[過去ログ] ToHeart2 SS専用スレ 13 (968レス)
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587: 河野家にようこそ 第51話(1/9) 2006/04/03(月)20:35 ID:l0sEXdPA0(1/10) AAS
 家に帰った俺を、このみは「お帰りなさいませ」と三つ指突いて出迎える。新婚さんのマネだと
このみは言うけど、なんかメイドさんっぽいなと思った俺。それを口にしたせいで、危うく雄二と
同類のメイドさんマニアに認定されそうになった。
 このみたちの勧めで風呂に入る俺。いい湯加減に心も体もリラックス。おまけに瑠璃ちゃんが俺の
ために着替えを持ってきてくれて、なんか幸せだなぁ。なんて油断してたらトラブルメーカーの珊瑚
ちゃんが突如襲来、三人一緒に風呂に入ろうなどと言いだした! 俺や瑠璃ちゃんが止めても聞かず、
服を脱ごうとする珊瑚ちゃんだったが、騒ぎ声を聞きつけてやって来た由真が、瑠璃ちゃんと一緒に
珊瑚ちゃんを連れだしてくれた。やれやれ。
 夜も更けて寝る時間。眠そうなこのみは、おんぶで二階まで運べとワガママ。郁乃は由真が引き
受けてくれたので、俺はこのみのワガママを聞いてやることにしたんだけど、珊瑚ちゃんが自分たち
省13
588: 河野家にようこそ 第51話(2/9) 2006/04/03(月)20:36 ID:l0sEXdPA0(2/10) AAS
「はい、じゃあ降ろすからね、郁乃ちゃん」
 由真が郁乃をベッドに降ろす。
「よし、オッケーっと。さて、じゃあ着替えよっか、郁乃ちゃん」
 どうやら由真は郁乃の着替えまで面倒見るつもりのようだ。
「いい、自分でやる。えっと……」
 部屋を見回す郁乃。何かを探している様子。すると愛佳が察して、部屋の隅に置かれたカバンを
持ってきた。
「郁乃、じゃあお姉ちゃんが手伝うから――」
「だから、自分で出来るってば。お姉ちゃんも由真先輩も手伝わなくていいわよ」
 愛佳からカバンを引ったくる郁乃。なんか強情だな。
省14
589: 河野家にようこそ 第51話(3/9) 2006/04/03(月)20:36 ID:l0sEXdPA0(3/10) AAS
 顔に枕を投げつけられた。
「着替えるから出てけ! お姉ちゃんたちも、お休みっ!」
「あ、うん、お休み、郁乃」

