[過去ログ] 東京マグニチュード8.0でエロパロ 震度2 (384レス)
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39: 二学期の、出来事 2010/03/02(火)19:15 ID:Vc/b2MEQ(16/25) AAS
「あ……メグ、おはよー……久しぶり……」

 翌朝。学校の玄関口で顔を合わせたのは、二学期に入ってずっと学校に来ていなかった、クラスメイトの
メグだった。メグのお母さんが亡くなったことは、ユカも知っていた。メグとはそれほど仲が良いわけでは
ないけれど、それでも学校に来られないクラスメイトのことが心配だったことには変わりはない。
 二学期に入ってすっかり様変わりしてしまった自分のクラスが、メグが戻ってきたことで少しだけ一学期の
頃に戻ったみたいで、ユカは小さな安心感を覚えた。

「あ、おはよう……ってユカ、どうしたの、その顔!? 目の下に隈出来てるよ!?」

 げっそりしたユカの様子に、驚くメグ。あ……やっぱりそう見えちゃうんだ……と、他人事のように考えるユカ。
ピアノのレッスンがなくなったおかげで、後悔する時間だけはたっぷりあった。昨日の夜は、後悔と罪悪感で一睡も
出来なかった。朝は親にも驚かれて、具合悪いなら学校休んでもいいのよ!?と心配された。でも、今日休んで
しまったら、どんどん未来やマユとの距離が離れていってしまうような気がした。どんなに二人と顔を合わせ
づらかったとしても、そうなることだけは絶対に嫌だった。今なら、どんな罰にも耐えられるような気がした。

「だいじょーぶ……ちょっと夜更かししちゃっただけだから……」

 言いながら、見当違いの方向に向かって歩いていくユカ。メグは慌ててユカの手を取った。

「ユカ、そっち二年生の教室だよ!? ああもう、こっちこっち!」

 ユカの手を引いて、自分達の教室に向かって歩いていくメグ。ああ、あたし、メグに心配かけさせちゃった……
メグの方がずっと大変なのに……ほんとダメダメだなぁ……などと、ダメ人間まっしぐらな思考に耽るユカ。

「メグ……」
「何?」
「いろいろ大変だと思うけど……元気出してね……」

 手を引かれながら、蚊の鳴くような声でつぶやくユカ。思いがけない言葉でも聞いたかのように、
目をパチクリさせるメグ。

「何言ってんの? 今元気が必要なのはユカの方じゃないの?」

 そうだろうか。言われてみれば、そうかもしれない。ユカは妙に納得した。

「……ナイスツッコミ……」

 相も変わらないげっそりした表情のまま、グッと親指を立てておどけてみせるユカ。それを見たメグは
数秒固まった後、堪え切れなくなったように、ぷっと吹き出した。そのまま、メグはしばらく笑い続けた。

 はて……あたし、なんか面白いこと言ったっけ……? いかんせん現在の精神状態が酷過ぎて、三秒前の
自分の言動すら全く記憶に残っていない。我ながら、よくこんな状態で学校まで辿り着けたものだと思う。
 まあ、いいや。メグ、笑ってるし。いろいろ大変だと思うけど、元気出してね。リサも心配してたよ。
朦朧とする意識の中、そんなことを考えるユカだった。
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