[過去ログ] 東京マグニチュード8.0でエロパロ 震度2 (384レス)
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37: 二学期の、出来事 2010/03/02(火)19:13 ID:Vc/b2MEQ(14/25) AAS
「じゃあ、ゴミはあたしが捨ててくるから。みんなは先に帰っていいよ」
「そう、じゃあユカ、お願いね。また明日ねー」

 その日の放課後。ユカは掃除当番だった。同じ班のクラスメイトを先に帰らせて、自分はゴミ箱を持って
ゴミ捨て場へ。授業時間が長くなっているのに加えて、最近は日が暮れるのも早くなってきた。空はすでに
オレンジ色に染まりつつある。
 二学期始まったの、ついこの前なのになぁ……。人気の少なくなった校舎の中、そんなことを思って
ため息をついてしまう。そうして、空のゴミ箱を持って教室に戻ってきたユカを待っていたのは、見知った
人影だった。

「……マユ」
「……帰ろ」

 教室の隅にゴミ箱を戻して、教室の戸に鍵をかけて、退室。職員室に鍵を返して、二人並んで廊下を
歩き出す。廊下の窓から差し込むオレンジ色の光が、二人の影を長く伸ばしていた。

「未来と、何かあった?」

 マユは、遠慮なく訊いてくる。こういうところは、本当にマユには敵わない。今日、ユカと未来は、
朝の一件からずっと口をきいていなかった。ユカから話しかけることもなかったし、未来から話しかける
こともなかった。マユはずっと二人のことを気にかけていたようだったけど、特にそのことで何か
訊いてくるようなことはしなかった。でも今、マユはユカを待ってくれていた。きっと、二人だけで話す
時間を作ってくれたんだと思う。本当、自分には出来過ぎた友達だと、ユカは思った。

「……あのさ……」
「何?」

 マユになら。マユになら、全部話してしまってもいいのかもしれない。友達とケンカして、自分が
悪いようなら謝ればいい。今まで、ユカはそのやり方で友達付き合いを乗り切ってきた。そのやり方で
対処できないケースがあるなんて、全然思わなかった。まさか謝ることで友達を傷つけることがあるなんて、
想像もしてなかった。もう、ユカにはどうすればいいのか、全然わからなかった。

「あたし……未来に、嫌われちゃったかもしれない……」

 自分でもびっくりするぐらい情けない声だった。こんなに参っているつもりはなかった。こんなに
落ち込んでいるつもりはなかった。自分のことは、もっと鈍感な人間だと思っていた。未来の家に
行ったとき、自分は薄情な人間かもしれないと思ったのが嘘のようだった。

「……は? なんで? なんでそんなこと思うの?」

 マユはそんなユカの言葉が不思議でたまらない様子だった。ユカは全部話すことにした。
もう、心のブレーキはとっくに壊れていた。

「この前さ……未来の家に、弟君の仏壇に、お線香あげに行ったでしょ? あのとき、あたし、ピアノの
レッスンあるからって言って、すぐ帰っちゃったよね? あれ……嘘だったんだ。本当は、ピアノの
レッスンなんてなかったの。ピアノは、地震で壊れちゃって、今修理中だから。あのときすぐ帰ったのはね、
未来の悲しい顔を見てるのが……つらかったからからなんだ」
「…………」
「でもあの後ね、学校で未来の顔を見る度に、未来に嘘をついたことを思い出しちゃって。そのせいで、
未来とうまく話が出来なくて。だから、今朝、未来に……嘘をついたことを話して、謝ったの。
でもね、未来、全然怒らないの。すごく無理した顔で……家に来てくれて嬉しかった、って……」
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