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愛するが故に無理やり…… Part9 (359レス)
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コッペリアに花束を
2013/06/04(火)00:47
ID:ZakXDM1E(5/8)
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21: コッペリアに花束を [sage] 2013/06/04(火) 00:47:47.09 ID:ZakXDM1E 「合併…?!」 謁見の間へ入るなり、目に飛び込んできたのは十数名の騎士達だった。 血を連想させるような緋色の鎧は、明らかにこの国が保有する騎士団のものではない。 こんな色をした鎧を纏っている騎士は、何処を探してもあの国の騎士団以外にはないだろう。 赤い集団の中でただ1人、白銀の軽鎧を纏った女の姿が写る。凛とした佇まいと、精悍かつ清廉な顔つき。 かの国の女王に生き写しだと称されている。…その女の名はアプリコット。ミオの妹だ。 「いかにも、僭越ながら報告に参り申しました。此度我が国は、フロックス領と併合し、新王国を築くこととなりました。」 「解せぬ。フロックス領は我が叔父の治める領地。あそこが独立領とはいえ、それを許可なく勝手に併合だと? まずは国王たる我に報せの一つなど寄越すべきであろう。」 「陛下へは書簡にて通達済みのはずですが?」 そうであれば、ここまで動揺などするものか。そのような重要な書簡がアスターの元に届かないはずはない。 …考えられるのは、この合併が事後報告前提で進められた可能性と、書簡が何者かによって処分された可能性。 フロックス領は、不貞により国を追放される王弟へのせめてもの情けとして前国王が与え、独立を認めた土地だ。 いくら独立を認めているとはいえ、大国の管轄下にあり、治めているのは国王の実弟。 大国の属国という肩書きが欲しい周辺の国々は、挙ってフロックス領と同盟を組み、今では事実上大陸北部の3分の1を統治している。 そこに同じ手法で西の3分の1を統治しているかの国が加わるとなると、実質大国に次ぐ規模の領土を掌握した事になる。 これは大陸の安寧を揺るがしかねない事態である。そこまでして、かの国は何がしたい? …いや、そんな事はわかりきっているか。 「女王陛下及び新議会はは新王国の閣僚として、ミオソティス様の起用を決定しました。それは先の書簡にてお伝えしたとおりですが…。 ローラント陛下が返答を下さらないので我々はこれを無言の了解と見なし、此度ミオソティス様のお迎えに上がった次第です。 貴国より戴いた結納金は全額返金し、建前上正妃が必要だという事でしたら、代わりに四の姫のカルミアを寄越すと――」 「ふざけるな!!」 アスターの怒号が轟く。これほどまでの怒りを覚えたのは、初めてだ。ヒースですら、彼をここまで激昂させる事はなかった。 嫁がせる事でミオの唯一無二の居場所を奪い、ヒースという刺客を送る事でミオを惑わし、王族の地位から堕落させる。アスターの面目を潰すのはその片手間。 一向に解せず、同時に許せない。何故ミオをそれほどまでに毛嫌いする。彼女に何故これほどまでに惨い仕打ちをするのか。 ―――アキレギア女王よ。 「一刻も早く国へ帰り、あの狂乱女王に言い聞かせよ。ミオソティスは既に身も心も我に染まっておる。あれはもうこの国の王妃だ。我の女だ。 お前が今更欲している一の姫はもう我から離れられぬ、我以外の男を欲さぬ身体にしてやった、とな!」 今まで平静だったアプリコットの顔が、一瞬にして不快感に満ちていく。だがそれも束の間、すぐにいつもの仏頂面に戻り、淡々と言葉を述べる。 「…拒否するのならば、戦争です。」 もはやここまで来れば狂国。醜いものに悉く汚された愚かな国だ。それをアスターは大いに嘲笑う。 「我が国を挑発するとは愚の骨頂。だが実に愉快だ。いいだろう、受けて立つ! この際、貴国を徹底的に――」 「……お止めください!」 静かな、だが力強い声が謁見の間に響き渡る。その場にいた全員の視線が声の主へと集まる。 アプリコットの周りを取り囲む騎士達が一斉にざわめいた。 「ミオ……」 息を切らしながら現れたミオは2,3深呼吸をした後アスターに歩み寄り、彼を真っ直ぐな目で見据える。 「冷静さを欠いて、衝動的に戦争なんて…貴方らしくもない。そんなばかげた事、お止めください。 私が祖国へ戻る事で戦争を回避できるのであれば、私は喜んでそうします。」 「ミオ、お前何を」 アスターを見つめたまま、ミオは微笑む。彼を癒し、落ち着かせる花のような笑み。もう何も言えなかった。否、言えなくなった。 そして彼女は振り向き、呆気にとられたままのアプリコットに向かって、口を開く。 「リコ、ローラント陛下を挑発するのは止めなさい。……貴女と共に祖国へ帰還いたします。 荷物をまとめ次第岐路に着きます。半刻ほど、城の外で待っていてください。いいですね?」 静かに響いたその言葉に、リコもまた無言で頷く事しか出来ずにいた。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1368708784/21
