[過去ログ] 浜田省吾 ON THE ROAD Part159 [無断転載禁止]©2ch.net (1002レス)
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84: 2016/06/15(水)22:14 ID:3XLT1ZPQ(3/3) AAS
五木寛之さん「艶歌」の存在感
では、具体的にどういう流れで、ジャンルとしての「演歌」は誕生したのか。カギを握るのは、作家の五木寛之さんです。
「創られた『日本の心』神話 『演歌』をめぐる戦後大衆音楽史」の著者で、
大衆音楽史に詳しい大阪大学の輪島裕介准教授は、五木さんが66年に発表した小説「艶歌」に着目します。
作品は、演歌のヒットに心血を注ぐ音楽ディレクターを描いた物語です。
そこで「庶民の口に出せない怨念悲傷を、艶なる詩曲に転じて歌う」のが艶歌だとし、
「艶歌を無視した地点に、日本人のナショナル・ソングは成立しない」「独りぼっちで生きてる人間が、あの歌を必要としている」
などと登場人物に語らせています。
文化をリビジョンさせた
輪島准教授は言います。「五木さんは、雑多な流行歌の中から、田端義夫や春日八郎、こまどり姉妹のような、
特に曲に哀調を帯び、『貧しさ』や『不幸』を強調して歌う流行歌の固まりを抽出して、『艶歌』とカテゴライズし直した。
そして、『そこに日本人のアイデンティティーがある』『これが日本の庶民の魂だ』と位置付け、
高度経済成長を是とする体制側の価値観に反発する姿勢をとりました」
社会の都市化、近代化に伴い、「恥ずべきもの/捨てさるべきもの/克服すべきもの」として否定的にとらえられていた性質に
「庶民の情念」といった新たな価値観を付与し、文化をリビジョン(改訂)させたというわけです。
作品から3年後。五木さんの理念を体現するかのような歌手藤圭子さんがデビュー。そのすごみのある歌声で人気を博します。
演歌がロックと似ている?
この変容の過程は、ほぼ同時代に生まれたロックのそれと酷似しています。
「娯楽的なポップミュージックとしてのロックンロールは、大学生が中心となった民謡復興運動に由来するフォークのプロテスト性と
結びついたり、1920から40年代に流行したアメリカ黒人音楽であるブルースを『抑圧された人々の魂の叫び』と読み替えて
象徴的な基盤にしたりして、『シリアスな自己表現としてのロック』に変容しました」
「それは、過去の流行歌の諸特徴から、とりわけ『アウトロー』『重い情念』みたいな性質を強調する演歌に変容した過程と、似ていますね。
あの時代、演歌のような現象が世界で同時的に起こっていたと言えるかもしれません」(輪島准教授)
ロックのように、アウトローな存在として登場した演歌ですが、
その後、「伝統」「日本の心」といった側面をまとっていきます。輪島准教授は続けます。
「五木さんの理念は、70年代以降、レコード会社やメディアによって『日本の心を歌う伝統音楽』という意味に変化し
『演歌』と表記されて広がりました。そこには、『日本を再発見』という意味合いで、
国鉄(現JR)が行ったキャンペーン『ディスカバージャパン』のような運動も一役買ったと言えるでしょう」
その後、五木ひろしさんや八代亜紀さん、石川さゆりさんらスターが次々と誕生します。
さらに、ぴんから兄弟のように、過剰に小節を利かせ、保守的すぎる女心を歌う音楽的特徴も生まれ、
『伝統音楽』としての演歌のイメージも強化されていったのです。
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