【WHITE ALBUM2】和泉千晶スレ ネコ2匹目 (531レス)
1-

185: 2013/03/14(木)12:29 ID:G1woNciI0(1) AAS
>>184
いや、ども。

こちらも思いついた順に書いていたんで、
読み返して見たら確かに解りにくいわ。

説得開始前の千晶の楽屋エピソードあるんで、
wikiとかに投稿し直す際は修正&千晶エピソード
先にはさみます。
186: 2013/03/14(木)16:05 ID:GUtU3cvS0(1) AAS
>>182
イオタケ敵じゃないッスよ。 
春希に変な気起こさなければ今のところはw

千晶の心理描写なんだけど、省くと書いているほうも訳わからなくなっちゃうので書いてますw

謎の多い千晶のサプライズアタックも魅力的なんですが(あぁ、蘇る本編プレイ時の衝撃)
私には真似できないなあ(^-^;)
187: 2013/03/14(木)23:46 ID:rrCLtPMC0(1/3) AAS
では本日分投下
188
(1): 2013/03/14(木)23:47 ID:rrCLtPMC0(2/3) AAS
 春希を象られた口が言葉を発するために開かれる。その刹那だった。

 バタンっ、ごんっ!
「かづっ#@&!※@#!」
 勢い良く開けられたらドアに、千晶はしたたかに顔を打ち、言葉にならぬ悲鳴とともに尻餅をついた。

「…母さん、美代子さん、ごめんなさいっ!」
 籠城戦の集結を告げる謝罪の声の大きさに安堵の表情になる曜子や武也たち。
「…部長も依緒もありがとう。迷惑、かけたな…。この埋め合わせはきっとさせてもらうよ…」
「いやいや。いいって、いいって。いいってことよ〜へへへ」
「よかった、冬馬ぁ…」
「板倉さんもいろいろありがとうございます」
省11
189
(1): 2013/03/14(木)23:48 ID:rrCLtPMC0(3/3) AAS
「…ほんと、我が娘は…」
 残された曜子が詫びともつかない呟きをもらす。武也も、呆れ顔で言う。
「完全復活…ですね」

 板倉と依緒も、かずさの回復を喜びつつ、何か釈然としない表情であった。
「あれは…瀬之内さんの説得が効を奏したのでしょうか?」
「…なんで? どこが?」

 翌日、レッスンに来たかずさのピアノを聞いた彼女の師、ヴァレンガリア・溝口は呆れたようにこう語った。
 なんで、レッスン休んでおいて完璧に仕上がってるの、と。
190
(1): 2013/03/15(金)00:07 ID:XFjGodJh0(1/4) AAS
**********5/16(日)少し時間を巻き戻り、『シアターモーラス』控え室、『届かない恋』公演最終日カーテンコール後

 鏡の前でメイクを落としている先輩女優を前に、千晶はどう声をかけたものかと思案していた。
 女優、似鳥まふゆ。劇団「コーネックス二百三十度」所属の看板女優にして、日本屈指の若手演技派舞台女優である。
 舞台の下では『そこそこの美人』程度の印象しか与えない彼女だが、一度舞台に上がると圧倒的な存在感で観客の心を鷲掴みにする。
 演技力も演技の幅も千晶を凌いでおり、また、豊富な声量とそれを最大限活用した高い歌唱力を誇っている。
 それでいて博識で鋭い洞察力、理解力を有しており、旺盛なバイタリティで脚本を貪欲に吸収する。
 千晶の脚本『届かない恋』についても鋭い質問を重ね、あっという間に『初芝雪音』役を自分のものにしてみせた。
 千晶が彼女に勝てる点は一点、脚本家としての能力のみであり、つまりは役者として何一つ勝てる点はなかった。
 千晶がこの劇団に入団したのも彼女がいるからである、と言って過言でない。
 彼女は千晶にとって尊敬する目標であり、越えるべき壁であった。
省10
191
(1): 2013/03/15(金)00:21 ID:XFjGodJh0(2/4) AAS
 千晶はほっと息をついた。
 自分のような新人の脚本が公演されるに至ったのは、実力というより「劇団に試されている」面が大きい。
 特にこの先輩の評価は怖かった。
 二人一役でやっていた大学時代の脚本を磨きなおしてはみたものの…
 …直接モデルに会っていない「冬木榛名」の人物描写はまだ改善の余地があるものだった。
 
