[過去ログ] 【ぷよ】コンパイルで萌えるキャラ《3》【魔導】 (981レス)
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932: 04/02/04 21:17 ID:Dt8W/wv/(2/10) AAS
出産した直後だったのか、その猫達は血と、雪と泥で汚れていた。
シェゾはアルルにお湯を用意させて、汚れをそっと落としていく。
母親猫と子猫の一匹は、もう死んでいた。
「うう、う…、も、もう一匹は……?」
「まだ、なんとか、息があるみたいだ、が」
母親猫の亡骸に隠れていた一匹の子猫は、なんとか呼吸していた。
でも目も開いてなく、鳴き声も出さず、胸がかすかに上下しているだけ。
「なんで、こんな時季に猫が出産しているんだ……」
それに、猫好きなアルルとつきあっているとこの街の猫はよく見ているのだが、
この特徴ある白黒模様の猫は全く見覚えがない。少なくとも近所の猫じゃない。
「そんなのわかんないよ!とにかく助けてあげないと!」
「…ああ」
でも、いくらシェゾでも、どうやって助ければいいのか見当がつかなかった。

とりあえず、冷えきっていたので、子猫を暖める。
お湯を張った桶の水面に手を入れてその上にタオルを置いて、それで子猫を包んだ。
「ねえ、ヒーリングは!?ヒーリングかけちゃだめ?」
「いや、かけてみよう…。ただ、人にかけるような魔導力をそのまま投射するのはだめだ。
出来るだけ小さく、こいつの体が受け入れられる容量の魔導力じゃないと」
「え、え。そんなのボクは無理だと思う、から。シェゾ…」
「いや、お前のほうが適任だ。お前のヒーリングのほうが、俺のより、暖かいから」
「でも、小さくとか、そんなのできないよう……」
「俺が補佐するよ」

シェゾはアルルと両掌を重ねて、その上に子猫を乗せる。
そしてアルルの手がヒーリングをかけ、シェゾの手がそれに制限を加えて出力を調節する。
二人は手と意識を重ね合わせて、子猫に微弱なヒーリングをかけ始めた。
きぃぃーー……ん
「お願い……死なないで……」
アルルが涙声で語りかけた。
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