[過去ログ] 【職人】MC・催眠系総合スレ その19【求む】 [無断転載禁止]©bbspink.com (1002レス)
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162: 2019/10/14(月)08:21 ID:Jv7kTNjm(1/13) AAS
>>152からの続き
163: 2019/10/14(月)08:22 ID:Jv7kTNjm(2/13) AAS
 眠っている妹に欲情して上半身を剥いでしまった翌日。
 浩一は優香里が起きるより先に、逃げるように家を出た。
 というか実際、顔を見るのが怖くて母親の弁当まで遠慮して逃げ出したわけだが。
 「……これからどうすんだよ、俺……」
 相手は妹だ。
 同居している家族だ。
 単なる友達とか級友とは訳が違う。
 今朝は逃亡で何とかなったが、帰宅すれば嫌でも会うことになるのだ。
 いや、それどころか優香里の方は一刻も早く兄を問い詰めたいに違いない。
 現状は単なる問題の先送り。
省24
164: 2019/10/14(月)08:24 ID:Jv7kTNjm(3/13) AAS
 「ちょっと驚かせちゃったかな?」
 まるで恋人のように寄り添い、浩一と並んで廊下を歩くのは相原美空。
 「まぁ……正直驚いたけど……」
 「だよね?」あはは、と照れ笑い「でも番号もメアドも交換してないし、クラス以外は
分からないから他の方法が思いつかなかったんだよ。どうしても今日じゃないと駄目な
用事もあったしね?」
 二人が向かっているのは屋上。
 女の子の弁当箱にしては大きすぎる包みを抱えているのを見た浩一が、希望的観測込みで
事情を察して場所を変えようかと提案したからだ。
 もちろん、教室中の奇異の視線から逃れるという意味も含めて。
省27
165: 2019/10/14(月)08:26 ID:Jv7kTNjm(4/13) AAS
 「そ、そういうものなのかな……?」
 「そういうものなんだよ。だから……はい、どうぞ?」
 何時の間にか取り出した可愛らしいフォークで鶏の唐揚げらを刺し、片手を下に添えながら
差し出す美空は満面の笑み。
 まさか嫌とか言わないよね? とプレッシャーを掛けられている気がしないでも無い。
 「え? え?」
 「え? じゃないよ。見ればわかるよね? はい、あーん?」
 「ちょ、ちょっと!」
 「ここまで来て女の子に恥をかかせたりしないよね? 早く食べてくれいないとボクも
食べれないし、お昼休みも終わっちゃうよ? だからぁ、あーん?」
省20
166: 2019/10/14(月)08:27 ID:Jv7kTNjm(5/13) AAS
 「でも俯いて落ち込んでいるよりは全然良いと思うなボクは。きっと麻衣子だって同じだと
思うよ? さすがだね、お兄さん」
 「いや、なんていうか、あれは……」
 実は大失敗だったりするわけで。
 「ん?」と、そんな浩一の様子に気付いた美空が首を傾げる「お兄さん、優香里を元気づけようと
して、わざと怒らせたんじゃないのかい?」
 「期待を裏切っちゃうようで申し訳ないけど、実は……」
 思わず天を仰いでしまう浩一。
 折角の逃避先から、一気に現実へと引き戻されてしまった。
 「それは、なんていうか……詳しい話は……」
省23
167: 2019/10/14(月)08:28 ID:Jv7kTNjm(6/13) AAS
 結局、それ以上に具体的なアドバイスは聞けないま『お兄さんなら大丈夫だよ、ボクが
保証するから』なんて太鼓判だけ押して貰い、そんな美空の言葉を反芻しながら放課後を
迎えた浩一は、とりあえず当たって砕けるしか無いと腹を括って……
 「……………(じぃーーーーっ!)」
 「よ、よぉ……」
 家に帰って気持ちを落ち着けてから話そうと思った矢先に校門で妹の待ち伏せを食らい、
早くもペースを乱されつつ必死に表面を取り繕う。
 「……えっと、優香里?」
 「…………(ぷいっ!)」
 だが待っていたはずの優香里は返事も返さず、不機嫌そうに顔を背けてスタスタと
省22
168: 2019/10/14(月)08:29 ID:Jv7kTNjm(7/13) AAS
 それから数分後。
 
 ずずず〜〜〜〜〜〜っ!

