[過去ログ] 若返る女・成長する少女10 [転載禁止]©bbspink.com [無断転載禁止]©bbspink.com (186レス)
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39: yumu 2019/07/24(水)19:08 ID:J3zr5H/M(6/8) AAS
「お待たせ致しました、到着です」
タクシーが止まるのに合わせて瑠璃子の変化も終わる。
長身で魅力的なスタイルだった大人の女性はタクシーにいなかった。
開かなかったドアが自動で開きヨタヨタと出てきたのは、走ったら転んでしまいそうな足元のおぼつかない小さな幼女だった。
大きな頭につぶらな瞳、不安げな顔は今にも泣き出しそうだった。
小さくなった恐怖からか、アニメプリンセスの描かれたトレーナーの裾をギュッと掴むその姿は、怖がりで人見知りな女の子を彷彿とさせる。
「お代は結構ですよ、どうですか、小さな3歳児になった気分は?」
タクシーの外には塚井麻穂が降りて来て、しゃがんで瑠璃子の目線に合わせる。
瑠璃子よりも小さな体格だった塚井は、今ではしゃがまないと若返った瑠璃子の目線にならなかった。
「何よコレ!最悪っ!!3歳って何!?早く元に戻しなさいっ!!」
泣き顔から一転、怒りの表情となり大声で叫ぶ瑠璃子は、塚井の髪を掴もうとするが、筋力が落ち鈍くなった身体ではヒラリと簡単にかわされる。
「私は依頼を受けただけですので勝手に元へ戻す事は出来ません」
「誰に依頼されたのよっ!?」
「お答えできません」
怒りからか、思わず拳を強く握る。あれだけ女性的で大人びていた自分が、今ではチンチクリンな幼児になってしまっているのだ。
着ている服も瑠璃子が着るにはあまりにも幼稚で恥ずかしいデザインだった。外でなければ今すぐに脱ぎ捨てたい気分にだった。
「それでは依頼主のご注文通りに、最後の魔法をかけます」
「ちょっ!やっ、やめてよっ!!」
瑠璃子は塚井の手を振りほどこうとするが、大人に手を掴まれると小さくなった体格では敵うはずがなく、頭に手を触れられると脳がキューっと締め付けられる感覚になる。
度数の強いお酒を一気に飲んだ時のような、睡眠薬を何錠も飲んだ時のような、体全体が宙に浮いたと思った瞬間、一気に目の前が明るくなった。
「……な、なにしたの?」
自分の身体や辺りを見回すが、変わったところは無い。しかし瑠璃子は何故だか口が……いや舌先が上手く動かない気がした。
「安達瑠璃子さん、あなたには幼稚化の魔法を掛けました、それによりあなたの言動一つ一つが、あなたが幼稚だと思う仕草になります」
瑠璃子は、何を勝手に、いい加減にしないと警察を呼ぶわよ!
と言ったつもりだったが、口から出てきた言葉は。
「そんなのいやだもんっ!」
発せられた舌足らずで、地団太を踏みながら大声を出したのは紛れもない瑠璃子自身だった。
それは瑠璃子自身が恥ずかしくなるほど幼稚な行動だった。
「フフフ、これからのあなたは、動きも、喋り方も、食べ方も、癖も、雰囲気も全てが幼稚だと思う動きになります、どんなに嫌で恥ずかしくて情けなくても魔法が解けるまでは一生そのままです」
なんで私がそんな恥ずかしいガキにならなくちゃいけないのよ!と叫んで殴りかかろうとした。
はずだった
「るりこは、はずかしくないもんっ!」
だが実際はほっぺたを膨らませて、いかにも拗ねた様な言い方をする自分自身に困惑する。
「プッ……フフフ、そうですね瑠璃子ちゃんは恥ずかしくないもんねぇ、でもそうやって親指をおしゃぶりしていると笑われちゃいますよ?」
「んむっ!?」
瑠璃子は塚井に指摘されて、自分が親指をチュウチュウと咥えているのに気付きスグに引っこ抜く。
自分でも気づかないうちに、様々な仕草が幼児特有の恥ずかしい言動に変換されてしまう。
瑠璃子自身は大人の行動をしたつもりだが、実際は正反対の動きや喋り方となって表れてしまう。
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