の趣旨からいって仕方無い面もあるが、この辺に読者の嗜好により好き嫌いが出るところかと思う。
退職刑事シリーズを作者の代表作と認めることにやぶさかではないが、、
省4
448: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/06/23 21:22 ID:mfNkgqL/(1) AAS
安楽椅子探偵ものに興味があるのなら、
ジェイムズ・ヤッフェの「ママは何でも知っている」(ポケミス)は必読。
物語やトリックに無理な展開が多い(特に後期)退職刑事シリーズの不満が
解消されることと思う。今だに文庫化されないのが「ミステリ」だ。
520(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/10/20 20:09 ID:2GzOT7I5(1) AAS
贋作「退職刑事」 評価B
原典を巧く模写しているが、ストーリーに凝り過ぎていささか煩雑になった感がある。
原典は光文社文庫のセレクションに収録された「真冬のビキニ」に典型的見られるように、
シンプルな設定と合理的な謎解きが特色でありもっと読み易いのだ。
*作者が作者だけに期待していたのだが、やはり似非は似非だった。
563(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 04/12/31 15:57 ID:jWOw9a/6(1) AAS
昨年暮れに、ねつてつが立て逃げ状態にしたこのスレも低調なまま1年を越えた。
光文社文庫の選集も一段落し、今後は都筑作品もじょじょに忘れられてゆく経過を
辿ることになろうかと思う。
しかしその「精神」は後続となるべき作家に引き継がれたように思う。
このミス1位、文春2位と高評価を受けた法月綸太郎「生首に聞いてみろ」は、
そのタイトルのもじりにとどまらず、構成・内容面も、ヨコセイでもなく、
鮎でもなく、物部三部作想起させる作である。
ミッチーの精神は現代作家の中に生きているのだ。
サヨウナラ、ミッチー、そして哀愁の2004年よ。
心して読め!
565: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 05/01/01 17:50 ID:uGicSQtx(1) AAS
木彬光のような感じで忘れられてゆくのかな。
彼氏もメジャーな文庫は光文社が最後だったと思う。
3〜4年のスパンで見守ってゆきましょう。
都筑氏(以下「ミッチー」と略す)の場合は選集に過ぎず、
収録点数が少ないというのも苦しい。
ちくま文庫の方は、新刊以外は在庫していない書店もあるし、
早くも店頭在庫から消えて行っているな。
少しでも食指が動く都筑作品があったら、今のうちにゲットしておく方がいい。
590: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 05/02/26 15:03 ID:T+IGqvk2(1) AAS
心して読め!
160 :書斎魔神 ◆qGkOQLdVas :05/02/26 15:00:01 ID:T+IGqvk2
都筑道夫「神州魔法陣」を読む。
正直な感想、「つまらん」の一言に尽きる。
この手のものを書かせたら、やはり山田風太郎(以下「ぷうたろう」と略す)
には遠く及ばない。
78年に桃源社より刊行、81年の富士見時代小説文庫収録以来、
再刊されていないのも、「なるほどしかり」とうなずける拙い出来である。
捕物帖仕立ての第一部(八百八町しのび独楽)、
道中記仕立ての第二部(五十三次しのび独楽)に分れており、
省15
600(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas ミステリー暦165年,2005/04/02(土) 15:07:08 ID:iJfka87A(1) AAS
器用貧乏という形容がズバリ当てはまる作家でしょ。
本格、ハードボイルド、怪談、SS、SF、時代もの、翻訳、評論・エッセイ等々
一応なんでも平均点以上で書けるが、決め手を欠き大傑作というものは無い。
どのジャンルを見ても、常にニ番手以下で第一人者と言い得るものは無い。
後2年くらいで、この人の後世における評価が決まって来ると予想される。
603: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas ミステリー暦165年,2005/04/02(土) 19:36:08 ID:CECzaw45(1) AAS
>>601は前スレやこのスレの前半にある俺の論考を未読のDQNと推理してみたw
607: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/03(日)15:21 ID:KRoUAeJa(1) AAS
都筑氏(以下「ミッチー」と略す)自身が、ミステリ界のトップランナーとは思って
いなかったであろう。
時代小説というジャンルだけ見ても、捕物帳まがい(「もどき」もあるが(w )から
伝奇小説までと、出来栄えは別としても、これだけ多様性に富んだ作を書くことが出来た
だけでもたいしたものである。本人もこれで十分に納得していたであろうかと思う。
心残りがあるとすれば、作者自身の故郷であり、少年時代から生の空気を知る
昭和の東京を十分に書き込むシリーズを持ち得なかったことであろう。
