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夏目友人帳でエロパロ (885レス)
夏目友人帳でエロパロ http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/
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692: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/23(水) 20:46:35 ID:PdyjbcWM >でも、sageような スマン ><; http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/692
693: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/23(水) 23:12:15 ID:kf9YihGI >>690 レスありがとうございます、嬉しいです sage忘れてました、スミマセン >>691 その部分の描写、余計な気がして(その禄の告白シーンの印象が強くなるかと思って)推敲段階で削ってました。 お気に召さないかもしれませんが、推敲前投下してみますね http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/693
694: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/23(水) 23:14:04 ID:kf9YihGI ―その弐―(推敲前・タキ描写多いです) 最後、タキがちょっと「あかく〜」の国府化してます 「ようこそいらっしゃいました。時期外れでして賑わってはございませんが、お部屋と食事、温泉はゆったりとお楽しみいただけるようになっております。どうぞごゆっくり」 仲居さんに案内された部屋は広く、やはり窓から海が見渡せるようになっていた。部屋の中は暖かい。 先生はさっそく座卓の上の茶菓子に手を伸ばし、タキにお茶を入れてもらっている。 「夏目君!大変!」 タキが突然声をあげた。 「どうした!?」 「テレビがあるわ!100円入れないと動かないタイプよ!見なくちゃ!」 「…そ、そうか…」 宿に到着してから、タキの様子が何となく変だ。そわそわと先生に話しかけているかと思えば、ふと俯いて黙る。 「(ずっと、人と話さない様にしていたんだよな…旅行でも寂しかったのかもしれないな)」 夏目もはしゃぎたくなる気持ちはよく理解出来る。 テレビをつけようとしているタキを見ながら、洗面所の鏡で首筋を確認したが何ともなかった。 「…気のせいか。ところでタキ。聞きたいんだけれど」 「何かしら?」 「どうして君の荷物もここにあるんだ?」 タキが答えるまで少し間があった。見ると僅かに頬が赤い。 「…だって同じ部屋だもの」 「…まさか一部屋しか予約しなかった、とか…」 「私達まだ高校生よ?バイトもしていないのに一人一部屋なんて贅沢出来ないわ」 夏目の顔がさーっと青くなる。「宿の人に言ってもう一部屋用意してもらってくる!」 「夏目君ダメよ!私余分のお金なんて用意してないもの!」 それは夏目も同じだ、同じだが。 「…タキは同じ部屋で構わないのか?…その…」 「ふん、お前の様なモヤシを警戒する女などいるものか」 「モヤシとは何だ!モヤシとは!ニャンコ先生の分の刺身はないからな!」 「何だとっ!モヤシのくせに私の美味いものを奪う気かっ!」 タキがクスクス笑いだし、「…はっ!」我にかえった夏目はパンチを繰り出してくる先生のでかい頭を押さえつつ、もう一度聞いた。 「その…タキは本当におれと同じ部屋でいいのか?男と一緒じゃ気をつかうだろう?」 どことなく硬かった表情がほぐれ、ふわりとした笑顔になる。 「猫ちゃんも一緒だし、その方が楽しいと思うわ」 また僅かに頬を染め、微かな上目遣いで続ける。 午後の陽射しにタキの柔らかな輪郭が淡く溶け、その儚い美しさから夏目は目がそらせない。 「男の子と同じ部屋なんて初めてだから緊張するけれど、夏目君なら平気よ」 また微笑んで、でもはにかむように言う。 