[過去ログ] クリフトとアリーナの想いは Part12 (545レス)
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81: 2011/04/03(日)21:06 ID:iUkWNtW+O携(4/5) AAS
take2

「そうだ、アリーナ。あんたクリフトに『大嫌い!』って言ってきなさいよ! アイツ泣く…いやもしかすると、自害するかも知れないわね……」
我ながら良い案だと思ったが、口に出すと流石に良心が痛んだ。
「姉さん、それは…さすがに…」
ミネアも、呆れることを通り越して、若干引いている。
「面白そうね! わかった、やってくる!」
しかし姉妹の態度とは、裏腹にアリーナは明らかに楽しんでいた。
まずい、と思ったが、次の瞬間には、マントを翻し、馬車の外へ駆けていってしまった。
「あ、ちょっとまって! アリーナさん!」
姉妹の顔が青ざめ始める。
二人の脳裏に浮かぶのは、不憫すぎる神官の姿だった。
「私、知らないからね。…姉さんのせいよ…」
「と、とりあえず追いかけましょう」
二人は青い顔のまま、アリーナの後を追った。

〜〜〜〜

「クリフトー!」
遠くから、姫様の声が聞こえます。
私は昼食を作る手を止めて、声がする方へ、振り向きました。
「姫様?どうかいたしましたか?」
「あのね、クリフト。大っ嫌い!」
姫様の予想外かつ残酷すぎる一言に、私は凍り付きました。
主君に、愛する人に笑顔で嫌いと言われた私はどうすればいいのでしょうか。
せめて、真顔で言って欲しかった。
愛する人の一番好きな、表情で『嫌い』と言われるのは、ある意味、死よりつらい…。
嫌われてはいないと、信じていましたが、どうやら自分に対する奢りだったようです。
とりあえず…死にたい…。

……

「なーんてね。嘘だよ、クリフト」
「へ…?」
『嘘』という言葉に、私は遠のいていた意識が、戻り始めるのを感じました。
「エイプリールフールだよ〜」
「で、では姫様は、私を嫌いではないと…」
「当たり前じゃない! 今までずっと一緒に来てくれたんだもん。 あまり口に出したことなかったけど…ありがとうね」
「ひ、姫様…」
「これからもずっと、一緒に来てくれる?」
「勿論です!」
一瞬、死にたくなるような思いはしましたが、今だけは四月バカに、感謝したいと思います。
私は、幸せ者です……。

〜〜〜〜

二人の様子を物陰から覗いていたミネアは、ほっと胸をなで下ろした。
しかし、傍らにいるマーニャは、何が悔しいのか…爪をギリギリと噛んでいる。
ちょっと…怖い。
「何よー! 結局いい雰囲気になるんじゃない! これじゃあ面白くないわー!」
マーニャの絶叫が、森の中に響いた。
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