 そんな折に目の前にひょっこり現れてしまったかずさも不運だったのだろうが…
 千晶が強引にかずさを『観察』しにかかったのはそういうわけでもあった。

「でも、最初から思いつかないあたり、あんたやっぱり『まだ』ね」
「…*※#!」
省12
192
(1): 2013/03/15(金)00:26 ID:XFjGodJh0(3/4) AAS
 2年前の春希や雪菜の時のように十分に作戦を練ることなく、強引にかずさをひっかきまわしたツケは最終日の後に回ってきた。
 あの日以来―今日で3日目になる―かずさは部屋に籠って食事もとっていないらしい。
 そして、かずさを心配する周りの人間―母親である曜子や友人たち―により、千晶はひっ立てられる羽目になってしまったのだ。

「まあ、脚本の直しに貢献してくれたからいいか…って言えるのは、劇団に迷惑かけないようにしてからね」
「は、はい。そういうわけで今日は失礼します…新人の分際ですいません…」
「ちゃんとみんなもフォローするから、心配しなくても良いわよ」
「あ、ありがとうございます!」

 千晶は思った。
 本当にこの人はいい人だ。役者としても、先輩としても尊敬できる…ある一点を除いて
「ま、そういうわけだから、来週末はわたしに付き合いなさい。TRPGのコンベンション」
省9
193: 2013/03/15(金)00:30 ID:XFjGodJh0(4/4) AAS
<ぽーん>

本日の投下終了。

週末は仕事で投稿できませんが、
週明けにはかずさの逆襲の話とかずさの籠城時のシーン(ドアの中のシーン)が入ります。
194
(1): 2013/03/15(金)03:39 ID:C4rPIv7/0(1) AAS
>>188-192
・ひととおり礼を言ってまわるかずさ
・「瀬能さん許してちょんまげ」
・先輩から誉められて千晶は顔を明るくする。

・・・か、かずさじゃねぇ (( ;゚Д゚)))ガクブル
・・・ち、千晶じゃねぇ (( ;゚Д゚)))ガクブル

まさにこれぞ、もっと恐ろしいものの片鱗をみたぜ!(AA略
195: 2013/03/15(金)13:23 ID:iCsVoJYo0(1) AAS
>>194

>>謝罪かずさ
美代子への土下座もありましたし、ひととおりくらいはやるかなと

>>ちょんまげ
雪菜に日本に残るコト伝える際の話ふりや、夢想でのルーベンス談からするに、たまにケレンミある皮肉、意趣返しするコかなと
いや「ちょんまげ」の言い返しはキャラずれた苦笑ものと自分でも認識してますが(^。^;)「千晶をからかい返すかずさ」は入れたかったので

>>誉められ喜ぶ千晶
付属演劇部長、ウァトス姫の横暴ぶりから、逆に優れた役者には追従するかなと

雪音役取られ+完璧に演じられ&榛名役酷評され焦る千晶の話を先に入れた方が良かったかなぁ
省1
196: 2013/03/17(日)21:04 ID:OE8gDgfq0(1/6) AAS
予定早めてスマホから投下
改行乱れ勘弁
197
(1): 2013/03/17(日)21:05 ID:OE8gDgfq0(2/6) AAS
**********5/22(土)フィリア音楽ホールにほど近いフレンチレストランにて

 千晶が復活した冬馬かずさのコンサートに来てみれば、チケットを購入したC席にはかずさのマネージャーの工藤美代子が待ち受けていた。
 そして、S席に案内された。おかげで1ランク上の音楽鑑賞ができた。
 さらに、『コンサート後に会食があるのでかずさの友人のあなたも来てほしい』と言われた。

「こないだの件か…S席に案内して聴かせてくれた上に、わざわざ食事に呼ぶのは和解の呼びかけかな? 向こうも訴訟ちらつかせたりしてたし」
 と、その時千晶は思っていた。

 会食の席もメンバーもだいたい千晶の予想どおりだった。
 自分がなぜかかずさの隣り。
 板倉や依緒、美代子が周りを囲んでいたが、一人だけ予想外の人物が曜子の隣りにいた。
198: 2013/03/17(日)21:07 ID:OE8gDgfq0(3/6) AAS
 毛利祐子…今の座長の奥さんだ。劇団の営業主任でもある。
 無名の時代から座長を支えてきたヒトだが、嫉妬深く、すぐ座長の浮気を疑うらしい。
 入団する新人女優をチェックするのもその一環だとまことしやかに噂されている。

