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【職人】MC・催眠系総合スレ その19【求む】 [無断転載禁止]©bbspink.com (1002レス)
【職人】MC・催眠系総合スレ その19【求む】 [無断転載禁止]©bbspink.com http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/
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162: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:21:09.52 ID:Jv7kTNjm >>152からの続き http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/162
163: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:22:21.67 ID:Jv7kTNjm 眠っている妹に欲情して上半身を剥いでしまった翌日。 浩一は優香里が起きるより先に、逃げるように家を出た。 というか実際、顔を見るのが怖くて母親の弁当まで遠慮して逃げ出したわけだが。 「……これからどうすんだよ、俺……」 相手は妹だ。 同居している家族だ。 単なる友達とか級友とは訳が違う。 今朝は逃亡で何とかなったが、帰宅すれば嫌でも会うことになるのだ。 いや、それどころか優香里の方は一刻も早く兄を問い詰めたいに違いない。 現状は単なる問題の先送り。 無策のまま現実逃避をしているだけなのだ。 「こういうときこそ催眠術を……だめだよなぁ……」 術者の言動に対し、否定的な精神状態の相手では催眠術をかける難易度が高くなるというのは 知っている。そして、寝ている間に服を脱がすような兄に対しての優香里の感情は否定的を通り 過ぎて拒絶と言うか激怒に近い状態だろう。 とてもじゃないが催眠術をかけられる状態では無い。 よって何か他の方法を模索しなくてはならないのだが。 「ダメだ、なんにも思いつかねぇ!」 これは……終わったかも。 「おい、コーイチ」 「んあ?」 同じクラスの男子に肩を叩かれて現実世界に帰還すると、もう日も高くなり周りの連中は 思い思いの場所で昼食を広げていた。 既に受験モードに突入している教室では、登校さえしていれば授業そっちのけで頭を抱えて 悩んでいても教師に注意されたりはしない。 完全に放置されたまま、もう昼休みに突入していたらしい。 なんの打開策も見つからないまま、半日も無駄にしてしまった。 頭がいっぱいで空腹さえ感じていない。 「なんか知らねーけど、一年の女子が来てるぞ?」 「一年……?」 いま世界で一番会いたくない一年生のナンバーワン。 妹の怒った顔が頭の中を過るが。 「あの……佐伯先輩?」 入り口から顔を覗かせていたのは妹では無く、三つ編みが似合う妹の親友だった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/163
164: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:24:15.96 ID:Jv7kTNjm 「ちょっと驚かせちゃったかな?」 まるで恋人のように寄り添い、浩一と並んで廊下を歩くのは相原美空。 「まぁ……正直驚いたけど……」 「だよね?」あはは、と照れ笑い「でも番号もメアドも交換してないし、クラス以外は 分からないから他の方法が思いつかなかったんだよ。どうしても今日じゃないと駄目な 用事もあったしね?」 二人が向かっているのは屋上。 女の子の弁当箱にしては大きすぎる包みを抱えているのを見た浩一が、希望的観測込みで 事情を察して場所を変えようかと提案したからだ。 もちろん、教室中の奇異の視線から逃れるという意味も含めて。 「用事って……優香里の事かな?」 「それも込み、かな?」 地味な眼鏡も似合う美空が、お腹の辺りで抱えていた包みを掲げてみせる。 「それって、やっぱり?」 「ご名答! お昼、一緒にどうかな?」 そうして屋上に到着した二人は、隅っこの辺りで美空が広げてくれたレジャーシートの 上に並んで腰を下ろす。 鼻歌交じりに弁当箱を広げる美空。 どちらかと言えば大人そうな女の子だと思っていた美空の方からのアプローチに、本当は 優香里の異変に気付いて問い詰めに来たのではないかと戦々恐々だった浩一だが、明らかに 女の子一人分では無い昼食の量で少し安堵する。 