タキがいいと言うのに、これ以上反論する言葉も宿代も持ち合わせてはいない夏目だった。 「なら…悪いけど一緒の部屋に泊まらせてもらうよ。ニャンコ先生いびきかくなよ」ささやかな仕返しをする。 露天風呂を堪能(先生と一緒に入りたいと言うタキをなんとか説得)した後は、海の幸たっぷりの夕食(夏目と先生で刺身他の取り合いバトルが勃発するもタキが刺身を分けてくれ和解、酒を寄こせと騒ぐニャンコ先生をなだめ)、グッタリした二人は早めに寝ることにした。 『(…布団がくっついている!)』夏目もタキも何となく赤面してしまう。 「せ、先生の寝相が悪いから間空けるよ」 「え、ええ…」 「何だとっ!高貴な私のねぞっ」先生の口をふさぎ夏目は布団を入り口近くまで寄せる。気恥ずかしさでうつむいたままの二人は「…おやすみなさい」「…おやすみ」言葉少なに布団に入った。 『(…眠れるだろうか…)』夏目もタキも、心臓が耳元にあるかのように感じていた。 「(…今すぐそこに夏目君が…私…ああだめよ、余計眠れなくなるじゃない!考えちゃだめ。それに猫ちゃんだっているし…)」 「(ああ!つるふか猫ちゃんを抱いて眠りたいっ!)」 「(夏目君…もう眠ったかしら…はっ!寝返りをうてば夏目君の寝顔がすぐそこに?!)」 夏目はいつの間にか寝入った様で、微かな寝息が聞こえる。 「(…私ひとりで緊張し過ぎよ、眠らなくちゃ)」 タキもそっと眼を閉じた。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/694
695: 691 [sage] 2009/12/24(木) 00:52:50 ID:zgjyyu0U >>694 GJ! やはり女の子の描写が増えるというのはイイッす 確かに作者さんの思うとうり、文章を削ったり入れたりする判断は難しいですお さて、仲良くなったことだしセカンドインパクトも期待してるっスよ http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/695
696: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/24(木) 14:15:14 ID:xVQU5fvj 夏タキ投下した者です 続きというかおまけというかも投下しておきます エロなしです、ごめんなさい。1レスです エロは時間かかるんで、書けたらまた来ます 失礼しました〜 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/696
697: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/24(木) 14:22:17 ID:xVQU5fvj ―その八―(おまけ) 淡く射し込む朝日で、夏目は目が覚めた。隣にはタキがまだ眠っている。 「(…あったかい)」 人の温もりとはこういうものなのか―静かに微笑み、タキの柔らかな髪をそっと撫でた。 「やっと起きたか。ふん、なんだその弛んだ顔は」 「まあまあ斑様、夏目様もお疲れでございましょう」 妖二人が枕元にいた。 「…いっ、何時からそこにっ!」 慌てて起き上がると、布団がずれたせいかタキも目覚める。 「…夏目君?…おはよう…っきゃあ!」 座るニャンコ先生と明石を見つけ、タキの顔が見る間に朱に染まる。 思わずタキを後ろに庇い、夏目は言った。 「…人の寝顔を黙って眺めてるなんて、ニャンコのくせに悪趣味だぞ」 精一杯の照れ隠しだ。 「なっ…!高貴な私にむかって悪趣味とはなんだ悪趣味とは!それにニャンコではないといつも言っておるだろうが!」 怒る先生と明石を追い出し、夏目とタキは身支度を整える。何となく気恥ずかしくて、まだお互い目が合わせられない。 タキを気遣って、夏目は障子の向こうに移動した。 「…ふぅ。」 微かにため息をつく。どんな顔をして話したらいいのか全然わからない。 何気なく外を眺めて、着替えの手が止まった。 「(…やっぱり夏目君て優しい)」 移動した夏目を目で追って、タキは思う。 昨夜の事が蘇り、タキは着替えつつも自分の体に目がいってしまう。 「(ここを夏目君の唇が…)」 「(手があんなに優しく…)」 「(あ…ここは…は、恥ずかしいっ)」 真っ赤になりながら着替えを終えると、障子の向こうで待っていてくれた夏目が声をかけてくる。 