[過去ログ] 煩悩の十二国記*十五冊目 [無断転載禁止]©bbspink.com (32レス)
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10: 尚隆×陽子 すれ違う視線7/7 2019/09/20(金)11:01 ID:b13AYNSr(9/10) AAS
尚隆は隣で眠る陽子の頬にかかる紅い髪を払った。
良い夢を見ているのだろうか、穏やかに笑っているように見える。
胸元に、己が散らした印を認め、尚隆は眉根を寄せた。
――お前は、俺がお前の首筋や胸元に散らす印に、その意味に気づいているのだろうか。
衾から出る陽子の手を取り、指先に、掌に口づけ、嗤う。
最初に、半ば騙すような形で抱いたのは自分だ。尚隆は自嘲した。
誰にも言えないことがあるのなら聞いてやる。解消する方法を教えてやる。そんなことを言って、抱いた。それからも、皆に黙って自分に抱かれているという罪悪感と、いろいろなことを教えてやるという言葉で縛り付けた。
尚隆がくっと嗤うと、陽子がうっすらと目を開ける。
起こしてしまったかと尚隆が陽子の手を置こうとすると、逆に陽子に手を掴まれた。
しかし陽子が目を覚ました様子はなく、すうすうと寝息を立てている。
尚隆はため息をつき目を閉じた。
恋情とも愛情とも言えない独占欲を、お前が知る日がくるのだろうか。
そんなことを考えながら。

おわり
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