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【従者】 主従でエロ小説 第七章 【お嬢様】 (497レス)
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ワインの口付け 2
2010/01/19(火)03:29
ID:As3QEuyv(3/6)
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11: ワインの口付け 2 [sage] 2010/01/19(火) 03:29:29 ID:As3QEuyv 辛辣な言葉とは裏腹に、かの青年貴族に袖にされたことにフランシスカが相当なショックを受けているのは明白だった。 背が高く、少々粗削りだが十分な美形で、無骨なようで頭の回転が速い――理想的なドイツ貴族である伯爵に、フランシスカはすっかり熱を上げているのだ。 彫刻のような繊細な造形とエスプリ、それから寝所での技巧に重きを置くフランス貴族とは違った魅力に、物珍しさを感じているだけかも知れないが。 しかしフランシスカの誘いは、伯爵家に仕える下男によって丁重に断られた。 彼が口にした理由――奥様の伯母上が嫁ぎ先で急にお亡くなりになり――が、単なる体の良い言い訳に過ぎないことに、エティエンヌははっきり気付いている。 無論、口には出さない。 「構いやしないわ。ねえエティエンヌ、確かフィリップもこちらに亡命していたわよね?」 「ええ、程近い場所に妹君の嫁ぎ先のお屋敷があるとかで」 「なら、近い内に訪問します。可愛い赤毛のフィリップ、すっかり私に夢中になっていたもの」 「畏まりました、直ぐに手配を済ませます」 二十にも届かないくせに、一端の貴族女らしい好色を気取る女主人はなかなかに滑稽でもあった。 恭しく頭を下げることで口の端が笑みの形に歪んでしまうのを隠す。 四歳年上の亡命貴族のことを考えて、フランシスカの機嫌は少し戻ったようだった。 「頼んだわよ」 「お嬢様の仰せのままに。――それでは、今宵はもうお休みになられますか?」 「そうね……」 視線を天井の方へ上げて、フランシスカはちょっと首を傾げる。そんな仕草は年相応にあどけない。 次の瞬間に浮かべた悪戯っぽい笑顔も少女らしいと言えるものだったが、エティエンヌには幾分タチの悪いものに見えた。 思わず、端正な眉を僅かにしかめる。 「――いいえ、エティエンヌ。今夜は私に付き合ってもらうわ。どうせもう、仕事なんて残っていないでしょう?」 「……えー。残念ながらお嬢様、夜のワインセラーのチェックがまだ――」 「うそつき」 エティエンヌは完全にしかめ面になった。 嘘を見破られたからではなく、全くの言いがかりだったからで、しかもフランシスカ自身にもその自覚があることが分かったからだ。 「嘘ではありません、お嬢様。執事は嘘をつきません」 「ふん。あらそう。なら早くチェックを済ませて、部屋に戻ってきなさい。あまりに待たせるようなら、先に寝てしまうわよ」 寝てしまうのならばその方が助かるのだが、命令とあらば仕方がない。 エティエンヌはせめてもの抵抗として、大げさに溜め息をついた。このくらいなら許されて然るべきだと思う。 「畏まりました。少々お待ち下さい、お嬢様」 普段なら楽しみなワインセラーへ向かう足取りが重い。 そんな風にあまりに憂鬱だったせいか、それとも古びたドアの軋む音にかき消されたせいか。 「…………ばか」 部屋を出る際にフランシスカが口にした呟きは、エティエンヌに聞こえることはなかった。 http://mercury.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1263220316/11
辛な言葉とは裏腹にかの青年貴族に袖にされたことにフランシスカが相当なショックを受けているのは明白だった 背が高く少粗削りだが十分な美形で無骨なようで頭の回転が速い理想的なドイツ貴族である伯爵にフランシスカはすっかり熱を上げているのだ 彫刻のような繊細な造形とエスプリそれから寝所での技巧に重きを置くフランス貴族とは違った魅力に物珍しさを感じているだけかも知れないが しかしフランシスカの誘いは伯爵家に仕える下男によって丁重に断られた 彼が口にした理由奥様の伯母上が嫁ぎ先で急にお亡くなりになりが単なる体の良い言い訳に過ぎないことにエティエンヌははっきり気付いている 無論口には出さない 構いやしないわねえエティエンヌ確かフィリップもこちらに亡命していたわよね? ええ程近い場所に妹君の嫁ぎ先のお屋敷があるとかで なら近い内に訪問します可愛い赤毛のフィリップすっかり私に夢中になっていたもの 畏まりました直ぐに手配を済ませます 二十にも届かないくせに一端の貴族女らしい好色を気取る女主人はなかなかに滑稽でもあった 恭しく頭を下げることで口の端が笑みの形に歪んでしまうのを隠す 四歳年上の亡命貴族のことを考えてフランシスカの機嫌は少し戻ったようだった 頼んだわよ お嬢様の仰せのままにそれでは今宵はもうお休みになられますか? そうね 視線を天井の方へ上げてフランシスカはちょっと首を傾げるそんな仕草は年相応にあどけない 次の瞬間に浮かべた悪戯っぽい笑顔も少女らしいと言えるものだったがエティエンヌには幾分タチの悪いものに見えた 思わず端正な眉を僅かにしかめる いいえエティエンヌ今夜は私に付き合ってもらうわどうせもう仕事なんて残っていないでしょう? えー残念ながらお嬢様夜のワインセラーのチェックがまだ うそつき エティエンヌは完全にしかめ面になった 嘘を見破られたからではなく全くの言いがかりだったからでしかもフランシスカ自身にもその自覚があることが分かったからだ 嘘ではありませんお嬢様執事は嘘をつきません ふんあらそうなら早くチェックを済ませて部屋に戻ってきなさいあまりに待たせるようなら先に寝てしまうわよ 寝てしまうのならばその方が助かるのだが命令とあらば仕方がない エティエンヌはせめてもの抵抗として大げさに溜め息をついたこのくらいなら許されて然るべきだと思う 畏まりました少お待ち下さいお嬢様 普段なら楽しみなワインセラーへ向かう足取りが重い そんな風にあまりに憂だったせいかそれとも古びたドアのむ音にかき消されたせいか ばか 部屋を出る際にフランシスカが口にしたきはエティエンヌに聞こえることはなかった
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