「タキ、こっちに」 熱い頬をぺちぺちと叩きながら近づくと、 「…海が、綺麗なんだ。すごく」 タキは息をのむ。澄んだ冬の大気を透して陽の光は海に降り注ぎ、小さな波の表面が揺れて輝く。きらきら、きらきらと。 「…きれいね、とても。とても」 この景色を自分に見せようと呼んでくれたことがただ嬉しかった。 「…タキ、ありがとう」 夏目が呟き、ふと指先が触れ合う。 夏目の顔が少し赤く見えるのは朝日のせいだけではないだろう。 自然に笑みがこぼれてくる。なんだか、すごくすごく嬉しい。 「どういたしまして」 顔を見合わせ、クスクスと笑いあう。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/697
698: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/24(木) 14:26:37 ID:xVQU5fvj と思いきや2レスでした…ごめんなさい ―その九(おまけ続き)― 「夏目、飯が来たぞ!私の分もちゃんとあるんだろうな!」 騒がしく入って来た先生をなだめ、朝食をとる。 夏目から一夜干し、タキから卵焼きをせしめた(口止め料?)先生は、満足げに日向ぼっこなどして、タキに撫でられている。 隅に座していた明石がすう、と夏目の傍に寄ると、 「夏目様、この度は本当にありがとうございました。無事、呪も新しい力を得る事ができました」 深々と頭を下げた。 「つきましては、私めの名前、友人帳に差し上げたいと存じます」 「いや、いらないよ。お前を従えるつもりは無いし、どちらかと言えば名前を全て返してしまいたいくらいだし」 夏目はさらりと答える。妖を物の様に使いたくはない。祖母もそんなつもりで友人帳を作ったのではないのだから。 「…何か御礼をしたかったのですが」 「…ならこれからは、お前の呪で誰かが幸せになるような使い方をしてくれないか」 望まぬことで涙する人がいないように。 「…かしこまりました。夏目様は本当にお優しい。では私めはそろそろ失礼いたします。帰路、お気をつけてくださいませ」 艶々と笑った明石は、微かな琴の音とともに消えた。 「お土産でも買って、帰ろうか」 荷物をまとめ、宿の人達に見送られながらまた海沿いの道を駅へと辿る。 風は少しあるが、きらきらと輝く海を背に。 僅かに後ろを歩くタキは、両手いっぱいに紙袋やら何やら下げている。 「(お土産、色々選んでたしな)」その姿が可愛らしくて思い出し笑いをしてしまう。 「(こういう時はきっと男が荷物を持つんだろうな…言ってみようか)」 意を決して声をかける。 「…タキ、少し持とうか」 その声で海を見ていたタキは夏目を見、花が咲く様に笑った。 「ありがとう。でも大丈夫。夏目君もお土産、たくさんあるもの」 夏目の両手もタキと同じ状態だ。 「(…本当は夏目君と手を繋いでみたかったんだけれど)」 きっと夏目は照れながらも手を出してくれるだろう。 でもそれをからかう相手がいる時に言うことで、優しい夏目を困らせるのは嫌で、言えなかった。 だから代わりにタキは言った。 「…また、またいつか来られるといいなあ」 もちろん、一緒に。 夏目は少し驚いた顔をした後、タキを見て笑った。 「そうだね、また一緒に」タキも驚いた顔になり、そして二人で笑った。 先生は欠伸をしている。 今度は暖かい春の日に来よう。 お土産は一つだけにして、手を繋いで君と歩こう。 並んで。 どこまでも。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/698
699: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/24(木) 21:08:32 ID:x5wnV+C7 gj! タキかわいいよタキ http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/699
