【下蒲刈島】安芸灘とびしま海道 Part2【岡村島】 (183ﾚｽ)
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138: 名無しなんじゃ 2022/01/29(土)12:28 ID:0N6O4LHg(1/3) HOST:FFEA-886D-EA2D AAS
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「可忘家利」(蒲刈、広島県呉市蒲刈町)でのことである。
この地域には将軍の命令が届かず、護送船もなかったので、一行は恐怖のなか、海賊の家を間近に見ながら停泊した。
ここは「東賊」と「西賊」のなわばりの境界領域で、東から来る船は、東の海賊を一人乗せてくれば、
西の海賊がこの船を襲うことはなく、西より来る船は、西の海賊をひとり乗せてくれば、東の海賊が襲うことはなかった。
このような慣行を上乗り(うわのり)という。
実際に船の舳先に、それとわかるように海賊を一人乗せたのであろう。
それで、同行の博多商人宗金(そうきん)が東の海賊を一人雇って
その上乗り料は銭7貫だった。
現在の金額に換算すると、約70万円ということになる。
このような上乗り料は、海賊にとって重要な収入だった。
宗金に雇われた海賊はただちに西の海賊のもとに赴き、安全に通過できるよう話をつけてきた。
安田次郎『走る悪党、蜂起する土民』小学館 2008
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