[過去ログ] 若返る女・成長する少女10 [転載禁止]©bbspink.com [無断転載禁止]©bbspink.com (186レス)
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50: yumu 2019/07/25(木)17:04 ID:WW1NuMXn(9/10) AAS
瑠璃子のイライラはマックスに近かった、ただでさえ嫌いな子供たちに囲まれ、自分より年下の保育士にお昼寝の失態を片付けられた挙句紙おむつまで履かされたのだ。
これ以上の屈辱は無かった、本来であればこんな嫌なことがあった時は仕事終わりにスポーツジムで汗を流した後に、クラブにでも行ってお酒を飲んでストレスを発散したいところだった。
しかし、今はボール遊びで汗を流し、クマのキャラクターが描かれた水筒の麦茶を飲む。
上着のトレーナーは涎やソースを拭いたせいで湿った汚れがこびりついており、下半身はおねしょにより汚したため借り物のハーフパンツ、下着は紙おむつ、大人びていた瑠璃子の雰囲気とは真逆だった。
さらに言えば、遊びや食事、会話をとっても他の3歳児よりも幼いというのがさらに屈辱的だった。
例えば、先生が「みんな右手を上げて―」と言われた際、他の子が右手を上げている中、瑠璃子の身体は右と左が分からずに迷っている素振りをしてしまう。
先生が三角形を「これは何て言う形かなぁー」と質問すれば瑠璃子は「たんたくけー!」と答えてしまい、隣の女の子から「ちがうよー、さんかくけいだよー」と指摘されてしまう。
語彙力も、滑舌も、3歳児というよりは、言葉を覚えたばかりの赤ん坊の様な言い方に瑠璃子自身耐えられないでいた。
何もしないでいようと思っていても、遊んでいる光景が目に入ると勝手に近寄って行ってしまう。
話さないでいようと思っていても、誰かが近くにいると自分から喋ってしまう。それに気づけば親指をチュウチュウと咥えるおしゃぶりの癖が出てきてしまう。

瑠璃子がようやく落ち着く事が出来たのは、トイレの外にある手を洗う小さな洗面台だった。
周りに誰もおらず、遊ぶものも無い。呼吸を整えて、再度鏡に映る自分を見つめる。
クソガキ……そう心の中で呟いた。ノーメイクで、無邪気な顔は世間の事も何一つ分からず、赤ちゃんの様な可愛らしい雰囲気を放っている。
それ故に無知そうな表情、ダサい髪型をしているのが、あのモデル顔負けのスタイルを誇り、男性たちの目線を集めていた自分だとは思いたくなかった。
瑠璃子は怒りの表情に変わると、小さな拳を強く握って鏡に映る自分の顔を力いっぱい殴った。拳からジンワリと痛みが広がり、その痛みに一瞬顔をしかめた。
はずだった。
「……んぁっ?」
何が起きたのか一瞬分からなかったが、鏡に映る自分の顔を見て思わず口を開けてしまう。
殴りかかった右手は、人差し指を突き出すようにして自分の鼻の穴をグリグリとほじっていた。
鏡に映る自分の顔は間抜けそうに口を開けて鼻の下を伸ばしながら、隠す様子も無く鼻の奥まで指を突っ込んでいる。
「なっなっなっ……」
声にならない、スグに指を引っこ抜き、怒りと混乱から思わず左手で洗面台に向けて拳を振り下ろした。
はずだった。
「……ふぁっ!」
今度は左手で反対側の鼻の穴をほじくりかえす、反対の穴からは鼻をほじったせいで鼻水が垂れて来る。
それでも瑠璃子の身体は半目になって鼻の下を滑稽なほど伸ばしながら、鼻をほじるのを止めない。口からはフガフガと息が漏れてくる。
鏡が目の前にある分、いかに自分が周りを気にせずに剽軽な表情をしているのかが嫌でも目に入ってくる。
「あーっ、やだぁーるりこちゃーん!」
横を通り過ぎるヒヨコ組の女の子に間抜けそうに鼻をほじる顔を見られて笑われる。
それでも指は鼻をいじり続ける、数秒たってようやく指が抜けると、そこには黄ばんだゴミがくっ付いており急いで蛇口で洗い流した。
怒りでどうにかなりそうだった、こんな惨めな思いを体験したのは生まれて初めてだった。こんな思いをするくらいなら死んでしまいたかった。
僅か一日で瑠璃子は経験した事の無いストレスに押しつぶされそうになっていた。
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