[過去ログ] 処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第22話 (167レス)
上下前次1-新
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
次スレ検索 歴削→次スレ 栞削→次スレ 過去ログメニュー
66: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)15:22 ID:yMEEbPYT0(8/16) AAS
「だけで、なんでうたちゃんがこんな風になるのよ!」
いや、それはむしろこっちが聞きたいぐらいで……。
「おおっ! ただ千早お姉さまがお作りになった夕食をいただくだけですのに、この桃色オーラ全開の展開!
まさに魔王ルシファーも頬を染めて全力で逃げ出して小惑星に激突して爆発させるような雰囲気です!」
「あのね陽向、そのわけのわからない表現はおやめなさい」
香織理さんのツッコミももっともかもしれないけど、僕には陽向ちゃんの表現よりこの展開の方がわけがわからない。
僕の作った料理を食べてるだけなのに、どうしてこうなるの?
「んっ……くっ……ああああああああっ……!!」
そしてしばらく食べ続けた後、雅楽乃はそう叫んだかと思うと、ぐったりしてしまった。
「はあっ……はあっ……はあっ……はあっ……」
省11
67: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)15:29 ID:yMEEbPYT0(9/16) AAS
「じゃあ皆さん、雅楽乃はどうやら風邪か何かをこじらせてるようですから、部屋に運んで看病しますね」
僕は早口でそう言うと、雅楽乃を抱きかかえてダッシュで自分の部屋へと逃げ去った。
「ふう……」
僕は雅楽乃を自分のベッドに寝かせると、ため息をついた。なんでこんなことになったんだろう……。
「あ……あん……千早お姉さま……」
雅楽乃は艶めかしい声で寝言を言っている。いったいどんな夢を見ているんだ?
「千早お姉さま!」
そう思っていると、部屋の扉をドンドンと叩く音が聞こえてきた。
「雪ちゃん? どうぞ。開いてるわよ」
僕がそう返事すると同時に雪ちゃんがドアを開けて入ってきた。見ると予想通り険しい顔をしている。
省7
68: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)15:36 ID:yMEEbPYT0(10/16) AAS
「雪ちゃんは、ミステリー小説も結構読むのよね?」
「な、なんですか突然……もちろん読みますよ」
「じゃあ冷静に考えてみて。料理を作ったのは全員分をまとめてだし、取り分けたのは史だった、そうよね?」
「え、ええまあ……」
僕が確認すると雪ちゃんは少し弱い口調で同意した。
「その時史に何か雅楽乃に薬の入ったものをつかませるような動作をしていたかしら?」
「そ、それは……してなかったと思います」
「となると、残るは雅楽乃のお皿に薬を塗るくらいだけど、そのお皿も最初から並べられていて、座る場所は決まっていなかった
……そうよね?」
「そ、そうです……」
省13
69: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)15:43 ID:yMEEbPYT0(11/16) AAS
翌日、聖應女学院、修身室……。
「そういうわけで、雪ちゃんが気を失った雅楽乃を介抱してくれたのです」
千早は雅楽乃に気を失った後のことについて説明していた。
「まあ、そうだったのですか。ありがとうございます、雪ちゃん」
「いや、別にお礼を言われるほどのことでもないから……」
雅楽乃が雪ちゃんに感謝の気持ちを述べる。僕もそれを微笑ましく思える。
「けれど雪ちゃんの計算高さには本当に感心してしまいます」
「へっ……!?」
そう思っていた直後のその雅楽乃の言葉に、僕も雪ちゃんも唖然となった。
「だって、せっかくお姉さまと甘い甘い一時を過ごせる千載一遇の機会でしたのに……」
省10
70: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)15:50 ID:yMEEbPYT0(12/16) AAS
「まあ、千早お姉さまのお料理の腕が琥珀の君に並ぶものとは聞いておりましたが……」
「まさか御前でさえもそこまで陶酔させてしまうような魔法の料理を作れてしまうなんて……」
「いや、うたちゃんだから……と言った方が正しいと思いますけど……」
雪ちゃんが僕にひそひそ声で言う。僕も納得だ。
「うらやましいーっ!」
な、なんか嫌な予感がするのは気のせいだといいけど……。
「そういえば確か、明日お姉さまのクラスは調理実習ではありませんでしたか?」
「ええ、そうですけど……」
「もしよろしければ、私にもお姉さまの手料理のおこぼれをいただけませんか?」
お、おこぼれって……。
省5
71: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)15:57 ID:yMEEbPYT0(13/16) AAS
そして、翌日の調理実習……。
「もーっ! こんなの全然チンプンカンプンだよ!!」
「薫子さん、テンパっていても事態は何も好転しませんよ。とりあえず落ち着いてください。私が教えますから」
僕はうまく料理が作れなくてパニクっている薫子さんを落ち着かせ、手を取ってここはこうする、と手を動かして教えた。
「あ、う、うん……」
そうすると薫子さんは何に戸惑ったのか、恥ずかしくなったのか顔を赤らめておとなしく僕の言うとおり料理を作っていく。
「さあ、次は薫子さん1人でやってみてください」
「ちょ、ちょっと千早! 出来たんだしもういいじゃない!」
そして薫子さんの料理を作り終わったところでそう言うと、予想通り薫子さんは反論してきた。でも……。
「ダメです」
省8
72: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)16:04 ID:yMEEbPYT0(14/16) AAS
「……別にほしいなんて言ってないから」
「あら、立派な淑女になるための特訓を願い出てきたのは薫子さんですよ? お料理の立派な淑女になるための一環ですから」
僕は笑顔で薫子さんの反論を封じていった。それをしばらく続けていると……。
「うう……千早の意地悪……」
とうとう薫子さんが目と同じ幅の涙を流し始めた。
「でも、そのおかげでここまで上達したではありませんか。ほぼ初心者でここまでできれば大したものですよ」
「どうせあたしは初心者ですよー。千早とはちがいますよーだ」
薫子さんは完全に拗ねてしまっている。褒めてるんだけどね。
「あのね薫子さん。誰だって最初は初心者ですよ。私が料理を始めたころに比べればずっと上手ですから」
それからしばらく僕は励ましたけど、落ち込んだままだ。
省10
73: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)16:11 ID:yMEEbPYT0(15/16) AAS
「あら、薫子は千早のこと褒めてるんだから、素直に喜んでおきなさいよ」
そう言っていると、いつの間にか香織理さんと史が調理室に来ていた。
「香織理さん……私の性別のこと忘れてませんか?」
「あら、性別はどうあれ褒めてることには変わりないじゃない」
ジト目の僕の反論にも、香織理さんは澄ました顔のまま返してきた。
「あのね……もし香織理さんが“男の中の男”なんて称号をもらったらどうですか?」
僕がさらにジト目で言うと、香織理さんは途端に笑顔になった。
「もちろん、全力で辞退させていただくわね」
「うぼぁーっ……!」
ガーン!!