700: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 12:38:22 ID:VWastiAS >>696-698 GJ! タキは人気ものだから書くのは難しいだろうけど、次作をまったりと待ってますね http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/700
701: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 15:16:18 ID:7I7uu4Dc >>699 ありがとうございます! >>700 ありがとうございます!クリスマスなんで頑張って書きました。 5レスあります。 最後ちょいエロで止めてますが、続きエロで書いた方が需要あるでしょうか? とりあえず暇がなくなってしまったので途中ですが投下していきます 年明けには続き持ってきます!ごめんなさい http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/701
702: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 15:17:24 ID:7I7uu4Dc 夏タキ クリスマスバージョンです ―その壱― 「…なんて言ったらいいんだ?」 夏目は通学途中、いや昨夜から困惑し続けていた。 昨日は久しぶりに早く帰った滋さんと塔子さん、夏目とニャンコ先生の4人で食卓を囲んだ。 「明日はクリスマスねえ」 少女のようにウキウキとした塔子が言う。 「ああ、そうだな。ケーキは買ってこようか?それとも作るのか?」 「(クリスマスを誰かと祝えるなんて、初めてだなあ…)」 夏目も塔子のウキウキが移ったような気分になる。 「私ね、とても良い考えがあるの。ふふ、滋さんも貴志君も驚くと思うわ」 「うん?」 「はい」 一息ついて塔子が発した言葉に、夏目は凍り付いた。 「うふふ、貴志君のね、彼女さんも呼ぶの!私張り切ってごちそう作るから♪もちろんケーキも手作りよ!」 「…ほう。貴志、彼女がいるとは初耳だぞ」 滋の目がキラーンと光る。「いや、あの、何かの勘違いじゃないですかっ?」 焦る夏目に塔子が追い打ちをかける。 「貴志君、この間お友達と一泊旅行にいったでしょ?北本君と西村君とだって言っていたけど、駅でさよならしてたの、女の子だったの!」 「お買い物の時にちょっと駅の近くのお店に行ったら偶然!おしとやかそうでとっても可愛らしいお嬢さんだったわ♪」 「(見られていたのかっ…しかも塔子さんにっ!)」 夏目は食卓に突っ伏したい気持ちになった。 「貴志、彼女なのか?相手のご両親はちゃんと知っているのか?名前は何ていうんだ?」 見られていてはさすがに誤魔化しようがない。 「…多軌 透さんっていいます。彼女というか、何というか…」 「きちんと付き合うつもりがあるのなら、多軌さんのご両親に了解をとってご招待しなさい」 叱られるのを覚悟していたが、続く滋の言葉が夏目は素直に嬉しかった。 「隠したい気持ちもわかるが、ちゃんと紹介してほしいんだ、貴志」 「ここは君の家で私達は家族で、君が好きになった相手には、私達も会いたいよ」 「そうよ、貴志君。遠慮なく連れて来て頂戴」 優しい人達。あたたかな笑顔。 「…はい。明日、聞いてみます」 そう言ったはいいが、 「…なんて言おう…ニャンコ先生!なんて言えばいいんだ!?」 「知るかアホウが」 混乱する夏目をジロリと一瞥し、先生は眠ってしまう。 「タキのクラスに行って呼び出す…とか?…おれには無理だ…」 「うう…とりあえず寝る…」 明け方まで悩んだ挙げ句、何一つ思いつかなかった自分が、夏目は情けない。 「…学校に行って、後はどうにかするしかないか…」 グッタリと疲れている夏目とは正反対に、旗でも降りそうな勢いの塔子さんに送り出され、学校へ向かう。「今日は終業式だったな…」 ふう、と吐く息が白い。 「(藤原さんの所に来たのも冬だったな…)」 タキはどんな顔をするだろう。もう家族や他の誰かとの予定があるかもしれない。 でも、もし来てくれたなら滋も塔子も心から喜んでくれるだろう。 優しいあの人達に少し恩返しが出来るような気がした。 「(…よし!)」 気合いを入れた瞬間、 「…夏目君、おはよう」 「うわっ!」 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/702
