[過去ログ] 【Wizardry】ウィザードリィのエロパロ16【総合】 [無断転載禁止]©bbspink.com (320レス)
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318: 4 2021/05/14(金)05:25 ID:uUFUdK3i(4/6) AAS
「ただ愛ゆえに救うと……わたしの傷を癒して、この空間からも出してくれるなら、私はあなたを信じよう」
十字の鍔を向けたまま、ローズは膝立ちに身を支えた。立てないのだ。

魔王はそんな彼女を見つめ、表情から微笑の消えたいま、美しいその顔は造り物のように冷酷になった。
その言葉を――地上の教会では、僧侶たちはそのように教えている。
言えばイエス・キリストの代名詞のようにだ、古き神々はその言葉を恐れ、あらゆる魔術は力を失う、と。

「使い魔や、無力な子鬼どもなら、その言葉を聞くのすら恐れ、逃げ惑うであろう。
だが、そなたは相手を見誤っているのだ。剣の少女よ。わたしにそれを語ってはならぬ」

眉を曲げ憐れむような眼で、悪魔はローズを見、錠前屋のことなどは念頭から消えた。
ローズ、こいつは、そんなんじゃないかもしれない。

「わたしは、そなたの思っているような霊ではない。悪魔として、善意さえ施すことができるが、
そなたがわたしに告げた言葉が、真実どのような意味をもつものか、そなたは知らぬ。
そなたは、それをわたしに求めるべきではなかった……」

そうしている間にも、その美貌はしだいに崩れ、苦しげな表情がその面に浮かんだ。
この際が、最後の勝負どころだから、ここを譲ることさえなければ、たとえ死んでも、勝ちなのだと確信し、
「結局のところ、その言葉を口にすることはできないようね。
愛すると、言ってごらんなさい……できるものなら」
「そなたを愛そう」

びくんと跳ねるように、ローズの体が震えるのを見た。
ぎょっとなって錠前屋は彼女を見た。体が小刻みに、不自然にぶるぶると痙攣していた。
それを堪えようとしているように、彼女は自分の体を腕で抱いた。

悪魔は当たり前に結界を踏んで越えた。

愛する……火を吐くごとく、呟くとともに、魔王の体の数か所から発火した。
苦痛のように顔を歪めたが、構わずに、彼はもう一歩、進んだ。
悪魔が閾を超えて近づくと、悪魔と同じように、ローズの身体からも発火した。
彼女は身を震わせて、やがて炎に包まれた。

彼女の前にきて、彼は言った。
わたしには人を愛することができる……そなたの神よりも。
(嘘だ)
信じなくてもいい。ただ求めればいい、汝は癒されん。
(求めてはならない)

やめろ。その娘に触れるなと錠前屋は叫んだが、それは声にならなかった。
彼は彼女の首もとに手を置き、顔を近づけ、唇をつけた。

鎧と聖なる装束が、魔王の腕に接触している部分が発火して燃え上がる。彼女の金髪が舞い上がった。
不滅、不可蝕のミスリルが溶解して気化する。手から剣は落ち、鎧は溶け散った。
二人はひとつの火柱のようになって燃えた。
素肌に何もまとうものなく、彼女は巨大な火炎の前に無防備な身をさらし、膝を合わせ、警戒して見つめていた。
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