[過去ログ] 東京マグニチュード8.0でエロパロ 震度2 (384レス)
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36: 二学期の、出来事 2010/03/02(火)19:12 ID:Vc/b2MEQ(13/25) AAS
「……そうじゃないけど……」
ユカは、もう耐えられなかった。未来にこんな顔をさせるつもりじゃなかった。溢れてくる罪悪感を、
止められなかった。
「ごめん……ごめんね、未来……」
思わずユカは、未来に頭を下げていた。もう、まともに未来の顔を見られない。未来の顔が見られなくて、
ユカはずっと顔を上げられなかった。
「や、やだ、ユカ。どうしたの、なんで謝るの? 顔、上げてよ、ユカ」
慌てた様子で、ユカに顔を上げるよう促す未来。でも、ユカは顔を上げられなかった。上げられるわけが
なかった。気が付いたら、溜め込んできた汚い思いを、洗いざらいぶちまけていた。
「あたし、未来に嘘ついてたの。未来の家にお線香あげにいったとき、すぐに帰ったのって、ピアノの
レッスンがあったからじゃないの。あたしが、未来の悲しい顔を見てるのがつらくなったからなの。
ピアノなんて、地震で壊れちゃってて、レッスンなんてなかったの。未来、本当にごめんなさい!」
言ってしまった。言うだけ言ってしまった。何もかも吐き出した頭の中は、真っ白に染まっていた。
今のユカに意識できるのは、見慣れた教室の床と、自分の心臓の鼓動だけだった。長い長い沈黙が続いた。
こんなにも長くて苦しい沈黙を、ユカは経験したことがなかった。やがて、未来がようやく小さな声を発した。
「そう……だったんだ……」
今、未来はどんな顔をしているんだろう。どんな気持ちでいるんだろう。ユカには全然想像できない。
想像する余裕もない。未来の反応が怖くて、顔を上げられない。
「顔、上げてよ、ユカ」
しっかりした声で、促す未来。声を聞いただけで、未来が無理をしているのがわかった。ユカはようやく
顔を上げた。このまま頭を下げ続けて未来の顔から目をそらしていたら、未来だけに無理をさせているみたいで、
申し訳なくなったからだった。
「気にしなくていいよ、そんなこと。あたし、ユカが家に来てくれて、嬉しかったよ」
やだよ、未来。怒ってるなら、怒ってくれてもいいんだよ? 呆れたなら、呆れてくれてもいいんだよ?
そんな優しい言葉をかけないでよ。あたし、嘘をついてたんだから、優しくしてくれなくてもいいんだよ?
お願いだから、そんな悲しい顔で笑わないでよ。
ねえ、未来。あたし達、まだ、友達だよね?
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