703: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 15:18:17 ID:7I7uu4Dc ―その弐― タキがいた。夏目の心臓がバクバク鳴っている。 「(び…びっくりした…)」 「どうしたの?そんなに驚いて。通学路で会うなんて珍しいわね」 「あ、ああ…ちょっと考え事をしていて」 タキの手が頬に触れる。ふわり、と良い香りがして夏目はふと酔ったような気分になった。 「隈が出来てるわ。何かあったの?」 心配そうな不安気な顔。 「…タキは、今日、終業式の後に何か予定があるかい?」すらすらと出てくる言葉に夏目は驚いていた。 「特に何もないけれど」 「(やっぱり何かあったのかしら…寝不足みたいだし。妖関係?)」 タキは、まさか夏目の自宅に招待されるなどと思ってもいない為、答えた後に考え込んでいた。 「…良かったら今夜家で一緒に食事しないか?藤原さん達に紹介したいんだ」 夏目の言葉に耳を疑う。 「…ええーーーっ!」 「この間の旅行、改札前で別れる所を塔子さんに目撃されてた様なんだ。彼女なら連れて来いって」 タキは自分が耳まで赤くなるのがわかった。心臓が跳ね上がる。 「(か、彼女?!夏目君そう言った!?…どうしよう、駄目、恥ずかしくて声がでなくなりそうっ)」 「…タキが嫌なら無理にではないから」 夏目の声がほんの少し寂しそうになり、タキは彼を抱きしめた衝動にかられる。 「(私、嬉しいんだ。夏目君が好きでたまらないんだ)」 「ありがとう、とても光栄よ。ぜひご一緒させて頂戴」 一番の笑顔で言えたと思う、顔が赤いのはきっと気づかれたけれど。 一度帰宅してから待ち合わせることになった。 「おーい夏目ー全部終わったぞー」 西村、北本に起こされて一緒に学校を出る。 「お前、今日もずっと寝てたなあ。記録更新だぞ」 「何か悩んでるなら言えよ?お前水臭いんだからな」 夏目は微笑む。 「…ああ、ちゃんと言うよ。今日は単に寝不足なんだ」 「ならいいけどさ。よし、冬休みは遊ぶぞーっ!カラオケも行くし忘年会も新年会もあるからなっ」 「ちゃんと来るんだぞ夏目」 「わかったわかった」 苦笑しつつも、夏目は嬉しい。 「(妖が見える事も、タキの事も…いつか、全部話すから)」 優しい友人達に心の中で言って、手を振り別れる。それぞれの帰る場所に。 家では塔子が目を輝かせて待っていた。 「どう?どうだった?貴志君」 「えーと…夕方待ち合わせて連れて来ます。『喜んで』と伝えてください、と」 「良かった♪これから腕によりをかけてごちそう作らなくちゃっ♪貴志君も楽しみにしててね」 「猫ちゃんのごちそうもあるのよ、ふふ」 とてとてと寄ってきたニャンコ先生を抱き上げて、夏目は部屋に入る。 「もしかして塔子さん、朝からずっとあんな感じだったのか?」 「お前の『彼女』が来ると言ってな、鼻歌なぞ歌いながらだ。まあ私は美味いものが喰えれば構わんが。」「…それにしてもタキが『彼女』とは、事実を知ったら滋も塔子もさぞ驚くだろうな」 「…下品だぞ、先生」 ニヤニヤ笑う先生に夏目は仕返しをする。 「下品とはなんだ!私を誰だと思って…」 怒りまくる先生を放っておき、夏目は着替えを済ませて家を出た。待ち合わせはすぐ近くの公園にしてある。 夕暮れが近い街はオレンジ色に染まり、どことなく慌ただしい。いつもは見かける子ども達も、ごちそう目当てに既に帰宅したのだろうか。 「…クリスマスか…楽しみだな」 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/703
704: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 15:19:06 ID:7I7uu4Dc ―その参― 「な、何着て行こう…」 タキは帰ってからずっと悩んでいる。 買い物など一年以上殆どしていなかったため、最近やっと友達と一緒に買った数少ない「よそゆき」を部屋中に広げているのだ。 「…ああ…どうしよう…」 母には夏目の家に招待された事を伝えたが、その時すでに「男の子ね?顔が赤いわよ」と見抜かれてしまった為、タキはいっそう緊張していた。 「…彼女ですって」 ふふ、と笑う。緊張しつつもこぼれてくる笑みは抑えられない。 