[過去ログ] とある魔術の禁書目録 4フラグ目 (967レス)
1-

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
181: 『夢で会えたら Do_you_love_me?』 ◆UHJMqshYx2 [579.blog.shinobi] 2007/04/09(月)23:24 ID:w13m4L1C(4/7) AAS
 放課後。上条当麻はなんとなく本屋に足を踏み入れていた。コミック誌の発売日でもないし、
新しいマンガが出ているわけでもない。参考書――は以前買って埃を被っている事実から、
上条が手を伸ばすことはない。本当に、ただなんとなく入ってみただけだ。
 店内は学校帰りの学生たちでごった返している。
 そんな中で、棚に手を伸ばす一人の少女が目に入った。
 御坂美琴。
 どうも、一番上の棚の本を取ろうとして、手が届かないようだ。踏み台は、と見回して、他の
客が使っているのを認める。
 自然に少女の隣に立つと、手を伸ばしていた本を取って手渡した。
「よう御坂。これだろ?」
 虚を突かれたのだろうか、きょとんとした表情で上条の手から本を受け取る。
「あ、ありがと……」
 呆然としたまま、上条と手の中の本とを見比べる。数秒が過ぎて、
「あ、アンタどうしてっ」
 小さく叫び声を上げた。それから、周囲を見回す。
「きゃああああっ、お姉さまあっ」
「あの人、夏休みの方じゃないのっ?」
「やっぱりお姉さまの想い人はっ…」
 黄色い歓声が上がった。上条は気づかなかったのだが、よく見ると店内にいたのはほとん
どが常盤台中学の制服を着た女の子だったのだ。さすがにギョッとする。

 顔を俯けた御坂美琴が、無理やりに上条の手を取った。そのまま、足早に店から出ようとし
て、逆の手の中の本に気が付いて慌ててレジに戻る。カウンターで店員に本を差し出して財
布を出そうとするが、焦りまくって手が言うことを聞いてくれないようだ。
 見ると、本の値段はさっきコンビニで千円札を出したお釣りとよく似た金額で、そのお釣りは
ポケットに突っ込まれたままだ。美琴はどうも急いで店を出たいようだし、と上条はカウンター
に本の代金ちょうどの金額を置いた。
 すると、さらに背後から黄色い歓声。
 その声を受けつつ、店員から本をひったくるように受け取った御坂美琴に手を引かれて店を
出た。少女が耳まで真っ赤に染めていることに気付かなかったのは、それが上条だからとし
か言い様がない。

 店を出ても少女は足を止めず、それから15分、全速で街を走らされた。
1-
あと 786 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.008s