「あたし何か、あの子の気に障るようなこと、したのかな……?」
 部屋を出て、愛佳がポツリと漏らす。
「違うよ、愛佳がどうこうじゃない、アレは多分……」
「多分? 何よたかあき?」
「多分、見栄だな」
「見栄?」
 由真が眉をひそめる。隣の愛佳もポカンとした顔。
省13
590: 河野家にようこそ 第51話(4/9) 2006/04/03(月)20:37 ID:l0sEXdPA0(4/10) AAS
「まぁ、俺も兄弟がいるワケじゃないから断定は出来ないんだけどさ、郁乃は郁乃なりに、このみや
瑠璃ちゃんを意識してるんじゃないかな?」
「意識?」
「と言っても、大したもんじゃないんだよ。本当に困ったことなら愛佳を呼ぶだろうし、このみたち
の手を借りるかもしれない。けど、なるべく自分で出来ることはしてみせたいんじゃないかな。必要
以上に気遣われたくないんだよ。出来るだけ対等に接したいんだ――同じ部屋で寝る、友達とは」
「……」
 何故か俺を睨みつける由真。
「な、何だよ」
「なーんか、気に入らない。たかあきのクセに生意気」
省14
591: 河野家にようこそ 第51話(5/9) 2006/04/03(月)20:37 ID:l0sEXdPA0(5/10) AAS
 苦笑する愛佳。
「けれど、それであの子の世界が広がるなら、あたしとの距離が少しくらい開いても構わない。
 例えどうあれ、あたしと郁乃が姉妹だってことに変わりはないから。それにね」
「愛佳?」
 愛佳は由真を見つめ、
「郁乃にもね、作って欲しいの。あたしにとっての由真みたいな、親友」
 その途端、由真の顔がかーっと赤くなり、
「な、何恥ずかしいこと言ってんのよ!? た、たかあきが見てるでしょ!」
「え、俺が見てると不都合でも?」
「うっさいバカ! さっさと下降りて寝ろ!」
省13
592: 河野家にようこそ 第51話(6/9) 2006/04/03(月)20:39 ID:l0sEXdPA0(6/10) AAS
「起きてるなら、ちょっとお邪魔してもいいかな?」
「る〜」
 今度は珊瑚ちゃんの声。これまた肯定か否定か微妙。
 少し考え……、都合よく肯定と受け取ることにした俺は、
「じゃ、じゃあ、開けるからね」
 ゆっくりとドアを開ける。すると……
「るー」
「る〜☆」
「るーるー」
「る〜るる〜」
省13
593: 河野家にようこそ 第51話(7/9) 2006/04/03(月)20:40 ID:l0sEXdPA0(7/10) AAS
 冷蔵庫を開けて牛乳パックを取り出し……いけね、危うく直に飲むトコだった。食器棚からコップ
を取り出し、牛乳を注ぐ。
 一人暮らしになってから、いちいちコップを出すのが面倒になって、牛乳でもペットボトルの
ジュースでも直に飲んでいたけど、タマ姉の目の前でソレをやったら大目玉を食らったんだよな。
『なんて下品なことしてるの! ちゃんとコップに注いで飲みなさい!』って。
 で、その言いつけを律儀に守っているワケだ、タマ姉が見てるワケでもないのに。何て言うか俺、
仕付けられてるなぁ……。
「た、たかあきくん……」
 ん? 居間の方から……愛佳の声?
「あれ、いない……、トイレかなぁ?」
省14
594: 河野家にようこそ 第51話(8/9) 2006/04/03(月)20:40 ID:l0sEXdPA0(8/10) AAS
「ところで、どうしてここに?」
「あ、えっと……、さっき、ちゃんとお休みなさいって言えなくて……
 そのこと言ったら由真が、だったら言いに行きなよって、あたしのこと部屋から追い出して……」
「あ、そ、そうなんだ」
「あの……、たかあきくんは、どうしてキッチンに?」
「ああ、喉が渇いたからさ、牛乳でも飲もうかなって」
「そ、そうなんですか……」
 何となくぎこちない愛佳。と言うか、何か恥ずかしそうな……、あ、愛佳、パジャマ姿だ。
「……」
「……」
省13
595: 河野家にようこそ 第51話(9/9) 2006/04/03(月)20:41 ID:l0sEXdPA0(9/10) AAS
「……あ、は、はい、お、おいしいですね、この牛乳。
 こ、これってもしかして、数量限定こだわり牧場の低温殺菌ジャージー牛乳、とか?」
「あ、いや、確か1パック160円の普通の牛乳……」
「そ、そう、ですか……」
 取りあえずこれだけは確信して言える。――俺は今、失敗した。
 ああ、また会話が途絶えてしまう。そう思った俺、だけど、
「あの、たかあきくん。聞きたいことがあるんですけど、いいですか?」
 愛佳の方から話しかけてきた。
「え? 何、聞きたいことって?」
「たかあきくん、さっき郁乃の気持ちを言い当てたじゃないですか。どうして、そんなに郁乃のこと
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(1): 河野家にようこそ の作者 2006/04/03(月)20:42 ID:l0sEXdPA0(10/10) AAS
どうもです。第51話です。

FF12を買ったものの全然遊んでおらず、とあるスレでラスボスのネタバレカキコを見てしまい、
ちょっとヘコんでいる俺です……。orz

河野家の、いつもと少し違う土曜日は、ホントにホントにあとちょっとだけ続きます。
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