長編「猫の舌に釘をうて」等を読むと、ミッチーが描く街中に都電が走っていた昭和30年代のグルーミーな東京像は独自の魅力に溢れている。
なめくじ長屋シリーズは時代がマッチせず、安楽椅子探偵である退職刑事や
ホテル・ディック等では、そのキャラ設定の制約ゆえ東京の街を徘徊させるわけには
省1
615(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/04(月)22:40 ID:EidxGjeB(1) AAS
>>613
>どこかのサイトからのコピペを自分の意見として書き込む
具体例を挙げてみろ。
出来なければ、お前はスレ荒らしと断定する。
せっかくのミッチーのスレに、コテハン叩き目的の荒らしや
608のような他人の褌(=論考)でしか相撲がとれない奴がいるのは
とても残念だ。
ミステリ板でミッチー再評価の道標を築いたのは今は亡きねつてつだが、
彼を失ってからミステリ板も廚の跋扈を許すことが多くなったかに思う。
引き続き東京徘徊にふさわしいミッチー作品のキャラを探してみたが、
省4
632(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/05(火)21:01 ID:yUA6No03(1) AAS
今頃、名探偵論争などと言っている時点でズレてしまっていると言い得る(w
ミッチーが書きたかったであろう東京探偵談、現役作家の作品キャラで言えば、
法月綸太郎のような探偵役がベストかと思う。
ところで「生首に聞いてみろ」効果で「なめくじに聞いてみろ」が復刊されるかと
期待したのだが、完全スルーされてしまった。
パズラー都筑、既に忘れられつつあるのか。
筆者は、結城昌治作品と同時期にミッチー作品も読み耽ったものである。
既に共に故人となってしまったが、両者の作には暗い人間観という点で
共通したテーストがあったように思う。
結城氏も多彩な作品を書く人だったが、ミッチーは怪談、SF、伝奇等、
省17
641(2): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/06(水)21:53 ID:t+nC/OmO(1) AAS
>>635
馬鹿か、お前は(w
さてはっきりとさせておくが、
俺は「死体を無事に消すまで」「黄色い部屋はいかに改装されたか?」等は
新刊ハードカバーで読んでいる。
当時はこういった著作が新刊で平積みになるような時代であった。
新潮文庫のエッセイ集「昨日のツヅキです」も新刊で読んでいる。
しかし、このスレにはミッチー作品初心者も多いと思うが、
作家を語る場合には、まず作品を読むことが基本である。
この点は、各人十二分に心しておけ。
省9
648: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/07(木)22:00 ID:bPlOGE2n(1) AAS
確かにノリリンはミッチーの後継作家の一人であり、愛読者でもあったようだが、
その作風(作品の根底に流れる人間観も含めて)は、むしろ結城昌治に近いものがある。
例えば、ハードボイルド作品を見ても、昌治とノリリンの志向が明らかにロスマクにある
のに対して、ミッチーはカーター・ブラウン等の軽ハードボイルド路線志向だ。
662(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/08(金)21:53 ID:LzC5GD7Z(1) AAS
ミッチーの作品を読んでいて気付くのは、意図と装飾のミスマッチといったものである。
例えば、クイーン風のミステリを意図しながらも、物部三部作は怪談絡みの怪奇探偵小説という装飾を施している。真にクイーン的作品を目指すのであれば、舞台は都会としない
までも超自然現象や因習等の怪奇的な要素は排除し、純粋なパズル小説という構成に
徹するべきであった。
また、ホテルディックシリーズには、ブルーフィルムも絡んだ父娘相姦ネタのエピが
あるが、軽ハードボイルド志向の舞台とキャラである同シリーズには、極めてミスマッチ
な素材と言い得るものであった。
665: 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/08(金)23:39 ID:PrNomQD/(1) AAS
ミステリ板とはいえ、もともと都筑道夫の読者そのものが少ない。
666(1): 書斎魔神 ◆qGkOQLdVas 2005/04/09(土)14:13 ID:nhQXfN9H(1) AAS
またしてもミッチー作品の欠点をズバリ指摘してしまうことになるが、
長期に渡ったシリーズにおいてメーンテーマを維持出来ずに
変質させてしまっているという点が挙げられる。
これは、なめくじ長屋捕物騒ぎシリーズの光文社文庫第1巻「ちみどろ砂絵」
(又は入手可能であれば中公文庫の初期傑作集)と最終巻となった「さかしま砂絵」、
創元推理文庫の退職刑事の1と5を、それぞれ読み比べてみれば自明である。
いずれも登場キャラ等は同一でありながら、作品内容はこれがシリーズ作品かと
思うほどの変質ぶりである。
前者は、「半七捕物帳」のような江戸風物詩の再現を意図してスタートしながらも、
後期に到っては奇想小説まがいの作に変貌してしまっている。
省7
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