きっかけは少し不本意だったけれど想いを伝え、結果他人に心を開かない夏目に少し近づく事が出来た。 もっと近づけるだろうか。「普通」の恋人同士にはならなくていい。ただ、傍にいて同じものを見ていたい、前の時の様に。 「…はっ!こんな時間に!」 時計は待ち合わせ時間近くを差していた。 「ぼんやりし過ぎよ、透!急がなくちゃ、ああ髪もこんなにぼさぼさっ」 慌てて身支度をする。結局買ったばかりの落ち着いたワイン色のワンピースを選んだ。 胸の下で切り替えられたAラインに少し左寄りに共布のリボンがついている。 襟元から白い釦がついているのが気に入って買ったものだ。 髪にはさっと櫛を通し、コートを羽織って飛び出すように家を出る。履き慣れない靴で走るのは大変だが、夏目を待たせたくない。 待ち合わせ場所近くでスピードを落とし、息を整えながら歩く。遅れずに済みそうだ。 「(へ、変じゃないかしら…)」 また乱れた髪を手で直し深呼吸を一つ。 「(普通に普通に…)」 夏目は公園の入り口に立っていた。夕焼けの空を見上げている。 夕暮れ時の穏やかな色に染まって微かに笑っているその姿は、声をかけるのを躊躇う程綺麗だった。 「…タキ」 はっとする。夏目に見惚れていたのを気づかれただろうか。 「…ごめんなさい、待たせたかしら。…何を見ていたの?」 「さっき着いたばかりだよ。夕暮れの色がきれいだったんだ」 「…それに、大切な人達と一緒に過ごせるのがとても幸せに思えて」 夏目はふっ、と息を吐いてタキを見つめる。 「今日は来てくれてありがとう、タキ」 「…いいえ。私もとても嬉しいわ、楽しみね」 夏目が「大切」と表現する中に自分も含まれていることに気づいて、タキはどくん、と鼓動が早まった。 「行こうか」 「ええ」 どんな夜になるんだろう。恋人同士に見える自分達の姿に、二人は気づいていない。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/704
705: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 15:20:01 ID:7I7uu4Dc ―その四― ぽつぽつと話をしながら歩き、藤原家に着いた二人は同じ事を考えていた。 『(…また緊張してきた!)』 「(どんな話をすればいいんだろうか…)」 「(失礼のないようにしないと…)」 深呼吸をしていると、玄関が内側から開かれる。優しく微笑む滋と塔子が立っている。 「ようこそ」 「さあさあ、どうぞあがってくださいな。まあ、やっぱり可愛らしいお嬢さん」 「は、はじめましてっ!多軌と言います。お邪魔します」 紹介くらい自分がしようと思っていたのに、先を越されてしまった夏目は苦笑する。 「(やっぱりタキはしっかりしているな…)」 食卓についた二人は目を見張った。 「うわあ!」 「塔子さん…すごいですね」 所狭しと並べられた料理の数々、数々。オードブルにチキンにサラダにスープにパエリアに(太巻きや海老フライなんかもある)―ケーキは苺とチョコの二種類あった。 「もう嬉しくて嬉しくて、つい作り過ぎちゃったの。ケーキはさすがに一つで良かったのよねえ、ふふ」 「…美味しそう。私、嬉しいです、こんなに歓迎していただいて」 タキはにっこりと笑った。夏目を大切に思っている気持ちがタキを迎える様子で伝わってきた。 「(本当に喜んでくれてるんだ、私が来たこと)」 子どものようにはしゃぐ塔子を滋が優しく見ている。ここはとてもあたたかい場所なんだ。 全員席について滋がシャンパンをあけ、食事が始まる。ニャンコ先生の席も夏目の隣にちゃんと用意されていて、タキは思わずくすりとする。 「ごめんなさいね、大人だけ飲んじゃって」 ふふ、と頬を染めた塔子が笑う。 「多軌さんは貴志君とどうやって知り合ったのかしら?聞いてもいい?」 柔らかな物腰ながら聞きどころは押さえてくる。 「それは私も聞きたいな、貴志。女の子に言わせるもんじゃないぞ」 滋から追求され、夏目は「うっ」と詰まりうっすら汗をかいている。 「(そうだ、藤原さん達は何も知らないんだったわ)」 タキが答える。 「私がずっと探していたものがあって、偶然会った夏目君の協力で見つける事が出来たんです。必ず見つけなければいけないモノだったから助かって。それから」 夏目とそっと視線を交わす。ほっとした表情だった。 「あらあらそうなの!貴志君ったら白馬の王子様みたいね」 「颯爽と現われたのか、貴志」 「…滋さん、塔子さん、勘弁してください…」 赤くなる夏目が珍しいのか、お酒が入っているからか夏目をからかうような藤原夫妻と照れる夏目の姿がなんとも微笑ましい。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/705