合併?! 謁見の間へ入るなり目に飛び込んできたのは十数名の騎士達だった 血を連想させるような緋色の鎧は明らかにこの国が保有する騎士団のものではない こんな色をした鎧を纏っている騎士は何処を探してもあの国の騎士団以外にはないだろう 赤い集団の中でただ1人白銀の軽鎧を纏った女の姿が写るとしたまいと精かつ清廉な顔つき かの国の女王に生き写しだと称されているその女の名はアプリコットミオの妹だ いかにも越ながら報告に参り申しました此度我が国はフロックス領と併合し新王国を築くこととなりました 解せぬフロックス領は我が叔父の治める領地あそこが独立領とはいえそれを許可なく勝手に併合だと? まずは国王たる我に報せの一つなど寄越すべきであろう 陛下へは書簡にて通達済みのはずですが? そうであればここまで動揺などするものかそのような重要な書簡がアスターの元に届かないはずはない 考えられるのはこの合併が事後報告前提で進められた可能性と書簡が何者かによって処分された可能性 フロックス領は不貞により国を追放される王弟へのせめてもの情けとして前国王が与え独立を認めた土地だ いくら独立を認めているとはいえ大国の管轄下にあり治めているのは国王の実弟 大国の属国という肩書きが欲しい周辺の国は挙ってフロックス領と同盟を組み今では事実上大陸北部の3分の1を統治している そこに同じ手法で西の3分の1を統治しているかの国が加わるとなると実質大国に次ぐ規模の領土を掌握した事になる これは大陸の安寧を揺るがしかねない事態であるそこまでしてかの国は何がしたい? いやそんな事はわかりきっているか 女王陛下及び新議会はは新王国の閣僚としてミオソティス様の起用を決定しましたそれは先の書簡にてお伝えしたとおりですが ローラント陛下が返答を下さらないので我はこれを無言の了解と見なし此度ミオソティス様のお迎えに上がった次第です 貴国より戴いた結納金は全額返金し建前上正妃が必要だという事でしたら代わりに四の姫のカルミアを寄越すと ふざけるな!! アスターの怒号が轟くこれほどまでの怒りを覚えたのは初めてだヒースですら彼をここまで激昂させる事はなかった 嫁がせる事でミオの唯一無二の居場所を奪いヒースという刺客を送る事でミオを惑わし王族の地位から堕落させるアスターの面目を潰すのはその片手間 一向に解せず同時に許せない何故ミオをそれほどまでに毛嫌いする彼女に何故これほどまでに惨い仕打ちをするのか アキレギア女王よ 一刻も早く国へ帰りあの狂乱女王に言い聞かせよミオソティスは既に身も心も我に染まっておるあれはもうこの国の王妃だ我の女だ お前が今更欲している一の姫はもう我から離れられぬ我以外の男を欲さぬ身体にしてやったとな! 今まで平静だったアプリコットの顔が一瞬にして不快感に満ちていくだがそれも束の間すぐにいつもの仏頂面に戻り淡と言葉を述べる 拒否するのならば戦争です もはやここまで来れば狂国醜いものに悉く汚された愚かな国だそれをアスターは大いに笑う 我が国を挑発するとは愚の骨頂だが実に愉快だいいだろう受けて立つ! この際貴国を徹底的に お止めください! 静かなだが力強い声が謁見の間に響き渡るその場にいた全員の視線が声の主へと集まる アプリコットの周りを取り囲む騎士達が一斉にざわめいた ミオ 息を切らしながら現れたミオは23深呼吸をした後アスターに歩み寄り彼を真っ直ぐな目で見据える 冷静さを欠いて衝動的に戦争なんて貴方らしくもないそんなばかげた事お止めください 私が祖国へ戻る事で戦争を回避できるのであれば私は喜んでそうします ミオお前何を アスターを見つめたままミオは微笑む彼を癒し落ち着かせる花のような笑みもう何も言えなかった否言えなくなった そして彼女は振り向き呆気にとられたままのアプリコットに向かって口を開く リコローラント陛下を挑発するのは止めなさい貴女と共に祖国へ帰還いたします 荷物をまとめ次第岐路に着きます半刻ほど城の外で待っていてくださいいいですね? 静かに響いたその言葉にリコもまた無言でく事しか出来ずにいた
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