省7
74(1): 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/07/30(水)16:19 ID:yMEEbPYT0(16/16) AAS
とりあえず、これで一区切りです。残りは現在執筆中です。
完全に過疎化してしまった中、ご覧下さる方がどれだけいらっしゃるかわかりませんが……。
それでは、今回はこれで。お目汚し失礼いたしました。
75(1): 2014/07/30(水)20:04 ID:VpWsy/e60(1) AAS
>>74
久々の投稿堪能させていただきました。
後編も楽しみにしています。
でも漫画ネタはさっぱり分からなかったorz
76: 2014/07/30(水)21:07 ID:bDRhestl0(1) AAS
後編もたのしみです〜
77: 2014/07/31(木)07:21 ID:swtPd2rw0(1) AAS
きてたー
続き待ってます
78: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/08/01(金)12:01 ID:A5tNPq9v0(1) AAS
ご期待ありがとうございます。
>>75
漫画ネタは、借金まみれのお人よしのギャンブラーが、
高利貸し財閥主催の極悪ギャンブルで勝ちあがっていく漫画です。
千早くんは、そういうヤツらが悪役の漫画を薫子さんが見ているのが意外だ、と言ったわけです。
79: 2014/08/03(日)19:03 ID:k8UV2daN0(1) AAS
新作来た!こてで勝つる!
東の扉様,GJです!!
80: 2014/08/29(金)14:48 ID:RFyOYsq50(1) AAS
他の人のSSはもう来ないんでしょうか?
ししがみさん以外の方のSSなら大歓迎なんですが。
81: 2014/09/02(火)03:49 ID:5RWi59ar0(1) AAS
ほ
82: 2014/10/06(月)21:45 ID:3ErcY6G60(1) AAS
ほ
83: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/10/12(日)22:46 ID:+irF3OKW0(1/11) AAS
お久しぶりです。東の扉です。
サキュバスの晩餐、後編が完成しましたので、投稿させていただきます。
17レス分ありますので、よろしくお願いします。
84: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/10/12(日)22:52 ID:+irF3OKW0(2/11) AAS
〜サキュバスの晩餐 後編〜
そして僕が調理実習で料理を作った日の放課後、修身室……。
「お待たせしました。皆さんへのお約束の調理実習で作ったお料理です」
僕はそう言って華道部のみんなに1つずつ僕が作った料理を渡した。
「まあ、ありがとうございます、千早お姉さま」
「どういたしまして」
部員たちが一通り僕にお礼を済ませると、さっそく興奮気味に雅楽乃へ味の確認を行った。
「御前、千早お姉さまのお料理って、ものすごくおいしいのですよね?」
「ええ。口に入れただけで、千早お姉さまの愛情が手に、足に、胸に、おなかに、足の付け根に、
それこそありとあらゆるところに染み渡って、それはもうすごく感じてしまいました」
省9
85: 東の扉 ◆FVKSJZ0PUs 2014/10/12(日)23:00 ID:+irF3OKW0(3/11) AAS
「まあ、御前がここまで美味しいと感じるなんて……」
「そんな千早お姉さまのお料理をいただけるなんて、私たちはなんて幸せ者なんでしょう……」
他の華道部員は、そんな雅楽乃の様子を見て、食べる前にすっかり舞い上がってしまっている……。
「お姉さま……なんか嫌な予感がしませんか?」
「奇遇ね。私もそう思ってたところよ、雪ちゃん」
その予感は的中した。華道部員たちは、全員雅楽乃の言葉と様子に感化されて、食べ終わった時には
雅楽乃同様に桃源郷の中をさまよっていた。
それから3日後、僕の3ーAが調理実習の時……。
「千早お姉さま、私にも調理実習のおすそわけをいただけませんか?」
「白銀の姫君、私もお願いしてよろしいですか?」
省7
上下前次1-新書関写板覧索設栞歴
あと 82 レスあります
スレ情報 赤レス抽出 画像レス抽出 歴の未読スレ AAサムネイル
ぬこの手 ぬこTOP 1.402s*