706: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 15:28:45 ID:7I7uu4Dc ―その伍― 「今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったし、美味しかったです」 タキが挨拶すると、滋と塔子はまたあたたかい笑顔になる。 「また、いらしてね」 「貴志をよろしく」 手を振る二人にお辞儀をし、送ってくれる夏目と並んで夜道を歩き始める。 「…とてもあたたかくて、優しい人達ね。良かった、夏目君が幸せそうで」 「ああ、…幸せなんだ、すごく」 タキはふと、自分の瞳から涙が零れたのに気づく。 「…タキ?どうした?」 「…私、嬉しかったの。夏目君が幸せで。大好きな人が幸せな姿を見ることが出来て」 ああ、とタキは思う。 「貴方が怖い思いや悲しい思いをする事がなくなれば良いと思う。でもそれは難しい事だとも思う」 「だから、夏目君が帰る場所があのあたたかくて優しい人達の所で良かった」 心からそう思う。 「…タキ」 ふいに抱きしめられた。 「ありがとう、タキ。本当に、本当にそれだけで十分だよ」 そっと唇が重ねられる。 「…好きだよ」 お互いの鼓動が早まる。息が弾む。 タキは自分から夏目の首に腕を回しくちづける。舌を絡め何度もキスを交わすと、夏目が言った。 「…タキ。おれ、止められなくなるよ」 胸元の白い釦が手早く外され、夏目の手が滑り込んでくる。 「んっ!」 「冷たい?それとも…もう感じてくれてるの?」 蕾にくるくると触れられ、声をあげそうになるのをタキは必死でこらえる。 夏目の胸を押し返しながら、タキは呟く。 「駄目よ」 「…止められないって言ったよ、透」 手首を押さえられ、耳元で囁く声は甘い。 「夏目く…」 「貴志」 言葉は唇で遮られる。遠くの街灯の光が夏目の瞳で煌めいた。 胸は露になり、夏目の舌は舐め、時に甘噛みをし、いじめるように愛撫する。 「んっ…!」唇を噛んでタキは喘ぎをこらえるが、ぞくぞくとした快感が体を巡った。 夏目の右手が内股をなで、下着の隙間からするりと中に忍び込む。指先で弄ぶようにされると、タキの体がびくりと震える。 「…はっ…だめっ」 「…どこが?」 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/706
707: 支援 [sage] 2009/12/25(金) 18:00:50 ID:VWastiAS >>702 ここで止めとは殺生な、需要は有るお。 エロシーンが短くてもイっからオチを早めに付けて欲しいお http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/707
708: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 18:46:05 ID:7I7uu4Dc >>707 すみません!頑張りました! 明日から休みなしになりましたが(笑) 2レス投下します〜 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/708