「ちょっと作り過ぎちゃって、とか言っても説得力無いよね? 実は昨日のお礼の代わりに 頑張って作ってきたんだ」 「昨日の……相原さんが……?」 「あーっ! ボクとか言ってるし、皆みたいに女の子らしいことが全然出来ないって思って るだろ? そんなことはないからね! これでも毎日自分で作ってるんだよ?」 むすっ、と頬を膨らませる美空。 「いや、そうじゃなくて……お礼って?」 そっちもそっちで意外だったけど、とは口が裂けても言えない。 「それはもちろん、紅茶をご馳走になった上に優香里の事を引き受けてくれたお礼に 決まってるよ。ありがとう、お兄さん」 そうして一転、笑顔になる。 涼しげな澄まし顔ばかりな印象だったが、こうしてみると表情も豊かだとわかる。 「いや、でもあれは優香里……つまり俺の妹だから俺の問題でもあったし、紅茶って 言っても自販機で……」 「それでも紅茶に違いはないし、お願いを聞いて貰ったことにも変わりは無いんだよ。 そういうところ、ボクは義理堅いんだからね?」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/164
165: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:26:19.39 ID:Jv7kTNjm 「そ、そういうものなのかな……?」 「そういうものなんだよ。だから……はい、どうぞ?」 何時の間にか取り出した可愛らしいフォークで鶏の唐揚げらを刺し、片手を下に添えながら 差し出す美空は満面の笑み。 まさか嫌とか言わないよね? とプレッシャーを掛けられている気がしないでも無い。 「え? え?」 「え? じゃないよ。見ればわかるよね? はい、あーん?」 「ちょ、ちょっと!」 「ここまで来て女の子に恥をかかせたりしないよね? 早く食べてくれいないとボクも 食べれないし、お昼休みも終わっちゃうよ? だからぁ、あーん?」 それは両手が塞がっているからと言う意味なのか、実はフォークが一つしか無いという 意味なのか、どっちにしても追い詰められてしまった浩一。 「……………あ、あーん……」 結局、押し切られて美空お手製のさっぱり生姜入り唐揚げや、結構手が込んでるっぽい 味付けの手料理をご馳走になってしまう。 「やっぱり男の子だね。沢山作っておいて正解だったよ」 何時の間にか自分の食事も済ませ、手際よく片付ける妹の親友を眺める浩一の食欲も 満たされ、終わってみると中々に楽しい時間だったような気がしないでも無い。 直前まで食欲すら無かったというのに、我ながら現金で呆れてしまう。 「それと、これは麻衣子からだよ。クッキーらしいね」 と、オマケに可愛らしい包みまのお菓子まで頂いてしまった。 「ありがとう……そう言えば佐藤さんは?」 「優香里の足止め。適材適所ってやつかな?」 「足止め……」 「本当はね、お礼だけじゃ無くって、ボクたちの分も頑張ってくれるお兄さんにスタミナを つけてもらおうって作戦でもあったりしたんだけど、どうやら余計なお世話だったみたいだね? まさか昨日の今日で優香里の事を元気づけてくれるなんて、予想外だったよ」 「それは、つまり……えっと、優香里は……?」 「うん、朝からカンカンだよ。 カンカン」 美空の言葉だけで、頭から湯気を吹き上げながら憤慨している妹の様子が想像できてしまう。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/165
166: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:27:42.59 ID:Jv7kTNjm 「でも俯いて落ち込んでいるよりは全然良いと思うなボクは。きっと麻衣子だって同じだと 思うよ? さすがだね、お兄さん」 「いや、なんていうか、あれは……」 実は大失敗だったりするわけで。 「ん?」と、そんな浩一の様子に気付いた美空が首を傾げる「お兄さん、優香里を元気づけようと して、わざと怒らせたんじゃないのかい?」 「期待を裏切っちゃうようで申し訳ないけど、実は……」 思わず天を仰いでしまう浩一。 折角の逃避先から、一気に現実へと引き戻されてしまった。 「それは、なんていうか……詳しい話は……」 「悪いけど、それはちょっと無理かな」 「だよねー?」 あははー、力なく笑う美空。 だが浩一とて本当の事なんて話せるわけが無い。 優香里の悩みの原因も、いま怒っている理由も。 