[過去ログ] サムスピ総合エロ萌えSS 4 (538レス)
前次1-
抽出解除 必死チェッカー(本家) (べ) 自ID レス栞 あぼーん

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
119: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)22:55 ID:O/HcmLgH(1/13) AAS
陸捨肆様の続きを期待して待っている今日この頃です。

今日という一日は、明日という二日の、価値を持つ BYベンジャミン・フランクリン

原作 陸捨肆様「リムルル」より
サムライスピリッツ外伝 もうひとつの物語
第十話「出発」

「体調はもう大丈夫なの?」
「はい、ユウキさんのおかげでもう大丈夫ですよ」
簡単な後始末を終え、戸締り、ガス、風呂の電気、ストーブ(弱火にしておけば大丈夫だろう)も消してある事を確認する。
普通に見ればこの時代の住人にしか見えないコンルと一緒にアパートの外に出る。
すがすがしい朝とはこういうことをいうのだろう。気付かれないようにコンルを横目で見た。
省4
120: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)22:56 ID:O/HcmLgH(2/13) AAS
アパートから駐車場までそんなに距離は離れていない。ついでに自転車小屋もある。
その自転車小屋の自転車と一緒にユウキ愛用のバイクが置いてあるのだが、今回は違った。
あの時コンルを連れてそのままアパートの中に入ってしまったのでバイクをそのまま放置してしまっていたのだ。
雪まみれになった愛用のバイクはご主人に見捨てられたかのように悲しそうに埋もれてしまっていた。
さっと雪をどかした。コンルもそれを見て手伝う。コンルから見れば見たこともない物体。
見た事もないからくりである。
ふと、コンルが見た事もない物体が気になったので声を掛けようとした。
「これはバイクといって、まあ簡単に言うと自由に出掛ける事が出来る最高の乗り物さ。
まあ、コンルの時代で言えば馬を何倍にも早くした感じだと思えばいいよ」
「はい」
省14
121: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)22:57 ID:O/HcmLgH(3/13) AAS
「きゃっ・・・」
生まれて始めて聞く音に反射的に小さな悲鳴を上げてしまった。ユウキがさぞ、無理もないかと言わんばかりに楽しそうに見ていた。
「乗って。今から少し現実世界を見せてあげるよ。リムルルを探すがてらね・・・」
「乗ってと言われても・・・・」
コンルが少し困った表情を見せた。どのようにして乗れば・・・・

ふと、コンルの頭の中で何かが走った。バイクを別の方向で想像してみる。カムイコタンの時代で例えるならこの乗り物は何に近いか・・・
バイクの形をもう少し柔らかく考えていく。そしてユウキの乗っている形。あれはまるで・・・

(シクルゥ・・・・)
完成した自らの想いに納得したコンルがシクルゥに乗る要領でユウキの後ろに座り込む。
「・・・」
省14
122: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)22:59 ID:O/HcmLgH(4/13) AAS
「少し、飛ばしていくから慣れない間は俺の体に捕まってた方がいいよ。もしかしたら落ちちゃうかもしれないから」
「はい、分かりました」
ヘルメット越しから響きの入ったコンルの声が返ってきた。それと同時であった。
むにゅっとした感触がユウキの背中に密着した。
「あっ・・・」
ふいに声を上げてしまった。忠告どおりにユウキの体を抱き締めたコンルが不思議そうに見つめる。
「どうかしましたか?」
「い、いや何でもない」
抱き締められた瞬間、彼女の胸がユウキの背中を押し付けたのだ。背中越しから感じる彼女の胸の感触。姉貴のはあまり感じないのにどうしてコンルにだけ・・・・?
身内と他人の違いかと、自分に納得させユウキはストッパーを外しバイクのアクセルを動かした。
省15
123: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:00 ID:O/HcmLgH(5/13) AAS
「いや、信号機といってここではしばらく止まらないといけないから」
ユウキの顔が上を見上げていた。コンルも空を見上げてみた。空は青い、空気も悪くない。
「もう少し顔を下にしてね。空に信号機はないから・・・」
「あっ・・・」
少し恥ずかしそうにコンルの目は空からもう少し下に視線を合わせた。
ユウキの後姿と共に三つの異なる色の物体を見つける。あれが信号機なのだと自分で納得させた。今は赤色の光が強くなっている。しばらくの間、無言の状態が続いた。
表情一つ変えないユウキ。赤色の光から青色の光が強くなった。
「また、動くから捕まっててね」
ユウキに促され再び動き始めるバイク。再びユウキの体に捕まるコンル。
しばらく、色々な道を回り、何度か信号機と呼ばれる物体と停止を繰り返す。
省13
124: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:01 ID:O/HcmLgH(6/13) AAS
(ど、どうして後ろを向いていないのに私の表情が分かったのでしょうか?)
コンルは知らなかった。ユウキのバイクミラーからコンルがはっきりと映っている事を・・・
(時代は変わっています。一人一人が自由に生活している時代。過去を生きる私達にとってはそれが正しい結末であるのか・・?
そして多くの家や街が増えれば増えるほど新たな道を切り開く為に自然が伐採されていくのもまた事実・・・それが少しだけ悲しいです)
コンル一人ではその答えを出す事は出来なかった。一人一人の意見が必要であると。

いよいよ、コンルの知らない世界が広がり始めた。徐々に人並みが多くなり始める。
ユウキの話によるとここは商店街と呼ばれる所でこういう休日になると特に人ごみで賑わうらしい。
ユウキが駐輪場でバイクを止める。自分のヘルメットとコンルのヘルメットを外す。
ついでに今更過ぎる質問をしてみた。
「寒くないかい?」
省12
125: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:02 ID:O/HcmLgH(7/13) AAS
「ユウキさん・・?」
ふと黙り込んだユウキを見てコンルがユウキを横から覗き込む。ユウキが自分の置かれた立場を思い出し、はっと我に返った。
「ああ、ごめん。じゃあ、一緒に歩こうか!」
「はい!」

