[過去ログ] クリフトとアリーナの想いは Part11 (466レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
1
(1): 2010/01/11(月)23:30 ID:AlB0ts300(1/2) AAS
クリフトとアリーナの行く末を語らうスレです。
職人さんによるSS投稿、常時募集!

クリフトとアリーナへの想いは@wiki(携帯可)
外部リンク:www13.atwiki.jp
まとめサイト
外部リンク:www.colorprinter.tk
携帯版
外部リンク[html]:www.colorprinter.tk

前スレ
クリフトとアリーナへの想いはPart10
省4
447: 従者の心主知らず さえずりの塔 前編 4/8 2010/12/02(木)06:16 ID:gn7Vs5mP0(4/9) AAS
「クリフト?」
「……姫さま……」

クリフトが私を見た。なんで……なんでそんなに寂しそうな顔してるんだろう。少しだけ胸がずきっとした。
クリフトが私に手を伸ばしてきた。でも、つかむようでつかまない、宙ぶらりんの手。なんだろう。

「クリフト、どうしたの?」
「…………」

クリフトの伸ばした手をつかもうとしたら先に手をとられた。何かささやいてる。最後に聞こえたのはホイミ。あ。

「あせりは禁物です。この上われわれまでケガをしてはなりません」
「うん……ありがと……」
省20
448
(1): 従者の心主知らず さえずりの塔 前編 5/8 2010/12/02(木)06:17 ID:gn7Vs5mP0(5/9) AAS
お声が……お父さまのお声が出ない。出なくなった。突然。前触れもなく。
どんなにお父さまに話しかけても、お父さまは何かを言いたそうにこっちを見るだけ。なんて苦しそうなお顔なの?
大臣が筆談で少しお話したみたいなのだけど、風邪ではないんですって。原因はわからないんですって。
もう、3日もたつんですって……。
そしたらじいが。じいが、何者かのしわざかもしれないって。お父さまのまわりにまがまがしき気配が見えるって言って。
私は思わずお父さまの手をぎゅっとした。お父さまも私の手をぎゅってしてくれた。ごつごつしてておっきなお父さまの手。
でも、お父さまは何も言ってくれない。何も……。
いっつもお説教とお小言と難しい話。でもたまにお優しい言葉もかけてくれる。あんなにうるさかったお父さまなのに……。
なんだかたまらなく寂しくなってきた。私は思わず大声で叫ぶ。

「お父さまはどうして何もおっしゃってくれないの?何があったの?ねえ!」
省20
449
(1): 従者の心主知らず さえずりの塔 前編 6/8 2010/12/02(木)06:19 ID:gn7Vs5mP0(6/9) AAS
お父さまももう一度私を見て、手をぎゅってしてくれた。少しだけ目がうるんでるように見えた。

悔しい。なんでだろう、悔しい。なんだかもやもやする。落ち着かない。
私は今じいといっしょに裏庭に向かってる。大臣が裏庭のゴンじいなら何かわかるかもしれないって言ってくれて。
じいがゴンじいのこと知ってるみたいだったからいっしょについてくことにしたの。
でもクリフトは他に手がかりがないか探してきますって言って。何か進展があったらお互いに報告しようってことで別れた。
私が今もやもやしてるのはきっとクリフトのせい。
クリフトが大きな声を出さなければ私はきっとずっとお父さまを見てた。何があってもびっくりしないって決めてたのに……。
クリフトにお守りいたしますなんて言われたのもいやだった。私がクリフトを守るんだから。そう、私が守るんだから……。

「フム。ごくつぶしの詩人もたまには役に立つと。マローニに会いにゆきますか」

気づいたら私はゴンじいのとこにいて話が勝手に進んでた。
省19
450: 従者の心主知らず さえずりの塔 前編 7/8 2010/12/02(木)06:20 ID:gn7Vs5mP0(7/9) AAS
「キメラの翼?ほっほっ。そのような道具に頼らずともこのじいめの魔法でひとっとびですぞ」
「うそ!じいったらそんな魔法使えるの!?」
「姫さまが城へ戻る決意をしてくださればすぐにでも披露できたんですがのう……」
「っもう、お説教はいいわよ。じゃあ早く行きましょう」
「はて、姫さま。金の管理はクリフトのアホめに任せております。あやつを連れてこなければ買えませんぞ」
「え?」

クリフトの名前を出されてドキッとした。って、なんでドキッとするのよ。

「えっと……そっか。ただで手に入るわけじゃないものね」
「詩人など何の役にも立たぬと思っておりましたがたまには良いこともしますな。ささ、早くクリフトのアホタレを呼びに行きますぞ」