「……あ、でも、どっちみち理由がお兄さんに起因してるんだったら……」 「相原さん?」 「……うん、お兄さんなら案外大丈夫かも知れないね。というか、お兄さんじゃ無いと駄目って いうべきなのかな?」 「えっと?」 「うん、そうだね。きっとそうだ。なんだ、やっぱり任せて正解だったんだね」 「あの、話が全然見えないんだけど?」 「お兄さん!」 「あっはい」 急に真剣な眼差しを向けられて、思わず敬語になってしまう浩一。 「優香里の事だけど、本当に怒っているけど本当は怒ってはいないんだよ」 「は?」 「だから、ただ謝るだけじゃ反って火に油を注ぐだけになるからね? ちゃんと優香里の 話を聞いて、優香里が何を欲しがってるかを見抜いてあげないとだよ?」 「……気のせいかも知れないけど、わざと分かり難い言い方をしてるとか?」 「う〜〜ん……」人差し指を唇に当てながら少し思案する美空「……そういうつもりは…… あんまりないんだけど……」 少しはあるのかよ! というツッコミを必死に堪える浩一。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/166
167: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:28:34.23 ID:Jv7kTNjm 結局、それ以上に具体的なアドバイスは聞けないま『お兄さんなら大丈夫だよ、ボクが 保証するから』なんて太鼓判だけ押して貰い、そんな美空の言葉を反芻しながら放課後を 迎えた浩一は、とりあえず当たって砕けるしか無いと腹を括って…… 「……………(じぃーーーーっ!)」 「よ、よぉ……」 家に帰って気持ちを落ち着けてから話そうと思った矢先に校門で妹の待ち伏せを食らい、 早くもペースを乱されつつ必死に表面を取り繕う。 「……えっと、優香里?」 「…………(ぷいっ!)」 だが待っていたはずの優香里は返事も返さず、不機嫌そうに顔を背けてスタスタと 家とは違う方向に歩き出してしまう。 「あ、あれ?」 繰り返しになるが、校門の前だ。 人通りだって半端なくあるし、大声を出したり慌てて追いかけて肩を掴んだりなんて 目立つ行動は取れない。 どうしたものかと手をこまねいていると。 ぴたっ! 10メートルほど進んだ先で優香里が足を止めて、 「…………(じぃーーーーっ!)」 振り返り、再びジト目で浩一を睨んでくる。 「これは……もしかして?」 追いかけてくれると思っていた、ということなのだろうか? 恐る恐る、慎重な足取りで近づこうとすると、 「…………(ぷいっ!)」 再び前を向いてスタスタと歩き始める優香里。 終始無言なのが地味に怖い。 とは言え兄を引き離すつもりはないらしく、それからも10メートルほど進むごとに 振り返っては後ろを歩いていることを確認し、それでも一緒に歩くつもりはないらしく 結構な早足で繁華街へと一直線。 ようやく足を止め、横に並ぶのを許可された時には、目の前にカラオケショップの 入り口が出現していた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/167
168: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:29:20.38 ID:Jv7kTNjm それから数分後。 ずずず〜〜〜〜〜〜っ! 受付での対応を全部浩一に押しつけた優香里は、これまた浩一がドリンクバーで用意して 運んできたコップのジュースを一息に吸い上げて、 「……けぷっ」 炭酸を一気飲みした反動で可愛い音を立て、少し恥じらいながら空になったコップを 差し出して二杯目を要求。負い目を感じている浩一が召使いのように急いで取ってくると、 今度は音を立てないように半分ほど飲み、ホッと息をついた。 私、怒ってるからね! と眉間にシワを寄せ目を合わせないまま。 「……えっと、優香里……?」 「おいしかった?」 「へ?」 妹の第一声が、まるで理解できなかった。 「みっくんが作った唐揚げ、あ〜んって食べさせてもらっておいしかったよね?」 「は? ちょ、おま……」 曖昧極まりないとは言え昼休みにアドバイスを貰い、ここの着くまでにも妹の背中を 見つめながら、浩一とて色々対策や応答のバリエーションなどを考えていた。 考えていたが、全く想定していなかった角度からジャブを出されて詰まってしまう。 「私に黙って付き合ってたんだ。良いよね、みっくん。