第十二話「憧れの先輩」
がやがやと人通りが多くなる。見慣れない人々、服装が自分やユウキに近い格好ばかりである。
着物や、ざんばら髪、ちょんまげ、刀を帯刀している者。色々と探しては見たが、やはりこの時代にはいなかった。
しかし、坊主頭や、金髪の男性、女性はいくつか目撃した。中には髪が生えていない男性もいて驚くコンルであった。
(この人ごみの中でリムルルを探すのはとても難しいですね
まだ気配を感じない。少しでも断片的な気配があれば・・・)
省13
126: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:03 ID:O/HcmLgH(8/13) AAS
「けーさつ?」
「ああ、黒い服を着たおじさん達。まあ分かりやすくいえば役人みたいなものだよ」
「それは大丈夫です」
不安を他所にコンルが言葉を返した。
「私達はそのけーさつから脱獄してきたのですから・・・」
(だ、大丈夫じゃねええええ)
お、大騒ぎになってるぞ。どうするんだよ。しかもどうやって脱獄したんだろう。想像するのが怖い。
「とりあえず、場所を変えよう。もしかしたら建物の中かもしれない」
「はい・・・」
少し笑顔が曇り始めた。場所を変えて少しでも落ち着かせないといけないな。
省20
127: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:05 ID:O/HcmLgH(9/13) AAS
周りの人々の目線が痛い。しかし誰もが気にするだけであり、すぐにまた自分の世界に戻ってしまう。
結局の所それが現実でもあるが。しかし素通りする中にどうしても聞き捨てならない言葉もあった。

「嫌ね、最近の若い連中は。きっと「つわりよ」ほら、今流行ってるじゃない。えっと・・・そう・・「出来ちゃった結婚」よ!」

ユウキは耐えがたい屈辱を受けながらも心の中で叫んだ。

(それだけは違う!!!)と・・・

ようやく体調の落ち着いたコンルを連れてエスカレーター前に来た。自動的に動いている不思議なからくり、人が上に上がったり下がったりしている。
「怖がらなくてもいいよ。一緒に乗れば大丈夫だから」
「あの、ユウキさん。今からこのからくりで上に向かうのですか?それとも下に向かうのですか?」
からくりと来たか。いかにもコンルらしい。
「ああ、とりあえず上に向かおうかな」
省14
128: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:06 ID:O/HcmLgH(10/13) AAS
「あうっ・・・」
また、座り込んでしまう。ユウキが周りを見渡した。そして落胆した。
「何てこった。ここら一体全部喫煙室そのものじゃないか」
たしかに横の案内図を見ると「喫煙は出来るだけここで行って下さい」と書いてある。
最近は煙草を吸う人が増えたのかご丁寧に個人の喫煙室まで置いてある。
(個人の喫煙室なんて始めて見たぞ。それに余計な部分に金を掛けるなよ・・・)
いくら密閉された部屋の中が喫煙室でも、そこから漏れてくる煙の匂いにコンルが耐えられるはずもない。
一階の匂いよりも少し強い。店側は時折この部屋の清掃をちゃんとしているのか不安になった。
まわりにお客達の座る為のベンチが置いてあったのでそこにコンルを座らせる。
苦しそうに息を吐きながらそれでも口を開くコンル。
省7
129: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:07 ID:O/HcmLgH(11/13) AAS
「えっ?」
そこには見慣れた人影があった。何であの人がこんな所にいるんだろうと疑問に思いながらも声を掛けた。
「コウタ先輩!」
声に反応した青年が後ろを向いた。少し慌てた様子だったがすぐにいつもの表情を見せた。
ユウキにとってコウタ先輩は憧れの存在でもある。
「あれ?どうしてユウキがこんな所にいるの?」

第十三話「贈り物」
「ちょっと人探しを・・・」
「お前のお母さんか?」
思わず、顔をむっとさせるユウキ。
省19
130: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:08 ID:O/HcmLgH(12/13) AAS
「ほらよ!」
「これは?」
「見て分からないか?二十歳の記念の「ビール」と「煙草」だよ」
「・・・・」
確かに、法律上、二十歳になれば両方ともOKだけど。無理してるコウタを見て何だか申し訳ない事をしたような気がしたユウキ。
観念したようにコウタが切り返した。
「先輩として正直に言おう。貧乏学生でスマン・・・」
ユウキが否定の首を振った。
「ありがとう先輩。このプレゼント、大事にします」
(ユウキ・・・煙草はいいがビールは大事にしたらマズイだろ。冷蔵庫にすぐに入れろよ)
省21
131: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/16(金)23:08 ID:O/HcmLgH(13/13) AAS
「悪い、ユウキ。そろそろ俺行かないと行けないから」
「あっ、すいません。でもどうしてコウタ先輩この下着売り場にいたんですか?」
「い、いいじゃないかそんなこと」
凄く困ったそうにコウタが答えた。気になるが嫌がる質問をするのも失礼だ。
「じゃあな!ユウキ!」
「はい。コウタ先輩」
(そういえばアイツ、首元に首飾りみたいなのを付けていたが、アイツ恋人でも出来たのだろうか?どう見てもあれは女性が付ける首飾りだな。
あいつ、俺以外からもちゃんとプレゼントをもらってるじゃん)
コウタが心の中で自らの考えをはぐらかした。
最後にコウタがそのまま立ち去るのを見送った。
省11
前次1-
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル

ぬこの手 ぬこTOP 0.881s*