 受付での対応を全部浩一に押しつけた優香里は、これまた浩一がドリンクバーで用意して
運んできたコップのジュースを一息に吸い上げて、
 「……けぷっ」
 炭酸を一気飲みした反動で可愛い音を立て、少し恥じらいながら空になったコップを
差し出して二杯目を要求。負い目を感じている浩一が召使いのように急いで取ってくると、
今度は音を立てないように半分ほど飲み、ホッと息をついた。
 私、怒ってるからね! と眉間にシワを寄せ目を合わせないまま。
省22
169: 2019/10/14(月)08:30 ID:Jv7kTNjm(8/13) AAS
 「そりゃ兄貴が誰と付き合おうと兄貴の勝手かも知れないし! 妹のあたしにイチイチ
報告する義務とかないかも知れないけど、ちょっとはアレだと思わない!?」
 アレが何をさすのか全く理解できないが、とにかく耳を傾け続ける。
 「ねぇ兄貴、ちゃんと聞いてる? 返事がないんですけど!」
 「も、もちろん!」
 「『もちろん』じゃなくて『聞いてます』だと思うんですけどぉ? マジで分かってんの
兄貴は? 昨日、ちょっとはカッコ良いこと言ってたけど朝起きたらいなくなってるし! 
アタシはおっぱ……なんか脱がされてるし! ソッコーで逃げてるし! 超ムカついたから
お昼に行こうと思ったら、まーちゃんが変にからんでくるし! そんで、みっくんが大きな
包み持ってコソコソ出て行くのが見えたから必死に探したら屋上で兄貴とベタベタしてるし!
省34
170: 2019/10/14(月)08:31 ID:Jv7kTNjm(9/13) AAS
 その後、もう二回ほどジュースの追加を命じられ、会計も全て請け負ったことで多少は溜飲が
下がったらしい優香里に並んで歩くことを許可された浩一は、傍目には二人仲良く肩を並べて
帰宅できた。
 実際、「あら珍しい!」と玄関先で母に驚かれる程度の関係までは修復できたらしい。
 もっとも、兄妹の間で会話らしい会話は全く出来なかったが。
 そして更に夕食も済ませた後、
 「……疲れた」
 幸か不幸か、苦労して妹の機嫌を直したことで生乳を見たことは有耶無耶に出来たようだが、
どっと疲れてしまった浩一は、昨夜の優香里のようにベッドに突っ伏して呟いた。
 特に仲が良いわけでもなかった妹をチャラ男から救おうと催眠術の事を調べ始めてからこっち、
省20
171: 2019/10/14(月)08:32 ID:Jv7kTNjm(10/13) AAS
 だが、何か用があってきたはずの優香里は後ろ手にドアを閉めた場所に立ったまま、何故か
居心地が悪そうに両腕で胸を庇いながらモジモジと体を揺らしている。
 「………………」
 その上、何しに来たのかを尋ねて欲しそうな目をチラチラと兄の顔を覗っているだけで、
自分から口を開こうとはしない。
 そのまま微妙な空気が数分間ほど続き、
 「どうした?」
 結局、根負けしたのは浩一の方だった。
 もしかしたら今になって胸を見られたことで問い詰めに来られた可能性もあるので、気を遣って
優しめの声色で、簡潔な一言で尋ねる。
省20
172: 2019/10/14(月)08:33 ID:Jv7kTNjm(11/13) AAS
 どうやら美空にあれやこれやと注意されたのが悔しかったらしい。
 あの理路整然とした口調で正論をぶつけられ、反論すら出来なかったのだろう。
 段々と声が荒くなってゆく優香里。
 「ねぇ兄貴、アタシってば面倒くさい? 一緒にいると疲れる? 可愛げない? 超ワガママ?
そんなに自己チューでウザい系!?」
 「お、おぅ……じゃなくて、そんなことはないぞ、うん!」
 「っ!」
 言い直し気味に慌ててフォローを入れると、優香里の顔が強ばる。
 しかも……なんだか涙ぐんでる?
 「えっと、優香里?」
省23
173
(1): 2019/10/14(月)08:35 ID:Jv7kTNjm(12/13) AAS
 何が起こっているのかは希望的観測込みで推測できるが、頭の中で前後の整理が追いつかず
現実として受け入れられない浩一。
 昨晩チラリと拝んだ妹のバストが頭の中に蘇り、軽いパニックに陥ってしまう。
 「ちょ、ちょ……おま、これ……」
 「ひゃんっ! く、くすぐったいから息しないでよぉ!」
 「いや、だって……」
 「ううう動くなって言ったっしょ! あと目、開けてないよね!?」
 ぎゅぅぅ、と更に強く抱きしめられると鼻先が胸骨に当たって少し痛い。
 「お、おぉ……」
 目の前には、というか浩一の視界は妹のパジャマで埋め尽くされている。
省26
174
(1): 2019/10/14(月)08:36 ID:Jv7kTNjm(13/13) AAS
ここまで
催眠術何処行ったのかって?
デスヨネー(^^ゞ
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