お弁当だって自分で作れるし 勉強も出来るし爽やか系だし……胸は私の方があるけど」 「いや、だから……」 「あたしが悩んでる間に、あたしの友達とイチャイチャとかありえなくない? マジで 信じられないんですけど!」 一度開いた口は止まらない。 ここ数週間ほどで溜め込んだ鬱憤に諸々を混ぜ込み、ほとんど八つ当たりに近い苦情を 次々と吐き出してゆく優香里。 そんな理不尽な(実は浩一の所為だが)罵詈雑言と一方的に浴びせられ、思わず反論 しそうになる浩一だが、 『ちゃんと話を聞いて、その上で優香里が何を欲しがってるかを……』 元はと言えば自分の催眠術が原因だという事実と、美空のアドバイスとで辛うじて 踏みとどまって、喉まで出かかった言葉を飲み込む。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/168
169: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:30:30.25 ID:Jv7kTNjm 「そりゃ兄貴が誰と付き合おうと兄貴の勝手かも知れないし! 妹のあたしにイチイチ 報告する義務とかないかも知れないけど、ちょっとはアレだと思わない!?」 アレが何をさすのか全く理解できないが、とにかく耳を傾け続ける。 「ねぇ兄貴、ちゃんと聞いてる? 返事がないんですけど!」 「も、もちろん!」 「『もちろん』じゃなくて『聞いてます』だと思うんですけどぉ? マジで分かってんの 兄貴は? 昨日、ちょっとはカッコ良いこと言ってたけど朝起きたらいなくなってるし! アタシはおっぱ……なんか脱がされてるし! ソッコーで逃げてるし! 超ムカついたから お昼に行こうと思ったら、まーちゃんが変にからんでくるし! そんで、みっくんが大きな 包み持ってコソコソ出て行くのが見えたから必死に探したら屋上で兄貴とベタベタしてるし! そんなのありえないし! 兄貴、みっくんとアタシとどっちが大事な訳!?」 なにその『仕事と私のどっちが大切なの?』みたいな問い詰め方? 等と口に出したら火に油を注ぐだけだ。 「そりゃ……お前に決まってるだろ?」 夫の浮気を疑う新妻に弁解するよう口調になってしまう浩一。 「ほんとにぃ?」 中に浮かんでいた氷が残らず溶けてしまったことにも気付かず、両手でコップを持ったまま 兄の顔を凝視する優香里。 「だから相原さんとは何も無いし、お前は妹なんだから全然違うって!」 「ふ〜〜ん?」 心なしか頬を赤らめたような気もするが、不機嫌そうな顔は一向に変わらない。 まだ及第点は与えられない、ということなのだろうか。 「…………」 思わず謝りたくなってしまうが、安易に謝罪の言葉を使ってしまうと火に油を注ぐだけ らしいので、とりあえず妹の視線を真っ向から受け止めて、せめてもの誠意を示す。 「……じゃあ兄貴は、みっくんよりもアタシを優先してくれるんだよね? どんな時でも 絶対に?」 「……可能な限りは……」 「じゃあじゃあ! 今日みたいに、みっくんがお弁当作って誘いに来てもアタシがダメって 言ったら断ってくれる? 一回だけじゃなくて、何回でも?」 いきなりハードル高く(?)設定してくる優香里。 「そ、それは流石に……ほら、手作りだし無駄にしちゃうのも勿体ないって言うか、悪い 気がするし、お前も一緒に食べるとかで……」 「っ!」 む〜〜〜っ、と頬を膨らませる優香里。 どうやら模範解答では無かったらしいが、 「だ、だってお前の親友だろ? 考えてみろって! 朝早く起きて作った弁当を駄目にして 捨ててる所とか想像してみろよ! あんまり気分が良いもんじゃないだろ?」 「……………じゃあ、二人っきりはナシで。絶対だよ?」 どうやら妥協を許してくれたらしい。 視線を外して渋々ながら受け入れる優香里。 「それも……出来たらお前から相原さんに説明をして貰えたら……」 「……兄貴のヘタレ!」 どうやら、こちらもオーケーらしい。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/169