じいのほうがもっと失礼ね。じいも気分がすぐれないのかな。
省20
451: 従者の心主知らず さえずりの塔 前編 8/8 2010/12/02(木)06:21 ID:gn7Vs5mP0(8/9) AAS
「クリフト、私も少し調べ物をしたいので書物はそのままにしておきなさい」

神父さまがひょいっと顔を出して言った。

「神父様、ですが」
「それよりも、何やら急ぎのようではありませんか。さあ、早く出かける準備をなさい」
「は、はいっ」

急いで荷物をまとめるクリフト。あ、そうだ。そうだった。私は神父さまに頭を下げる。

「神父さまごめんなさい。もう少しだけクリフトをお借りしていきます」
「姫さま、人を物みたいに言わないでください」
「ええ、ええ、構いませんよ。クリフトのひとりやふたり、どんどん持ってゆきなさい」
「神父様……」
省18
452: 2010/12/02(木)06:26 ID:gn7Vs5mP0(9/9) AAS
あああ、>>448-449間の一行入れ間違えたー!!内容的には変わらないのでよしにしてくれ。

たくさんの声をありがとうございます。前回は投下後の差し替えすみませんでした。
>>438-439>>431の差し替え版です。よろしくお願いします。
今回はいかがだったでしょうか。後編もなるべく早く書き上げるつもりですので今しばらくお待ち下さいませ。
苦悩のクリフトと能天気なアリーナは恐らく今後のメインテーマになっていくかと思われますぜ。

ミントスはセリフをなぞる以前に一大イベントがあるので実は少しずつ考案中です。
レイクナバ夜……「私もいつかは愛する人と」のくだりでしょうか。
あそこは確実に周りに聞こえている独り言っぽいですね。確かに何かが起こりそうで自分も期待です!

これまでの声でさり気なくブライおじいちゃんを見て下さっている方もいてちょっと感激です。
おじいちゃんはもちろんですが、王さまを始め大臣や神父さんなどマイナーな方々も実はけっこう好きなんです。
省4
453: 2010/12/06(月)21:54 ID:9R2IrmP30(1) AAS
GJ
454: 2010/12/12(日)14:40 ID:IGxLLnPj0(1/8) AAS
すまん、前回うそこいたorzしかもまた調子に乗っちまったorzorz

PS版のセリフをなぞったSSアリーナ視点、さえずりの塔 中編いきます。
書いてたら前編後編じゃ足りなかったんで許して下さい;
次回でさえずりの塔制覇します。今度こそ。
反応下さった方感謝です。もし何かありましたらどうかご指摘下さい。
455: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 1/7 2010/12/12(日)14:41 ID:IGxLLnPj0(2/8) AAS
お父さま。声が出せないだなんてすごくつらいはずよ。助けられるのは私たちだけよ。絶対にご病気を治してみせるわ!

「さえずりの蜜ならもしかしたらお父さまの病気も治せるかもしれない。さあ 急ぎましょう!」
「では行きますぞ!」

私たちはじいの魔法ルーラで再び砂漠のバザーに舞い戻った。夕方だったせいかやっぱり片づけ始めてるお店もあった。

「さえずりの蜜はどこ?早く手に入れてお城にもどらなくちゃ!」

私たちは急いでお店の人たちに聞いて回った。
省20
456: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 2/7 2010/12/12(日)14:41 ID:IGxLLnPj0(3/8) AAS
「あ!姫さま!王様はいかがでしたか?もう心配で心配で……」

振り返ると兵士が。私たちにお父さまのことを伝えに来てくれた兵士だわ。私は思わず口ごもる。

「フム、この度はご苦労だったの。王はずっと過労が続いていたようじゃ。今は安静にしておるゆえじきによくなるじゃろう」
「そ、そうですか……」
「姫さまの長期不在もたたっておったようでの、一度顔を見たらまあ落ち着きよったわ。そう心配しなくてもよいぞい」
「はい……」

すかさずじいがごまかした。じいってごまかすの本当に上手だわ。
兵士は持ち場に戻ってった。テンペの件があってから見回りをたくさんするようになったみたいでしばらくここにいるみたい。
もっと早くこうなってればテンペもあんなになるまで苦しまずにすんだのにね。でも……

「私、うそをつくのはあんまり好きじゃないの。でも、この人に本当の事を知らせたほうがいいのか、それとも……?」
省19
457: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 3/7 2010/12/12(日)14:42 ID:IGxLLnPj0(4/8) AAS
ごはんも終わってひと休み。じいはお手洗いに行ってる。なんとなくクリフトを見たらうつむいてた。
あれ、確かさっきまで地図を見てたはずだけど。よく見たら地図を持ったままうつむいてた。あ、また寂しそうな顔してる……?

