百合・レズ創作総合スレ (131レス)
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31: 2010/10/20(水)22:54 ID:QvW+ls3Y(1) AAS
 正門を入ると眼に飛び込んだのは美貴先輩とあの娘の姿だった。

「なんかむかつく」

 朝っぱらから美貴先輩に色目使いやがってあんにゃろ。か弱い少女演じて先輩の同情を誘ってるんだ。あざといんだよまったく……しょうがない。

「美貴せーんぱい!」
「あ、舞」

 先輩の右腕を奪い強引にあの娘から引き離す。少し後ろで俯きため息を吐くあの娘。ふふふ。そうそう、それでいいの。
省11
32: 2010/10/23(土)12:56 ID:1nQoCgdC(1) AAS
いい三角関係だな
33: 1/2 2010/11/11(木)22:54 ID:tyAuLFaJ(1/2) AAS
「暑い……」

 夏休みの宿題がちっともはかどらない。さっきまで氷が浮いてたコップももう汗でびっしょりだ。再び水を入れてこようと立ち上がった瞬間。大きな音。窓の外に目をやると遠くに花火が上がっていた。

「そっか、今日お祭りなんだ……」

 私はしばらく眺めていた。眺めているうちに何かが花火の合間の闇にゆらゆらと浮かび上がってきた。それは古い記憶だった。くすぐったい思い出。だけど、大切な思い出。初めての美貴との出会い。

 あれは確か小学校二年の夏祭り。その時私は母親と一緒に来ていたのだが初めての祭りに浮かれてしまった私はつい母親の側を離れ夜店の一つの、ひよこ売りのひよこに心を奪われてしまった。しばらくして気付いた時にはもう遅く辺りに母親の姿は見当たらなくなっていた。
省3
34: 2/2 2010/11/11(木)22:59 ID:tyAuLFaJ(2/2) AAS
「どうしたの?」
「おかあさん……が、おか…さんが」
「まいごになったの?」
「……う、うん」
「いっしょだね」
「……え?」
「あたしもまいごなんだよ」
「……なんでそんなにへーきなの?」
「うーん、ないてもしょうがないしね、なんとかなるよ。これあげるからなかないで。いっしょにおかあさんさがそ?」

 そう言って綿飴を私にあげると、もう片方の手を取って一緒に母親を探してくれた。美貴の手は優しくて。それまでの心細さはすっかりなくなっていた。同時に別の感情が胸を高鳴らせた。
省9
35
(1): 2010/11/12(金)04:55 ID:BbNjxlAu(1) AAS
投下乙です!

あれ、2/2ってことはこれで終わりかな?
もうちょい続いて欲しいなー…なんて思ったり

こういう雰囲気は大好きです。また書いて下さいな♪

(あ、このスレはジャンルがジャンルだからsage進行でいいんですよね?)
36: [age] 2010/11/12(金)19:03 ID:9JO/ev9H(1) AAS
陰唇ディープキス
37: 2010/11/12(金)23:20 ID:h4H07A8c(1) AAS
>>35

感想有難うございます。なんか自分ばっか書いて気が引けますが、また書きます

他の方の作品も読んでみたいですね
38: アウトキャスト 2010/11/13(土)05:56 ID:CZbsZeCd(1/3) AAS
デッデ〜デッデ、デッデデッデ♪ブルームーン♪………

砂埃にまみれた木製のラジオからシナトラの歌が流れていた。
荒野の風と共にその音色が響き渡る中、ボロボロのドル札が何枚にも重ねられ、まるでゴミ山のように積み上がった光景が辺り一面に広がっている。ゴミの山に何人もの人間が倒れ込んでいた。
だがそれは、倒れていたのではなく、たくさんの数えきれない人間の死体が転がっている悪夢の光景そのものだった。

山の向こう側にそれを見据える影が一つ…
全身を強化アーマーとマスクで固めた人物は首をゆっくりと左右に動かしなた後、こちらに振り向いた。

ニューベガスの明かりはいつまでもやむことはなかった。
39: アウトキャスト 2010/11/13(土)06:17 ID:CZbsZeCd(2/3) AAS
人は過ちを繰り返す…