170: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:31:36.22 ID:Jv7kTNjm その後、もう二回ほどジュースの追加を命じられ、会計も全て請け負ったことで多少は溜飲が 下がったらしい優香里に並んで歩くことを許可された浩一は、傍目には二人仲良く肩を並べて 帰宅できた。 実際、「あら珍しい!」と玄関先で母に驚かれる程度の関係までは修復できたらしい。 もっとも、兄妹の間で会話らしい会話は全く出来なかったが。 そして更に夕食も済ませた後、 「……疲れた」 幸か不幸か、苦労して妹の機嫌を直したことで生乳を見たことは有耶無耶に出来たようだが、 どっと疲れてしまった浩一は、昨夜の優香里のようにベッドに突っ伏して呟いた。 特に仲が良いわけでもなかった妹をチャラ男から救おうと催眠術の事を調べ始めてからこっち、 心身共に疲れてばかりの毎日である。ほんとうはもっと受験勉強に身を入れなければならないと 言うのに、殆ど余裕が無い。 「……これで(受験に)失敗でもしたら……」 正直、目も当てられない。 やはり生半可な知識で首を突っ込むべきでは無かったのかも知れない。 だが催眠術無しでは優香里が話を聞いてくれるとも思えなかったし。 何度自問自答を繰り返しても堂々巡りである。 「…………」 とりあえず今晩も睡眠時間を削って勉強をしなけいといけない。 それどころか、今すぐにでも開始した方が良い。 だけど、もう少しだけ休憩して、 こんこんこん。 「アタシだけど……」 「おー」 ドア越しでも声だけで妹だと分かる。 が、落ち上がるのも億劫なのでうつ伏せのまま返事を返す浩一。 「……ちょっと入るね?」 「へ?」 これまた昨夜の妹のように片目だけ扉の方に向けると、パジャマ姿で髪を結った優香里が 恥ずかしそうに顔を背けながら入ってきた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/170
171: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:32:36.58 ID:Jv7kTNjm だが、何か用があってきたはずの優香里は後ろ手にドアを閉めた場所に立ったまま、何故か 居心地が悪そうに両腕で胸を庇いながらモジモジと体を揺らしている。 「………………」 その上、何しに来たのかを尋ねて欲しそうな目をチラチラと兄の顔を覗っているだけで、 自分から口を開こうとはしない。 そのまま微妙な空気が数分間ほど続き、 「どうした?」 結局、根負けしたのは浩一の方だった。 もしかしたら今になって胸を見られたことで問い詰めに来られた可能性もあるので、気を遣って 優しめの声色で、簡潔な一言で尋ねる。 そして兄の方から取っ掛かりを作ってくれたお陰で幾分は緊張が抜けたらしい優香里は、これまた 何故か不機嫌そうに唇を尖らせて横を向いたまま口を開く。 「あれから、みっくんに電話してみたんだけど……」 「お、おぅ」 「兄貴の言った通り、何でもないって言ってた。別に付き合ってもないし、兄貴の分までお弁当を 作ったのも一緒に食べたのも今日が初めてだし、アタシの事心配して昨日兄貴に色々頼んだお礼で、 気になるならアタシが一緒しても全然良いって」 「お、おぉ……!」 全ての原因が自分も催眠術だ、と言う点を除けば後ろめたい要素など何も無いのだが、ホッとして しまう浩一。相変わらず優香里が目を合わせようとしないのも、もしかしたら猜疑心で凝り固まった 挙げ句に詰問口調でアレコレ押しつけてしまったためにバツが悪いからなのかも知れない。 ともあれ、これで優香里も納得してくれたのなら何よりだ。 「それで……その、さぁ?」 「お、おぅ?」 が、妹の話にはまだ続きがあった。 「アタシね、なんてゆーか……みっくんに怒られちゃった」 「お?」 「だから怒られたの! 兄貴は受験で大変なのに心配掛けちゃダメじゃないかーとか、兄貴が優しい からって甘えすぎてないかなーとか、ちゃんと感謝してるかーとか、なにあれ? みっくんは誰の 味方だっつーの! アタシの友達じゃん? 兄貴の奥さんかっての!」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/171
172: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:33:27.57 ID:Jv7kTNjm どうやら美空にあれやこれやと注意されたのが悔しかったらしい。 あの理路整然とした口調で正論をぶつけられ、反論すら出来なかったのだろう。 段々と声が荒くなってゆく優香里。 「ねぇ兄貴、アタシってば面倒くさい? 一緒にいると疲れる? 可愛げない? 超ワガママ? そんなに自己チューでウザい系!?」 「お、おぅ……じゃなくて、そんなことはないぞ、うん!」 「っ!」 言い直し気味に慌ててフォローを入れると、優香里の顔が強ばる。 しかも……なんだか涙ぐんでる? 「えっと、優香里?」 失敗したか、と焦る浩一。 