「クリフト、どうしたの?」
「え?あ、どうかしましたか?」
「私がクリフトに聞いてるのよ」
「そ、そうでしたか」
「そうよ。どうかしたの?」
「…………」

黙っちゃった。でももう慣れたわ。なんでもありませんって言ったらもっと聞いてやるの。私はクリフトの返事を待った。

「姫さま……」
省23
458: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 4/7 2010/12/12(日)14:43 ID:IGxLLnPj0(5/8) AAS
「では、では……っ……もう一つだけ、お伺いしてもよろしいでしょうか……」
「っもう、クリフトったら。前も言ったじゃない。いいのよ、なんでも聞いて、なんでも話して」

クリフトは下くちびるをかんだ。またそわそわしてる。まるで昨日のクリフトみたい。また男の子の秘密でも打ち明けるのかしら。

「……その……王のご病気が完治されたら、また旅を続けられますか?」
「え?」

思わぬ質問にちょっとびっくりした。

「もちろんよ!だってバザーも全部回りきってないし、まだ他にも行ってないところがありそうだし、それに!」
省22
459: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 5/7 2010/12/12(日)14:44 ID:IGxLLnPj0(6/8) AAS
「姫さま?」

クリフトが顔をのぞきこんできた。クリフトの目に私が映る。変な顔した私。あーもう!

「クリフト!」
「はい!」
「クリフトは、私が守るんだからね!」
「は、はい?」
「私が守るの!じいも私が守るの!だから、クリフトは私のあとをついてきなさい!」
「は、あ……」

クリフトは驚いた顔で私を見てる。

「私のあとをついてくるの!いいわね?」
省20
460: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 6/7 2010/12/12(日)14:45 ID:IGxLLnPj0(7/8) AAS
「じいは?じいはきっと反対するわ」

私は目をそらして言った。

「いえ、いえ……王の安否を気遣われるそのお気持ちは、きっとブライ様にも伝わると思いますよ」
「………………」
「姫さま……」

クリフトが私を見てる。きっとものっすごく見てる。でも、あの真剣な顔してると思うと私は見られない。どうしよう。

「わしがなんじゃって?」
「じい!」
省20
461: 従者の心主知らず さえずりの塔 中編 7/7 2010/12/12(日)14:46 ID:IGxLLnPj0(8/8) AAS
砂漠を抜けて森の近くまで来て仮眠をとる。あたりには何の明かりもない真っ暗闇。
じいが言うには、森の中は魔物たちの住み家みたいなものだから少数で野宿するには向かないんですって。
魔法も発動させにくいんですって。なんでって聞いたらクリフトに木々を傷つけてしまいますからねって言われた。
じいもそういうことじゃって。ふーん。そういうものなのかな。魔法のことはよくわからないや。
寝袋にくるまったけど眠れなくて夜空を眺めた。今日は少しくもってる。月や星が見えたり見えなかったり忙しそう。
じいも寝袋にくるまった。クリフトだけはやっぱり起きてる。今夜はじいと交代でたき火の番をするんですって。
私も見張りするって言ったんだけどクリフトに姫さまは塔に着いてからが出番ですよって言われた。
私はぼんやりとクリフトを眺める。あごに手をついて考えごとしてるクリフト。目を閉じた。あ、うつむいちゃった。
…………。

「クリフトー」
省27
462: 2010/12/12(日)15:48 ID:NgnEZgaO0(1) AAS
GJ
なんで二連発ワロタ
463: 2010/12/14(火)01:41 ID:wpJqjLic0(1) AAS
GJ
支援
464: 379 2010/12/21(火)00:32 ID:o95zAqha0(1) AAS
従者の心〜を書いている者です。書くのが遅くて申し訳ない。
当初は保守ネタのつもりがなんてこった。
もう少し時間がかかりそうなので申し訳ない分自分が保守しときます。
ほっしゅ
465: 2011/01/01(土)15:15 ID:7z6t51iX0(1) AAS
あけおめ
クリアリ
466: 2011/01/06(木)13:32 ID:G6AOw4VS0(1) AAS
ほしゅ
1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.381s*