[過去ログ] サムスピ総合エロ萌えSS 4 (538レス)
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96: 新人567 ◆6dzfUbh5mo 2007/03/03(土)07:16 ID:cVYlumxe(6/14) AAS
第六話「不思議な力」

ご飯と味噌汁、(コンルの場合はおかずに氷を)差し出され手を添えていただきますとコンルが合掌した。
本当に律儀な人だよな、まじまじと素直なコンルを見やる。
「ユウキさん」
不意にコンルが自分の名前を呼んだ事に気付く。
「折角なのでかき氷食べますか?氷があれば私の力でかき氷を作る事が可能ですから」
その前に突っ込むべきかどうか悩んだ。こんな真冬にかき氷、本当に状況を省みず発言するよなと、ユウキが気付く。
そしてもう一つ。自分の氷を使えばいいのでは?
待てよ。自分の氷を使うと自分に負担がかかるからか・・・
だが、そんな言い方をするのも可愛そうなのであえてコンルの誘いに乗る事にした。
それにどんな風にかき氷を作るのかも見物である。
「それじゃあお願いしようか。コンルにそんな特技があるなんて。かき氷事態の発想がコンルらしいや」
「その前に空いたお皿はないでしょうか?」
ああ、と言いながらユウキが小さな戸棚から予備のお皿を取りにいく。そしてそのお皿をコンルに手渡す。
自分の掌に氷をいくつか取り出す。そして包み込むようにして皿の上から掌を広げた。
まるで砂の粒のようにさらさらと小さな音を立てながら皿の上に盛り付けられていく。
それをコンルは二度繰り返した。それにより手ごろな量になった。
「そのまま食べてもおいしいですよ。ちなみにリムルルもかき氷を作る事が出来ますよ」
ユウキは想像していた。その場合はコンルの力を使ったかき氷なんだろうなと・・・
リムルルには申し訳ないがそれはコンルの身を削って作り上げた命懸けのかき氷じゃないのかと・・・
箸でかき氷をつまみ上げゆっくりと口の中に流し込んだ。
じ〜っと、試験の合格発表を待つかのようにコンルの青い瞳がユウキを見詰めていた。
胃の中に流れた瞬間だった。不意にユウキの箸が止まった。
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