「ほんとに……フォローしてくれるんだ」 「へ?」 ぽろぽろと泣き出されてしまった。 「みっくんが……兄貴は優しいから、アタシが八つ当たりしても………だから、ちゃんとお礼、 しないと……捨てられても知らないよって……」 「お、おぅ」 「兄貴、ちょっと起きてくれる?」 「い、いいけど……」 涙を拭いながら頼まれると、もう逆らえない。 しかも妹だ。 訳が分からないまま、とりあえずベッドの上に座り直す。 「は、恥ずかしいからこっち見ないでよ? っていうか目ぇ閉じてて!」 「こうか?」 正座して目を閉じると、優香里の気配が近づいてくる。 「動いたらダメだかんね! 絶対だよ?」 自分に対しては暴力を振るわないという催眠術は効いてる筈だし、いまの話の流れからすると 感謝の気持ちっぽいのも期待できそうだが、負い目があるだけに緊張してしまう浩一。禁止された 視覚以外の残り四感をフル稼働させて…… ぱふっ 「ど、どう? ?」 サラサラの生地越しに温かくて柔らかくて、程良い弾力で全てを受け止めてくれそうな何かを 顔面に押しつけられ、細い腕が後頭部に回され引き寄せられる。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/172
173: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:35:18.77 ID:Jv7kTNjm 何が起こっているのかは希望的観測込みで推測できるが、頭の中で前後の整理が追いつかず 現実として受け入れられない浩一。 昨晩チラリと拝んだ妹のバストが頭の中に蘇り、軽いパニックに陥ってしまう。 「ちょ、ちょ……おま、これ……」 「ひゃんっ! く、くすぐったいから息しないでよぉ!」 「いや、だって……」 「ううう動くなって言ったっしょ! あと目、開けてないよね!?」 ぎゅぅぅ、と更に強く抱きしめられると鼻先が胸骨に当たって少し痛い。 「お、おぉ……」 目の前には、というか浩一の視界は妹のパジャマで埋め尽くされている。 「こ、これもアタシじゃなくて、みっくんが言ってたんだからね! 兄貴は受験だけでも すっごいストレス溜めてるのに、アタシが負担かけたりベタベタ甘えたりしてジセーシンが 飛んじゃったんだって! だから……アタシが特別にハッサンさせたげる! だって半分 くらいはアタシのせいっぽいし、みっくんじゃ小さくて絶対物足りないし!」 「ち、小さくて物足りないって……」 美空の姿を思い浮かべ、頭の中で上半身のラインを想像してみるが、 「ああっ! いま、みっくんのこと想像したっしょ! ダメだかんね! 兄貴はアタシのこと 以外考えるの禁止!!」 これでもか、と自分から体を揺すって胸を擦り付けてくる妹。 もうちょっと質量が欲しいような気もするが、二つの脹らみに挟まれてランダムに擦られる 心地よさは未知の領域だ。 しかもボディソープか何かの香りと優香里自身の匂いが混ざり合ってクラクラしてくる。 「かかかカレにだってしてあげたことないし! だから、えっと……ああもぉっ!」 「おおおっ!?」 そのまま優香里に押し倒されてしまう浩一。 「も、もう訳わかんないくらいに恥ずかしいし! 顔見られるのか絶対無理だから兄貴は このままサッサと寝てよねっ!」 更に訳の分からないことを宣ってくれる。 「こ、この状況で寝ろとか無理も大概むぐぐぐぐぐっ!?」 「やだやだやだっ! 兄貴が寝るまで絶対離さないからぁl!」 ガッチリホールドしたままだが、流石に自分が上に乗ったままの状態で安眠しろというのは 無理かも知れないと考える程度の知性は残っていたらしい。 ころりと四分の一回転して兄の負担を減らし、子供をあやすように頭を撫でる。 「……兄貴には、みっくんがいるかも知んないけど……アタシには兄貴だけだし……」 「…………」 「これくらいなら、時々したげるから……アタシのこと捨てないでよぉ……」 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/173
174: 名無しさん@ピンキー [sage] 2019/10/14(月) 08:36:01.86 ID:Jv7kTNjm ここまで 催眠術何処行ったのかって? デスヨネー(^^ゞ http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1557153189/174
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