戦争はいつもかわらない。人類がこの世に生をうけ、文明をきずいて来た頃から人は争い、憎しみ合って来た。
戦争はその時代と共に形を変えた。あるときは木のヤリで、あるときは剣、またあるときは銃。
そして、核…。
2077年…人類は最後の戦いの歴史を迎える事になる。資源不足の問題により二つの大国がぶつかった。そして、大国達による核戦争が勃発。
世界はたった二時間で核の廃がふりそそぐ不毛の大地へと変わり果ててしまった。
あれから200年余り…。
人類の生き残りは旧世界の文明を捨て、不条理と暴虐がまかりとおる暗黒の時代を生きていた。
40: アウトキャスト 2010/11/13(土)06:35 ID:CZbsZeCd(3/3) AAS
核戦争で強大な被害をうけたワシントンDCは「キャピタルウェイストランド」と名をかえ、その不毛の大地とわずかな住民達がくらす、巨大なコミュニティエリアになっていた。
アウトキャストはその住人達の中でも極めて異質な存在だ。
大戦前のハイテク兵器を回収し人類の復興に役立てようと行動している特殊兵団、ブラザーフッドオブスティールから派生した彼らは、東の“穏健“過ぎるブラザーフットに痺れをきらし組織を捨て、ブラザーフッド本来のハイテク機器収集のみを目的とした団体なのである。
ディフェンダーの一人であるアンネ・マリー・モーガンも、そんな彼らの思想に感化され、彼らの仲間になった一人だ。
41: 1/2 2010/11/18(木)22:25 ID:8NkCE8an(1/2) AAS
「美貴、おれと一緒じゃつまんない?」
 突然振り向いた涼が呟いた。
「え、なんで?全然そんなことないよ」
「なんかずっと上の空だし……」
「あたし人混み苦手なんだ」
「なんだよそれ、じゃあ祭りって最悪じゃん」
「でも綿飴は好き」
「……じゃあ綿飴買ってくるからあそこで待ってて」
「うん」
省4
42: 2/2 2010/11/18(木)22:36 ID:8NkCE8an(2/2) AAS
 初めて結衣を見つけたとき胸が苦しくなった。それはただ単に可哀想というだけでなく、守ってあげたいって気持ちと、たまらなく可愛いって気持ちが混ざり合った変な感情だった。
今思えば母親を探してあげるといって手を握ったのは口実だったのかもしれない。平静を装ったのは結衣を不安がらせないためにというのもあったが同時に新たに湧き上がった感情を悟られないためだったような気もする。
上手く説明出来ないけど凄く胸が苦しくて……そう、それはまるで……。

 突然轟く大きな太鼓のような音、振動。見上げるとそこには桃色に輝く大輪の花。瞬間あの時の空気が映像が匂いが再生される。隣りで空を見上げる結衣。色とりどりの花火に目を輝かせ見入るその横顔に私は、私は多分………。

 恋をしていたのかもしれない……。

「……結衣今何してるかな……」

 あの時強く握った結衣の小さな手、その感触を思い出しながら私はいつまでも花火を見つめていた。
43: 2010/11/20(土)18:23 ID:Wa87Hm0N(1) AAS
投下乙です!
二人のなんともいえない思いが良いなー
またの投下を楽しみにしてるよ
44: 神聖領域の物語―Sacrifice― 2010/11/20(土)20:37 ID:HWQBCQSO(1/10) AAS
これから 8レス投下します

・ファンタジー?
・少女×少女
・ちょい暗め展開

という感じなので、そういうのでも平気だぜ!って、方はどうぞー
45: 神聖領域の物語―Sacrifice― 1/8 2010/11/20(土)20:39 ID:HWQBCQSO(2/10) AAS
彼女は自らの名を呼ぶ私の声に、長い黒髪をふわりとなびかせながら、振り向いた。
腰まで届く位に長く真っ直ぐな黒髪と、藍色の瞳が印象的なその少女―アーシェは、荘厳な雰囲気
を帯びたこの神殿の祭壇の前で、たった一人で、祈りを捧げていたところだった。

それでも彼女は祈りを遮るように、声をかけた私のことを咎めることもなく、いつもと変わらない様子
で、アーシェは私に向かって微笑みかけてくれた。

私は聖なる乙女候補者の証である飾り気の無い真っ白なドレスを身に纏って、こちらに微笑みかけて
くれていた彼女のことを本当にきれいだと―ただ、そう思っていた。
そして、その場所でそのまま立ちつくすようにして彼女の方を見ていた。
46: 神聖領域の物語―Sacrifice― 2/8 2010/11/20(土)20:40 ID:HWQBCQSO(3/10) AAS
「……ミーシャ、どうしたの?」

アーシェは言葉を無くしたかのように、その場で立ち止ったままの私を見つめながら、いつものように優
しい声で、そう声をかけてくれた。
私は、彼女の声にふいに思い出したように、彼女へと要件を告げる。