709: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 18:47:04 ID:7I7uu4Dc ―その禄― 夏目は、愛撫する右手はそのままに、タキの首筋に舌を這わせた。舌と指先の動きに反応してタキが身を震わせる。 タキの肌は上気して、とろりと溢れるものと溶け合う程に熱かった。 「…はあっ」 必死で声をあげるのを我慢するタキの切なげな表情に、夏目の体は火照る。 「…透」 そっと囁く。 タキは快感の波に必死で耐えていた。 「(こんな場所でっ…声…だしちゃだめ…っ)」 少しでも口を開けば声をあげてしまう。 「(…夏目君…どうして急にっ…)」 夏目が触れた部分が灼けるように熱い。体の芯まで火照って震えて、寒さもわからない。 うっすらと開いた目に夏目の顔が見える。タキは絞りだすように言った。 「な…つめくん…哀しいの…?」 「え…」 夏目の手が止まる。 「…涙」 タキは手を伸ばして長い睫毛が影を落とす瞳を拭った。 「…おれ」 夏目ははっとする。目の前で自分を見つめるタキの大きな深い瞳にも涙が浮かんでいた。 嫌がるタキを無理に押さえつけてしまった。 辛い思いをさせてしまった。 そのくせ泣いてなんかいた。 「…ごめっ…」 顔を覆う。 「(…タキを独り占めしたくなったのか?)何してるんだ、おれっ」 狼狽える夏目を、タキはそっと抱きしめる。 「…教えて?」 うなだれた頭をタキの肩に乗せたまま、夏目はぽつりと言った。 「…タキを、独り占めしたくなったんだ。今があまりにも幸せだったから、手を離したくなかった。…ごめん、こんなのただの言い訳だ」 「(…夏目君)」 タキは夏目がいとおしくてたまらない。 「…夏目君。私達は離れないわ、何があっても。私も藤原さん達も。急がないで。大丈夫だから」 「…タキ」 今度はタキが囁く。 「…続き、してくれる?」夏目が顔を上げ、涙でしっとりと濡れた瞳がタキを見つめる。うっとりする程に美しい。 タキは恥ずかしがりながら、スカートを持ち上げる。夏目が触れる部分は、まだ濡れたままだ。ついっとなぞられ、小刻みに突くようにされてぬるぬると滑る。 「…あっ」 「透、いい?」 返事を待たずに夏目はタキの中へと突き入れる。 「…はあっ(…気持ち、いいっ…だめっ…声っ…)ああんっ」 最初はゆっくりと、徐々に夏目の動きが激しくなり、タキもこらえきれずに声を洩らす。 「はっ…あんっ」 「あっ…くっ…」 二人とももう限界だった。「…たか…しくんっ」 「透っ」 同時に果てた二人はそのまま頬を寄せ、抱き合う。汗で顔に張り付いた髪をかきわけてキスをした。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/709
710: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 18:47:48 ID:7I7uu4Dc ―その七― 何とか服装を整えた二人はタキの家へ向かう。 「…ごめん」 「遅くなったこと?それとも襲ったことかしら?」 夏目の横顔に涙はないことを確かめて、タキはからかうように言ってみる。 「…両方、かな」 「…泣いたりしないでね。辛かったら話して。私達ならきっと負けないわ」 夏目が立ち止まる。 「…タキ」 「…一緒なら大丈夫よ、きっと」 夜目にも輝くように、夏目の周りの闇などに負けないように、タキは精一杯笑う。太陽のように。花のように。月のように。 「…ああ、そうだね」 夏目の手が、タキの手を優しく握る。 「…タキのご両親に何て言ったらいいかな」 「襲われて襲い返したら遅くなりましたって言おうかしら」 「…頼むからそれは止めてくれ」 声をあげて笑った。 こうして歩いて行こう。 昼も夜も。 光の中も暗闇も。 君と。 http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/710
711: 名無しさん@ピンキー [sage] 2009/12/25(金) 19:04:36 ID:VWastiAS >>708 GJ! 待ってたカイが有ったお >襲われて襲い返したら遅くなりましたって言おうかしら こうして彼女はちょとずつ、夏目に対して態度がデカくなるんだろうなぁ と思うと、夏目が女の子にモテルのも大変かと さてSSは、投下量をこなすのも大事だけど 質も大事だから 次回からは完成して推奨してから投下すると、より良くなっていくと思うお http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1222148643/711
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