[過去ログ] サムスピ総合エロ萌えSS 4 (538レス)
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443: 半蔵×楓(第二夜)7 2010/05/08(土)20:07 ID:Vgq/onUy(8/24) AAS
山道の白い地面に男と女の雪駄跡が続く。
3月に入ったというのに珍しく雪が降り積もったのだ。

半蔵の前を歩く楓の後ろ髪が大きく揺れる。
長い間、外部と遮断された世界にいたため、積もった雪がよほど嬉しいのだろう。
雪に足跡をつけては子供のように笑っている。

「…良いのか?相談役達には拙者から申す故、無理にお役目を引き受けなくとも良いものを。」

「帰ってきてまだ七日も経っていないというのに、またすぐに次のお役目…
今回は私の方があなたよりずっと適任でしょう?…それに、一緒にいられるもの。」
半蔵の方に振り返ると、茶色の瞳は大きく孤を描き、三日月の形に変わる。

太陽の光が雪に反射し、その光りが妻の美しさをより一層際立たせた。
その笑顔の妻とは対極に、半蔵の顔は無表情ながらいつもより曇っているようにも見える。
妻と一緒にいられるのは喜ばしいものの、今回も仕事の内容を考えると半蔵は心底喜べなかったからである。

夜も更けた頃に大きな街に入り、一軒の置屋へと忍び込む。
木戸を開けると片手ほどの人数の男、二十名ほどの女達が忍装束に身を包み、肩膝を床に付け頭を垂れていた。
半蔵の後ろに立ち尽くす楓は息を呑む。
このような光景を目にするのは初めてではないが、「半蔵」という名を持つ者の偉大さを改めて実感する。

ここは表向きは芸者を手配する「置屋」だが、中にいる者達が全員伊賀の者だという。
花街にいる者達同様、「情報収集」が主な役目である。

半蔵はこの置屋のおかみと見られる神経質そうな中年の女や番頭の男達と会話した後、直ぐに任務遂行のため発ってしまった。
お役目の中では夫婦も恋人も関係ない。
一旦、お役目に入ると夫ではなく伊賀頭領の「服部半蔵」に徹する事を楓はよく知っていた。
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