「アーシェ、これから、ここに、ソフィア様がお越しになるって」
「そっか、それじゃあ、ここからは退かなくてはならないね」

祭壇の前に膝をついていた彼女は、そう言うと、その場から立ち上がった。
そして、私の傍へと来ると、そのまま、軽く私の手を引いた。

「ミーシャ、行こう」
「あ、うん」
省2
47: 神聖領域の物語―Sacrifice― 3/8 2010/11/20(土)20:42 ID:HWQBCQSO(4/10) AAS
神殿の外には、回廊が張り廻らされていて、そこには神殿の中とは異なり、硝子には遮られていな
い、屋外ならではの陽の光が差し込んでいる。
神殿の外へと急に出た私達には、その陽の光は、一瞬だけれども、とても眩しいものに感じられた。

私とアーシェは、暖かな午後の光の差し込む回廊を抜け、回廊の間にある小さな中庭を通り過ぎる
と、この聖殿の更に奥の方にある庭園の方へと向かった。
聖殿の本殿よりも更に奥へと向かうことになる、この庭園側へと歩いていけば、後でお越しになるソフ
ィア様とかち合うことも無いからだ。
48: 神聖領域の物語―Sacrifice― 4/8 2010/11/20(土)20:43 ID:HWQBCQSO(5/10) AAS
そう、ここは、私達、聖乙女とその候補となっている少女達のみが立ち入ることができるという決まりご
とを原則とした領域−聖殿と呼ばれる宮殿のように巨大な建物−聖殿の本殿−を中心として拡がる
広大な神聖領域の一角だ。
私達は、今、この場所で、聖乙女候補としての生活を送っている。

先程、私がその御名を口にしたソフィア様は、私達より1つ年上の真っ直ぐな長いプラチナブロンドと
菫色の瞳が美しい、つい先頃、新たに聖乙女としての任に就かれるようになったばかりの御方だ。
聖乙女が祈りに集中できるよう、聖乙女候補者の一人ひとりが、その自覚をもって、聖乙女に十分
な敬意を払うという、この聖殿内で最も優先すべき決まりごとの一つに従って、私達は、早々に神殿
を後にしていた。

それに、私はこのソフィア様がとても苦手だった。
省5
49: 神聖領域の物語―Sacrifice― 5/8 2010/11/20(土)20:45 ID:HWQBCQSO(6/10) AAS
それは、まだ十二になったばかりで、幼なさの残る年頃だった私が、ソフィア様と同室のあの部屋に住
まうようになり、彼女をお義姉様と呼ぶようにと、言い渡されたあの頃から―私が十七歳になろうとし
ている今に至っても、ずっと変わってはいない。
それでも、今の私は、ソフィア様のその想いと、私を愛でてくださるあの行為を以前のように、素直に
受け入れることが出来なくなっていた。

私が年齢を重ねていくなかで、そういったことに疎いながらも、あの行為がもっと違う、特別な意味さ
え、持つことになるものなのだと、徐々に徐々に、理解できるようになってきたあの頃から、それを受け
入れることは、私にとって、本当に少しずつ、痛切な苦痛を伴うものへと変っていった。

でも、それは、私がこの聖殿で暮らす限り、今も、あの時には、お義姉様と呼ばされる、ソフィア様との
絶対的な服従関係を強いられる、あの関係が保たれ続ける限り、続いていくものだ。
省4
50: 神聖領域の物語―Sacrifice― 6/8 2010/11/20(土)21:00 ID:HWQBCQSO(7/10) AAS
私はアーシェと連れだって庭園へと向かうその途中で、ぼんやりとそんなことを考えていた。
アーシェはふいに、先程よりもほんの少し強い力を入れるようにして、彼女の柔らかく、暖かい両方の
手のひらで隣を歩いていた私の右手を、ぎゅっと包み込むように握ってくれていた。

それに気付いた私が、彼女の方へと振り向くと、彼女は私を見つめたまま、何も言わずいた。
彼女は私が考えごとをしていた、その間、横に並んだ私と一緒の歩調で歩くようにと、ただそれだけを
心がけてくれていたようだった。

私は、私にとって一番大切だといってもいい、今ではめっきり少なくなってきてしまった、アーシェと二人
きりで一緒にいられる本当に大切な時間だというのに、随分と深刻な表情をしていたようだ。

アーシェは、きっと少し憂いを帯びた気持ちになっていたにもかかわらず、自らの気持ちを隠すようにし
して、私へと微笑んでくれた。
省2
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