[過去ログ] とある魔術の禁書目録 8フラグ目 (1001レス)
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993: 『風の行方』 ◆UHJMqshYx2 2008/05/17(土)00:09 ID:HMOBz0y7(2/3) AAS
 出てきた上条の台詞に、(なんでなんでこいつは私のことを私だって認めずにあの子たちだって
思い込んでんのよ! そんなにそんなに妹キャラが好きかよっ! しかも私のその扱いは扱いは扱
いは―――)と、怒りをたっぷりと乗せた思考が巡って、0.2秒で美琴の頭の中が沸騰した。ぷつぷ
つぷつーん、と糸の切れるような間抜けな音が聞こえたような気がする。
「本人だって言ってるでしょこの馬鹿! そんなにそんなに妹って響きが好きかこの馬鹿! ばか
ーっ!!!!!」
「どわああっ!!!!!」
 くぐり抜けてきた修羅場に、上条当麻は感謝するべきだろう。
 ブチ切れた御坂美琴の渾身の雷撃が防げたのも、場数を踏んだ身体が、察知した危険に対して
無意識に反応してくれたおかげだ。
 それでも、けっこうノーリミッターな美琴の雷撃に、半ば吹き飛ぶようにして上条は尻餅をついた。
「な、な、な………」
 言葉が出てこない上条に、ゆらりと美琴が近づく。
「そうまでして私のこと、スルーしたいわけ? 本人だって言ってるんだけど? そこまでしてあの子
と私を入れ替えときたい理由、あんの? 弁解するなら今のうちだけど?」
 抑えきれない怒りが、自分の頭の周囲で弾ける雷光として現れているのが美琴にも判る。パチ、
パチッ、と響く電気火花の音が大きく反響して耳障りだ。
 その、美琴の姿に怯えてか否か、上条の口からようやく言葉がこぼれた。
「あ、いや、その……な、短パ…ン、穿いて、無かったんで……」
 猛烈にバツの悪そうな表情でそう呟く上条に、またぷつん、と言う音が頭の中で響いた。
「ど、ど、どこで見分け着けてるのよーっ!! まさかアンタ、そうやって覗き込んでっ!!」
 美琴の怒鳴り声に、ひえっ、と小さく悲鳴を上げつつも、上条が弁解する。
 しかし、弁解しながらも、その視線が一瞬自分のスカートに伸びたのを美琴は見逃さなかった。
「み、見たんじゃ無くって、見えたんだっ……、その、その……」
「わたしはそんな無防備じゃないっ! それに、そんなことで勘違いされるくらいなら見せてやるわ
よ短パンぐらい! ほれ、見たけりゃ見なさいっ!」
 そう言うと、御坂美琴はスカートの端をぐいと掴んで、がばっと持ち上げた。

「………、あー…」
 目を逸らすべきなのだろうか。それとも、そうしているということで今、どういう状態になっているの
かをはっきり言ってやるべきなのだろうか。
 羞恥と気まずさで、上条当麻は自分の考えさえまとめられない状態なのだった。

 天下の往来でスカートを持ち上げて、淡いグレーと白の縞々が可愛らしい『それ』を上条に見せ
つけていること――要するに、短パンを穿き忘れていたこと――に、御坂美琴が気が付くまでには、
そのあと、正確に3分27秒を要することになる。

                                                      終われ。
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