 どうやら、曜子と祐子は旧知の間柄だったらしい。
 食事は「かずさのコンサート成功を祝して」ということで始められたが、ほどなく祐子と曜子の昔話に花が咲きだした。いや、火花がちりだした。
 表面上はにこやかであるが、座長、毛利久志の話になるや、言葉の節々に棘が飛び出し始めたのだ。
「しっかし、あの久志くんのほうからあなたにプロポーズしてきたなんて、今だに信じられないわねぇ」
「ええ、どこぞの性悪女が引っ掻き回してくれやがらなったら、もっと平和だったでしょうねぇ」
「まぁ、賞味期限切れまで平穏無事、なんてことなくて良かったわぁ。ところで、10年目にもつれこんだ結婚生活はまだ楽しい?」
「もちろん。和えて不満を言うとすれば、あなたが永遠にウィーンで頑張ってくれていたらもっと楽しかったのにねぇ」
省3
199: 2013/03/17(日)21:08 ID:OE8gDgfq0(4/6) AAS
「瀬之内ちゃん。曜子となんかトラブったんだって?」
「はい、ちょっと…冬馬かずささんと」
「本当に?」
「? はい」
「…う〜ん。本当か…」
 何を疑っているのか、という疑問は曜子が明らかにした。
「だからそう言っているじゃない。久志クンと会ったのは、あくまでかずさと瀬之内ちゃんの件だってば。ここにいるみんな証人よ」
「娘の件をダシにしてまた久志にコナかけに来た、という可能性も残っているけどね」
 …四十路めぐってるのにどれだけ信用ないんだ、曜子さんは。
 察するに、曜子が劇団を訪れたのを聞いて座長、つまり夫の浮気を疑った、ということらしい。
省2
200: 2013/03/17(日)21:09 ID:OE8gDgfq0(5/6) AAS
「で、かずさちゃんはウチの劇団員とどんなトラブルがあったの?」
「あ…それは…ちょっと話す前に『千晶』に確認することが」
「…っ!?」
「ねぇ、千晶…」
 千晶は戦慄した。かずさに『千晶』と名前で呼ばれたのは初めてだ。なれなれしさよりもっと危険なものを感じる。
 彼女の勘が非常ベルをけたたましく鳴らし始めた。

「千晶…あんたさ…」
201: 2013/03/17(日)21:10 ID:OE8gDgfq0(6/6) AAS
**********先週の真相、5/16(日)籠城中のかずさの部屋

 かずさは深く、暗い海の底にいた。
 明るい場所で現実を見たくなかったから。
 電気を消して、厚い遮光カーテンを閉じれば何も見えない世界ができた。
 胸の中の苦しみだけは消えないが、その世界の居心地は良かった。
 あの女、瀬能千晶はもちろん、雪菜も春希も、そして、一番嫌いな自分すらいなかった。
 こうしてピアノを弾かずにいると、自分自身すら見ずに済んだ。

 3日間そうしていると、友人達が来た。
 拒絶する気力もなく、ふらふらと漂うようにドアの前まで足を進める。

 依緒は自分の身体を心配してくれた。
省7
202: 2013/03/17(日)21:16 ID:pfhIqNtu0(1/5) AAS
「今年頭の来日時に〜、春希を指名してかずさの密着取材仕向けた上に〜、#※@※&*」
 この声は…あの女だ…何しに来たのだろう。

 不思議と嫌悪感は感じなかった。ドアの中で化け物になっている自分の方がずっと嫌いだったから。

 その女がドアの前でしゃべり始めた。
「『…あのさ、冬馬さん。あれからずっと考えてはみたんだけど…』」

 はて、何を聞いたっけ…?

「『…結局、榛名が和希と結ばれて幸せになるエンディングは思い浮かばなかった…』」
省6
203: 2013/03/17(日)21:17 ID:pfhIqNtu0(2/5) AAS
 外ではまだ千晶がしゃべっている。
「『…例え意地悪な神が※#@&…』」

 ああ、なんか言ってる。こいつの芝居なんて見に行くんじゃなかった。
 たしか、春希や雪菜も来なかったんだっけ。
 …へぼ芝居だからだよ…

 …そういえば、わたしのコンサートにも、春希や雪菜まだ来たことないなぁ…まぁ、しょうがないか…

 あ、思い出した。そういえばこの女、コンサートにも来ていたな…しかも全部…たしか、終始きょろきょろと…誰か探していたみたいで、目障りだった。

 …誰を探していたんだ?
 …もしかして、春希たちが来ていないかと…
省5
204: 2013/03/17(日)21:19 ID:pfhIqNtu0(3/5) AAS
 …まさか、春希だけ呼んで欲しかったとか…

 …そう考えると、いろいろ辻褄が合ってきたように感じる…この女は実は春希のことが好きなんじゃないか?

 そう気づいた瞬間、不思議な感覚が足元を包んだ。
 さっきまで暗い海の底で一人溺れていたような気分であった。そうしたらどこからか、ぴちゃぴちゃ水をかく音が聞こえた。
 こんな胸の中が苦しい世界でも一人じゃない。そう気づいた。

 そのとたん、いままで自分が嵌まっていたのが、深い海でなく、足がつくほど浅い水たまりだったことがわかった。

 …もう出よう…
 かずさはドアノブに手を掛けた。
省3
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